初島の概要
初島は伊豆半島の付け根付近の東側に位置する、静岡県熱海市の離島です。外周は約4kmで人口は200人ほどと小さな島ですが、高速船が出ている熱海港から直線距離で約10kmほどと本土からも近いため観光地となっていて、毎年30万人ほどの観光客が訪れています。
有人島としての歴史は古く、縄文時代の遺跡があることから縄文時代には人が住んでいたと言われています。なお、現在遺跡はホテル等の建物の下に埋もれているため直接見ることはできませんが、島内の『初島海洋資料館』で出土品を見ることができます。
その他にも島内には江戸城石切り場跡があったり、自然の中でアクティビティを体験できるリゾート施設があったりと魅力溢れる離島となっています。
また、初島は釣りスポットとしてもとても人気の高い島です。海底が斜面になっている場所は釣り用語で「カケアガリ」と言い魚影の濃いポイントとして知られていますが、初島は島全体がカケアガリとなっていて、漁師さんたちの中で初島は「天然の漁礁」と呼ばれています。
初島の釣り場
海に囲まれた初島には釣りポイントが複数ありますが、メインの釣り場となるのは
- 初島第一漁港
- 初島第二漁港
の2つのポイントとなっています。
初島内には漁港以外でも釣りができるポイントがありますが、多くがゴロタ浜となっていますので、釣り初心者やファミリーの場合はいずれかの漁港に釣座を構えるのがお勧めです。
いずれも人気のポイントとなっていて、ハイシーズン中は早めの釣座確保が必要です。島に宿泊して釣りを楽しんでいる方もいますので、日帰りで釣りを楽しみたい場合は高速船の始発に乗って釣座を確保するようにしましょう。
なお、いずれも釣りのために作られた施設ではなく、海面までの高さがある防波堤が釣り座となります。初島で釣りをする場合はライフジャケットを着用するなど、安全面にも十分配慮して釣りを楽しん下さい。
1.初島第一漁港
高速船の発着場にもなっている港の釣りポイントです。港を覆うように設置された全長150メートルほどの防波堤がメインの釣り場となっています。
防波堤は、外海側が一段高い構造となっている他、外海側の一部は大きなテトラが入っています。テトラ帯も人気の釣座となっていますが、初心者やファミリーは無理をせずにテトラ以外の場所に釣り座を構えるようにしましょう。
防波堤の根元付近および先端付近には、転落防止の柵が張られていて、子連れファミリーでも比較的釣りがしやすいポイントもあってお勧めです。
また、港内にある35メートルほどの小さな防波堤でも釣りが楽しめます。外海側の防波堤で釣座が埋まっている場合には小さな防波堤で釣りをすると良いでしょう。
狙える魚種は非常に豊富で、サビキ釣りで定番のアジやイワシ、サバや、単純な胴突き仕掛けでもカワハギやメバルなどが釣れます。
また、外海側では夏から秋にかけてはショゴやワカシ、イナダ、ソウダガツオなどの青物の回遊も見られますので、ジギングやカゴ釣りで狙うと良いでしょう。春や秋にはアオリイカ、冬にはヤリイカの釣果実績も高いので、真新しいイカ墨跡を見つけたらエギングに挑戦するのもお勧めです。
初島といえば型の良いメジナが釣れることでも知られています。フカセ釣りで狙うことが多いですが、サビキ釣りにヒットすることもありますので、初心者でも狙えうことができます。
2.初島第二漁港
第一漁港から東側に徒歩で5分ほどの場所にある港です。港には日本の防波堤が設置されていて、第一漁港と同じく防波堤での釣りがメインとなります。
防波堤の外海側はテトラが入っていて足場が不安定となっていますので、釣り初心者やファミリーの場合は、南側にある防波堤の内海側などに釣座を構えると良いでしょう。
釣れる魚種も第一漁港とほぼ同じで、サビキ釣りでのアジやイワシ、サバ、ジギングやカゴ釣りで青物、エギングでアオリイカ、フカセでメジナなど様々な魚種を狙うことが可能です。
また、初島では小さな高級魚『タカベ』の釣果実績が高いことでも知られています。タカベは群れで暮らしていて、その群れが入って来れば数釣りが楽しめます。初心者にお勧めのサビキ釣りでも釣ることができますので、ファミリー層にも人気のターゲットです。
釣具のレンタルサービス
フェリーの発着場でもある第一漁港の防波堤付け根にある『初島漁協蓄養部』では、釣具のレンタルサービスも行っています。初島観光のついでに少し釣りも楽しみたいという方には嬉しいサービスです。
ただし、仕掛けなどはウキとオモリと針というような単純なもののみとなっていますので、本格的にいろんな釣りを楽しみたい場合はご自身でタックルを用意しましょう。
初島での釣りの注意点
釣り禁止エリア
海に囲まれた初島には複数の釣りポイントがありますが、釣りが禁止されているエリアも多くあります。
釣りが禁止されているエリアの詳細については初島区事業協同組合の公式サイトをご確認ください。
獲ったらダメなもの
初島ではイセエビ、ナマコ、アワビ、サザエなどは漁業権が設定されていて、漁業権を持っていない人が獲ってしまうと違法となります。漁業権の詳細については静岡県の公式サイトをご確認ください。
毒を持った魚
初島ではアイゴやゴンズイなどヒレなどに毒を持った魚が釣れることもあります。もし釣れてしまった場合は素手では触らず、取り扱いには十分注意して下さい。
初島で釣れる魚
春
- メバル
- カサゴ
- メジナ
- アオリイカ
- タカベ
夏
- アジ
- イワシ
- サバ
- タカベ
- イサキ
- シマアジ
- ワカシ
- ショゴ
- ソウダガツオ
- 真鯛
秋
- アジ
- イワシ
- サバ
- タカベ
- メジナ
- イサキ
- シマアジ
- ワカシ
- ショゴ
- ソウダガツオ
- アオリイカ
- イシダイ
- イシガキダイ
- 真鯛
- シーバス
冬
- カサゴ
- メバル
- タカベ
- ヤリイカ
- シーバス
初島へのアクセス
高速船
初島へ渡るには、熱海港から出向している高速船を利用します。高速船の料金は往復で
- 大人:2,640円
- 子供:1,320円
となっています。(料金に変動があるかもしれませんので、詳細は公式サイトをご確認ください)
熱海港へのアクセス
なお、高速船が出ている熱海港は、真鶴道路の『福浦インターチェンジ』から車で15~20分ほどの道のりです。
駐車場は定期船乗り場に隣接する『熱海市営 臨港』を利用します。
初島の釣具屋
初島内に先に紹介した釣具のレンタルサービスはありますが、釣具屋さんはありませんので、以下の釣具屋さんなどで島に渡る前に仕掛けなどは購入しておきましょう。
フィッシングショップサンワ
熱海港の定期船乗り場のすぐ近くにある釣具屋さんです。朝早くから営業していますので初島に渡る前に立ち寄ると良いでしょう。また、釣具のレンタルサービスも行っています。
- 住所:熱海市和田浜南町1694-18
- 電話番号:0557-81-3967
- 営業時間
4月~11月:4時半~19時
12月~3月:5時半~19時 - 定休日:毎週木曜・第三水曜日
- 公式サイト
初島内のコンビニ・食事処
コンビニ
初島内にコンビニはありませんが『初島漁協スーパーマーケット』という商店があります。お土産物に加え、食料品や飲料、酒類などを販売しています。なお、営業時間は7時半~17時となっています。
食事処
初島内には
- 地元の漁師さんが営む食堂が軒を連ねる『食堂街』
- アジア料理を堪能できる『島cafe』
- シーフードBBQなどを堪能できる『テラスレストラン』
など、観光客向けの食事処が豊富にあります。詳しくは公式サイトをご確認ください。
静岡県のその他釣りスポット
初島のある静岡県は、相模灘に面した伊豆半島東部や駿河湾の沿岸エリア、太平洋に面した遠州灘など複数の海域にまたがる総延長506kmの海岸を持つ県です。
人気釣りスポットもとても多く、県外からもたくさんの釣り人が静岡県の釣り場に通っています。
釣り場の環境もファミリー向けの車横付けができるポイントや、ベテラン向けの磯場など多種多様です。
以下の記事では静岡県内の釣りスポットの中から、ファミリー層にもお勧めな釣り場を中心に紹介していますので、静岡での釣行の際にぜひご参考下さい。
▶静岡県の釣り場27選!ファミリーや初心者にもお勧めなポイントや狙える魚種を360度写真付きで紹介
初島のまとめ
冒頭にも書いた通り初島は天然の漁礁と呼ばれるほど魚影が濃く、栄養豊富な海であるため釣れる魚の型も味も良いことで知られています。釣り人にとってはまさに天国のような釣りスポットとなっていて、東京都内から遠征してくる釣り人もたくさんいます。
なお初島に渡る高速船は、
- 熱海発(行き)の始発:7時30分
- 初島発(帰り)の最終:17時50分
となっていて、日帰り釣行だと釣りのゴールデンタイムとなる朝マヅメや夕マヅメの釣りが難しいスケジュールとなってしまいます。初島には民宿やホテルなど宿泊施設も充実していますので、せっかく島に渡るなら泊まりでの釣行プランがお勧めです。
最後に、島内の防波堤などは釣りのために設けられた施設ではありません。釣り客以外の観光客もたくさん訪れるスポットです。そのことを忘れずに
- ゴミは持ち帰る
- 餌で汚したら掃除をする
- キャストするときは周りに気を配る
- ライフジャケットを着用するなど安全面にも十分配慮する
- 釣り禁止の場所で釣りはしない
など、釣り人としてのルールやマナーを必ず守って釣りを楽しみましょう。
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