鶯谷観光を楽しもう!おすすめスポットを360度写真付きで紹介します。

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都会の喧騒を忘れる、歴史と文化が薫る街・鶯谷

鶯谷駅前の風景

「鶯谷」と聞いて、どんな街を思い浮かべますか?山手線の駅のなかでも知名度が低く、「なんとなく怪しいイメージ」を持っている方も多いかもしれません。でも実は、この街には東京の観光エリアのなかでも、ひときわ豊かな歴史と文化が息づいています。

鶯谷という名前の由来は、江戸時代の元禄年間(1688〜1704年ごろ)にさかのぼります。上野寛永寺の門主がこの地にウグイスを放鳥したことが名前の起こりとされており、その風雅な由来がそのまま駅名として今日まで残っています。

駅の北側に広がる根岸エリアは、江戸から明治にかけて「根岸の里」と呼ばれた閑静な土地でした。景観が美しく静かなことから、裕福な商家の隠居たちが別荘を構えるような場所として知られ、江戸後期の絵師・酒井抱一、明治の俳人・正岡子規、作家の幸田露伴など、多くの文人や芸術家たちが愛した街でもあります。

一方で、駅の南側・上野方向には徳川将軍家の菩提寺・寛永寺をはじめとする寺社や、東京国立博物館・国立科学博物館といった世界レベルの文化施設が徒歩圏内に揃っています。歴史の重みを感じながら歩ける街として、散歩好きにはたまらないエリアです。

上野駅や日暮里駅という大きな駅に挟まれているためか、観光客でごった返すこともなく、どこかのんびりとした下町の空気が今も漂っています。東京にいながら、少し昔の東京に迷い込んだような感覚を味わえる——そんな特別な街が、鶯谷です。

鶯谷の観光スポット

神社・仏閣

元三島神社(鶯谷駅北口から徒歩約1分)

鶯谷駅を出て最初に目に入るのが、この元三島神社です。1281年の蒙古襲来(弘安の役)にさかのぼる、鎌倉時代創建の古社で、出陣した武将・河野通有が大山祇神社に必勝を祈願し、帰陣後にその分霊をこの地に祀ったのが始まりとされています。その後、江戸時代に幕府の命で現在の地へと遷座を重ね、氏子たちの手で「元」三島神社として守り継がれてきました。

境内は決して広くはありませんが、階段を上った先に本殿がある造りになっていて、駅のホームからも屋根が見えるほど。下谷七福神のひとつ・寿老神を祀っており、春になると境内の桜が鳥居まわりを彩り、電車の乗降客の目を楽しませてくれます。七夕限定の御朱印など、季節ごとの限定御朱印も人気です。

寛永寺(根本中堂)(鶯谷駅から徒歩約5分)

鶯谷を代表する寺院といえば、やはりこの寛永寺です。1625年(寛永2年)に天海大僧正によって創建された、徳川将軍家の菩提寺で、かつてはその境内が現在の上野公園全域に及ぶほどの規模を誇っていました。幕末の上野戦争で多くの伽藍が焼失し、その後現在の地に移転して再建されたのが今の姿です。

境内の中心にある根本中堂は国の登録有形文化財で、本尊は薬師如来。現在の堂は埼玉県川越市の喜多院から明治12年に移築したもので、江戸初期の建築の重厚さが今も随所に感じられます。

また、寺務所の奥には15代将軍・徳川慶喜が明治維新後に謹慎した「葵の間」も残っており(通常非公開)、歴史好きにはたまらないスポットです。除夜の鐘でも知られ、大晦日には境内の鐘楼と上野公園内の時鐘堂の2か所から鐘の音が響き渡ります。

入谷鬼子母神(真源寺)(鶯谷駅から徒歩約5分)

「おそれ入谷の鬼子母神」という江戸の洒落言葉でおなじみの、法華宗本門流の寺院・真源寺です。1659年(万治2年)の創建で、雑司ヶ谷・中山法華経寺と並ぶ江戸三大鬼子母神のひとつとして広く知られています。安産と子育てにご利益があるとされており、下谷七福神の一社でもあります。

毎年7月6日〜8日に開催される「入谷朝顔まつり(朝顔市)」は、境内と前の言問通りに約60軒の朝顔業者と100軒以上の露店がずらりと並び、3日間で約40万人もの人出を誇る夏の大イベント。江戸時代から続く朝顔栽培の伝統を受け継いだこのお祭りは、東京の初夏を告げる風物詩として定着しています。境内自体はこぢんまりとしていますが、下町らしい温かみのある雰囲気がとても心地よい場所です。

小野照崎神社(鶯谷駅から徒歩約10分)

852年(仁寿2年)創建という、鶯谷エリアでも随一の歴史を持つ神社です。平安時代の歌人・小野篁(おののたかむら)を主祭神とし、江戸末期には菅原道真も相殿に祀られました。学問・芸能・仕事にご利益があるとされており、芸人や音楽家、芸術家など多くのクリエイターが参拝に訪れることでも知られています。

境内でぜひ注目してほしいのが、国の重要有形民俗文化財に指定された富士塚「下谷坂本富士」です。1782年から築き始められ、1828年に完成したこの富士塚は、高さ約5m・直径約16mもある小山で、富士山の溶岩で形作られています。

毎年6月30日・7月1日の「お山開き」の2日間だけ登拝できる、都内でも珍しい体験ができる場所です。

上野東照宮(鶯谷駅から徒歩約15分)

上野公園の木立の奥に鎮座する上野東照宮は、1627年(寛永4年)創建の、徳川家康公を祀る神社です。出世・勝利・健康長寿にご利益があるとされ、国内外から年間を通じて多くの参拝者が訪れます。境内に入るだけなら無料で、社殿(金色殿)の外観は拝観料を払うことで間近に見ることができます。

見どころはなんといっても、「金色殿」とも呼ばれる金箔と黒漆で彩られた豪華絢爛な社殿です。3代将軍・徳川家光が「日光東照宮まで行けない江戸の人々のために」と1651年に造営替えしたもので、関東大震災にも東京大空襲にも耐えた奇跡の建築物として国の重要文化財に指定されています。

参道には徳川御三家をはじめとした大名から奉納された48基の銅灯籠が立ち並び、その風格ある景色は時代劇の舞台さながらです。

花園稲荷神社・五條天神社(鶯谷駅から徒歩約15~20分)

上野東照宮のすぐそばに、ほぼ一体となるように並んで鎮座している2つの神社です。それぞれ独立した神社ですが、境内がつながっており、セットで参拝するのが地元でも定番になっています。

花園稲荷神社は衣食住と縁結びのご利益で知られ、朱の鳥居が連なる東参道の景観が印象的です。幕末の上野戦争では彰義隊の最後の激戦地となった歴史も持っています。隣の五條天神社は医薬の祖神を祀る神社で、健康祈願・病気平癒を願う参拝者が多く訪れます。御朱印は五條天神社の授与所でどちらのものもいただけます。上野東照宮への参拝とあわせて、ぜひ立ち寄ってみてください。

博物館・美術館

台東区立書道博物館(鶯谷駅北口から徒歩約5分)

鶯谷駅からもっとも近い博物館が、この書道博物館です。洋画家であり書家でもあった中村不折(1866〜1943)が、40年以上かけて独力で蒐集したコレクションをもとに、1936年(昭和11年)に開館した、書道に特化した専門博物館です。のちに台東区に寄贈され、現在は台東区立の博物館として一般公開されています。

展示品は「書道」という言葉から連想するものよりはるかに幅広く、殷時代の甲骨文字に始まり、青銅器・玉器・仏像・墓誌など東洋美術史上の重要な文化財を数多く所蔵しています。重要文化財12点、重要美術品5点を含むそのコレクションは、漢字と書の歴史をたどる上でまたとない資料が揃っています。子規庵の真向かいに位置しているので、根岸エリアを散策しながら立ち寄るのにぴったりのスポットです。

東京国立博物館(鶯谷駅南口から徒歩約10分)

最寄り駅はJR上野駅(公園口)ですが、鶯谷駅南口からも徒歩約10分でアクセスできます。上野公園の奥に堂々とそびえる東京国立博物館、通称「トーハク」は、1872年(明治5年)開館という日本最古の博物館です。国宝88件・重要文化財634件を含む約11万6,000件もの文化財を収蔵し、規模・質ともに国内最大級を誇ります。

常設展では埴輪・浮世絵・甲冑・刀剣・茶道具など多彩な展示が楽しめるほか、年に数回、国内外から注目を集める大規模な特別展も開催されます。広大な敷地には複数の建物が立ち並び、屋外にも重要文化財の黒門や石像などの展示があります。

ボランティアによるガイドツアー(無料)もあり、初めての方でも深く楽しめる工夫が充実しています。一日では回りきれないほどの充実度なので、事前にお目当ての展示を絞っておくのがおすすめです。

国立科学博物館(鶯谷駅南口から徒歩約10分)

最寄り駅はJR上野駅(公園口・徒歩約5分)ですが、鶯谷駅南口からも徒歩約10分でアクセスできます。1877年(明治10年)創立の日本で唯一の国立総合科学博物館で、500万点以上の資料を保管し、約25,000点を常設展示しています。

地球・生命・科学技術の歩みを「人類と自然の共存」というテーマのもとで展示しており、恐竜の骨格標本や有名なハチ公のはく製、宇宙関連の展示まで幅広いコンテンツが揃っています。360度全球型の映像施設「シアター36〇」も人気で、大人から子どもまで存分に楽しめます。家族連れにも特におすすめの博物館です。

国立西洋美術館(鶯谷駅南口から徒歩約13分)

最寄り駅はJR上野駅(公園口・徒歩約5分)ですが、鶯谷駅南口からも徒歩約13分でアクセスできます。西洋美術を専門とする日本唯一の国立美術館で、ルネサンスから20世紀半ばまでの絵画・彫刻・版画など幅広いコレクションを所蔵しています。

コレクションの原点は、実業家・松方幸次郎がヨーロッパで収集した「松方コレクション」で、ルノワールやピカソなど一度は名前を聞いたことのある作家の作品を常設展で鑑賞できます。

また建物そのものが世界遺産という点も大きな魅力です。20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエが設計した本館は、「ル・コルビュジエの建築作品群」の一つとして2016年に世界文化遺産に登録されており、建築ファンにも見逃せないスポットです。

東京都美術館(鶯谷駅南口から徒歩約15分)

最寄り駅はJR上野駅(公園口・徒歩約7分)ですが、鶯谷駅南口からも徒歩約15分でアクセスできます。1926年(大正15年)開館という日本初の公立美術館で、現在は国内外の企画展・特別展・公募展を精力的に開催している上野の美術館です。

特定のコレクションを常設展示する美術館とは異なり、年間を通じて多彩な展覧会が開催されるのが特徴です。世界的な名画の展覧会から現代アートまで、訪れるたびに異なる展示が楽しめます。公式サイトで開催中の展覧会を確認してから訪問するのがおすすめです。

黒田記念館(鶯谷駅南口から徒歩約15分)

最寄り駅はJR上野駅(公園口・徒歩約15分)で、鶯谷駅南口からも同じく徒歩約15分ほどです。東京国立博物館の敷地内に隣接するこの記念館は、近代洋画の父とも称される洋画家・黒田清輝(1866〜1924)の遺作を展示する施設です。黒田の遺族から作品が寄贈されたことで建てられ、常設展示は無料で観覧できる点も嬉しいところです。

通常の展示室では黒田の素描やスケッチなどを常時公開していますが、特に見逃せないのが年3回(新年・春・秋)に各2週間限定で公開される特別室です。「湖畔」「読書」「舞妓」「智・感・情」という4点の代表作を間近でゆっくり鑑賞できる貴重な機会なので、訪れる前に公開スケジュールを確認しておくことをおすすめします。

公園・自然

上野恩賜公園(鶯谷駅南口から徒歩約7分)

上野恩賜公園

1873年(明治6年)に日本初の都市公園として誕生した上野恩賜公園は、東京ドーム約11個分という広大な敷地を誇る、都内随一の総合公園です。「恩賜」という名のとおり、1924年(大正13年)に大正天皇から東京都に下賜されたことがその正式名称の由来となっています。鶯谷駅南口を出て線路沿いを歩くと、都会の喧騒を忘れるような静かな緑のエリアに、自然と入り込んでいきます。

公園の魅力はとにかく多彩です。東京国立博物館・国立科学博物館・国立西洋美術館・東京都美術館といった世界レベルの文化施設が集まり、上野東照宮などの歴史的建造物、不忍池の自然、さらには上野動物園まで、一日中過ごしても飽きることがありません。

特に見逃せないのが春の桜です。江戸時代から桜の名所として知られ、お花見シーズンには延べ330万人近い人出があります。ソメイヨシノやヤマザクラなど約1,200本の桜が園内を彩り、公益財団法人さくらの会による「さくら名所100選の地」にも選ばれています。夜はライトアップされた夜桜も楽しめます。また7月下旬には不忍池のハスが見頃を迎えます。入園は無料なので、気軽に立ち寄れるのも嬉しいポイントです。

不忍池・弁天堂(鶯谷駅から徒歩約20分)

不忍池

上野恩賜公園の南西部に広がる不忍池は、周囲約2kmに及ぶ都内有数の天然池です。江戸時代から文人墨客が愛した蓮の名所として知られ、その風景は浮世絵にも数多く描かれてきました。夏は不忍池全体に広がる蓮の花が公園を代表する水辺の景観を見せてくれます。2014年には池の南側に「蓮見デッキ」と呼ばれる遊歩道が整備され、水上からハスを間近に観察できるようになっています。

池の中央の小島に建つのが不忍池辯天堂です。寛永寺を開いた天海僧正が、琵琶湖にある竹生島の宝厳寺に見立て、不忍池に中之島を築いて建立したお堂で、池のどこからでも参拝できるように八角形の建物になっています。

ご本尊の辯才天は音楽・芸能の守り神として信仰を集めており、金運のご利益もあるとして参拝者が絶えません。池では渡り鳥・留鳥あわせて数十種類の鳥類が見られ、バードウォッチングを楽しむ方の姿も見られます。散歩がてらのんびり池を一周するだけでも、都会にいることを忘れるような気持ちよさがある場所です。

歴史・文学史跡

子規庵(鶯谷駅北口から徒歩約5分)

根岸エリアを訪れたなら、真っ先に立ち寄ってほしいのがこの子規庵です。俳人・歌人の正岡子規(1867〜1902)が、結核を患いながらも亡くなるまでの約8年半を過ごした住居を復元した建物で、台東区立書道博物館のちょうど向かいに位置しています。

現在の建物は1945年(昭和20年)の空襲で全焼した後、子規の高弟たちの尽力により1950年(昭和25年)に再建されたものです。館内には子規が脊椎カリエスにより伸ばせなくなった左ひざを立てて執筆ができるよう特別に作らせた書斎の机が復元されており、病床にありながら最晩年まで執筆を続けた子規の姿が偲ばれます。庭には糸瓜棚が再現されており、当時の暮らしぶりが伝わってきます。

子規のもとには漱石だけでなく高浜虚子や伊藤左千夫ら多くの門人や友人たちが集まり、自宅でありながら文化サロンのような場所だったといいます。なお、開館は火曜〜日曜(月曜休館)、午前と午後の2部制となっており、夏季・冬季には休庵期間があります。訪問前に公式サイトで最新情報を確認しておきましょう。

ねぎし三平堂(鶯谷駅北口から徒歩約5〜7分)

子規庵からほど近い住宅街に、ひっそりとたたずむのがこの三平堂です。「昭和の爆笑王」と称された落語家・初代林家三平(1925〜1980)の自宅の一部を改造した記念館で、古典落語の枠を大きく破って独自の「三平落語」の世界を切り拓いた、あの三平師匠ゆかりの品々が展示されています。

館内には台本・衣装・ネタ帳・レコードなど、林家三平の思い出の品々が展示されています。ライブ音源で師匠の小咄を聞けるコーナーもあり、思わず笑みがこぼれます。毎月第3土曜日には館内の高座で「三平落語会」が1,000円という手頃な価格で開催されており、落語初心者にもおすすめです。開堂日は水曜日と日曜日のみ(11:00〜16:00)と限られているので、こちらも事前に確認を忘れずに。

西蔵院・御行の松不動尊(鶯谷駅から徒歩約10分)

根岸エリアをぶらぶら散歩していると出会う、室町時代以前の創建とされる真言宗の古刹・西蔵院です。荒川辺八十八か所霊場の二番札所でもあり、静かな境内には立派な山門が構えています。そこから少し離れた場所にある境外仏堂が「御行の松不動尊」です。

この場所をひときわ特別にしているのが、境内に立つ「御行の松」です。初代の松は『江戸名所図会』や歌川広重の錦絵に描かれるほど知られた名松で、名前の由来は輪王寺宮がその下で修行したことなど諸説あります。

樹齢約350年を経て1928年(昭和3年)に枯死し、2018年4月には四代目が植樹されました。現在も三代目と四代目の松が並んで立っており、初代の松の根が地中から掘り出されて飾られています。正岡子規も「薄緑 御行の松は 霞みけり」と句に詠んだこの松は、根岸の歴史を今に伝える象徴的な存在です。

谷中霊園(鶯谷駅北口から徒歩約10〜15分)

鶯谷駅と日暮里駅のあいだの高台に広がる谷中霊園は、1874年(明治7年)開設の都立霊園で、面積約10万㎡という広大な敷地に約5万体が眠る、都内有数の歴史ある霊園です。

歴史ファンにとって特に見どころとなるのが、園内に眠る著名人のお墓めぐりです。江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜の墓所は寛永寺墓地内にあり、慶喜が明治天皇への感謝の意から神式での埋葬を望んだため、一般皇族と同様の円墳状の墓という珍しい形が目を引きます。

また、日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一の墓所も同じ霊園内にあり、かつての主君と臣下が同じ地に眠るという歴史的な縁を感じることができます。そのほか横山大観・鳩山一郎・森繁久彌など各界の著名人が眠っており、歴史散策スポットとして訪れる人も多い場所です。

また、霊園のメイン通り「さくら通り」には約200mにわたって桜が植えられており、満開時には桜のトンネルのような光景に出会えます。お花見の穴場スポットとしても知る人ぞ知る場所です。霊園を訪れる際は、お墓参りの方への配慮を忘れずに静かにご見学ください。

ショッピング

うぐいす通り商栄会(鶯谷駅から徒歩約3分)

鶯谷駅前の交差点を曲がり、言問通りを少し歩いたところにあるのがうぐいす通り商栄会です。街路灯に鶯のイラストと「歴史と文化の街 根岸の里へようこそ」と書かれたサインボードが入口の目印で、駅前の喧騒から一歩入ると、とたんに落ち着いた雰囲気に変わります。

正直に言ってしまうと、かつてあった精肉店・鮮魚店・青果店などは少なくなり、現在は店舗数も多くはありません。それでも、古い建物がかなり残されていて、この地域としてはなかなか視覚的に面白い通りです。

昭和3年創業の老舗酒店や個性的なお店がひっそりとたたずむ通りは、観光地化されていない分だけ、昔ながらの根岸の空気感をそのまま味わえる貴重な場所とも言えます。観光スポットを巡るついでに、ぶらりと立ち寄ってみてください。

アメ横商店街(鶯谷駅南口から徒歩約20分)

アメ横

最寄り駅はJR上野駅または御徒町駅ですが、鶯谷駅南口から上野公園を抜けて徒歩約20分でアクセスできます。JR上野駅と御徒町駅のあいだ、約500mの線路沿いに400店舗あまりが軒を連ねる、東京を代表する商店街です。

アメ横のはじまりは物資が底をついた第二次世界大戦後の闇市で、満州からの復員兵たちが共同体となり連合会を結成して商店街を形成しました。今では海産物などの食料品や輸入雑貨、アパレル、化粧品など、さまざまなジャンルの専門店が集まり、活気ある呼び込みが飛び交う独特の熱気は、ほかの商店街ではなかなか味わえないものがあります。

食べ歩きも充実しており、年末の叩き売りは毎年ニュースにも取り上げられる風物詩になっています。鶯谷から上野公園を通って歩いてくるルートも、散策がてら楽しめておすすめです。

谷中ぎんざ商店街(鶯谷駅北口から徒歩約20分)

最寄り駅はJR日暮里駅(西口から徒歩約5分)ですが、鶯谷駅北口からも徒歩約20分で歩いて行ける距離です。谷根千(谷中・根津・千駄木)エリアを代表する下町の商店街で、昭和20年頃に自然発生的に生まれた歴史を持ち、全長170mほどの短い通りに約60店舗が集まっています。

精肉店や八百屋といった昔ながらの個人商店のほか、ドーナツ屋や雑貨屋など新しい店も加わり、昭和のレトロな雰囲気と現代のセンスが絶妙に混ざり合った独特の空気感が魅力です。食べ歩きグルメも充実していて、コロッケや串焼き、ネコをモチーフにしたスティックドーナツなど、歩きながらつまめる名物が揃っています。商店街の入口につながる「夕やけだんだん」と呼ばれる階段は、夕焼けを眺める場所として地元でも愛されているスポットで、夕方に訪れると一層風情があります。

日暮里繊維街(鶯谷駅から徒歩約15分)

最寄り駅はJR日暮里駅(南口から徒歩約3分)ですが、鶯谷駅からも徒歩約15分でアクセスできます。日暮里中央通りを中心に約1kmにわたって生地織物の商店が約90店舗軒を連ねる、全国でも珍しい生地の専門問屋街です。

生地以外にも、ボタンやファスナー、ミシンやアクセサリー、ビーズなど、大抵のものが手に入ります。かつては業界のプロ向けという印象が強い場所でしたが、手芸や洋裁好きの若者たちがこの地に店を構えることも多くなり、今では趣味でハンドメイドを楽しむ方から服飾のプロまで、全国から買い物客が訪れます。手づくりやものづくりに興味がある方なら、何時間でも過ごせる場所です。

鶯谷駅へのアクセス

鶯谷駅は、JR山手線・JR京浜東北線が乗り入れるJR東日本の駅です。東京都台東区根岸一丁目に位置し、上野駅と日暮里駅のあいだにあります。

山手線を利用すれば、主要なターミナル駅へも乗り換えなしでアクセスできます。東京駅まで約4分、池袋駅まで約17分、新宿駅まで約24分、渋谷駅まで約31分と、都内各所からのアクセスが良好です。地方からお越しの方も、新幹線が停車する東京駅から山手線に乗り換えるだけで、あっという間に鶯谷へ到着できます。

なお、京浜東北線の快速列車は鶯谷駅に停車しません。京浜東北線をご利用の際は、各駅停車をご利用ください。

最後に

夜の鶯谷

鶯谷という街を歩いてみると、東京にこれほど歴史と文化が凝縮されたエリアがあったのかと、改めて驚かされます。徳川将軍家ゆかりの寛永寺や江戸三大鬼子母神のひとつ・真源寺、正岡子規が晩年を過ごした子規庵、世界遺産の建物を持つ国立西洋美術館——これほど多彩なスポットが、ひとつの駅の徒歩圏内に集まっている場所は、東京でもそう多くはありません。

そして鶯谷の魅力は、スポットの数だけではありません。観光地として整備されすぎていない、ありのままの下町の空気感が、この街の何とも言えない居心地のよさを生み出しています。根岸の住宅街をぶらりと歩けば、大正・昭和初期の面影を残す建物に出会い、子規庵の前を通れば明治の文人たちの暮らしが偲ばれ、谷中霊園の桜並木では季節の美しさにはっとさせられる。そんな何気ない発見の連続が、鶯谷散歩の醍醐味です。

上野や浅草、谷根千(谷中・根津・千駄木)エリアへのアクセスも抜群なので、半日は鶯谷をじっくり散策して、もう半日は周辺エリアへ足を伸ばすという過ごし方もおすすめです。混雑した観光スポットに疲れたときにも、鶯谷の静かな路地は心地よい逃げ場になってくれます。

東京の新しい一面を発見したい方、歴史や文化に興味がある方、ただのんびり散歩を楽しみたい方、どんな旅のスタイルにも応えてくれるのが鶯谷という街です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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