渋谷の巨大壁画「明日の神話」を360度写真付きでレポート。岡本太郎の幻の作品をバーチャル体験

巨大な絵画「明日の神話」

明日の神話01 https://tokyo360photo.com/asunoshinwa – Spherical Image – RICOH THETA

いつも人の波でごった返す渋谷の街に、太陽の塔や「芸術は爆発だ」の名言で有名な「岡本太郎」の作品があるのをご存知ですか?頻繁に渋谷駅を利用している都内在住の方でも意外と知らない人もいるのではないでしょうか。渋谷の街自体、いろんなオブジェがあるので、存在自体は知っていても、それが岡本太郎の作品であることは知らなかったという人も結構いるのでは?と思います。

今回紹介する「明日の神話」は、渋谷マークシティ2階にある、縦5.5メートル、横幅30メートルにもなる巨大な壁画で、岡本太郎の絵画の中では最も大きい作品です。その大きさも然ることながら、岡本太郎らしい奇抜でダイナミックな画風が圧倒的な存在感を放っています。

明日の神話には「原爆が炸裂する瞬間」が描かれており、以下のようなコンセプトで描かれた作品です。

人は残酷な惨劇さえも誇らかに乗り越えることができる、そしてその先にこそ『明日の神話』が生まれるのだ、という岡本太郎の強いメッセージが込められている

出典:http://www.taro-okamoto.or.jp/info/asunoshinwa.html

明日の神話がある場所

明日の神話02 https://tokyo360photo.com/asunoshinwa – Spherical Image – RICOH THETA

明日の神話は、JR渋谷駅と京王井の頭線とを結ぶ連結通路(マークシティ2F)の壁に設置されています。JR渋谷駅からいく場合は、「玉川改札口」が明日の神話には一番近い改札口となっています。

明日の神話-360度写真03

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上の360度写真は、山手線外回りホームから見た「玉川改札口」です。外回りの場合は4号車付近となっています。

 

明日の神話-360度写真04

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ただし、注意しなくてはならない渋谷駅のトラップの一つとして、この玉川改札口は外回りにしか存在しない改札です!外回りで渋谷に来た場合は、「中央改札」を使って一旦改札の外に出て、玉川改札口を目指さなくてはなりません。

 

明日の神話-360度写真05

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上の360度写真は、山手線内回りホームから中央改札へ向かうエスカレーターです。

 

明日の神話-360度写真06

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中央改札から玉川改札口へは、中央改札を出て左手にある階段を下り、右へ進むと玉川改札があります。(中央改札は3階、玉川改札は2階にあります)

上の360度写真で、中央改札に向かって右側に下る階段が見えますが、その階段を下りると右側に先程の玉川改札口があります。

なお、玉川改札口から明日の神話へは歩いて1分もかからない距離で、井の頭線もしくはマークシティへの案内標識を頼りに進めば迷わずに辿り着くことが可能です。

待ち合わせ場所としても最適

明日の神話-360度写真07

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上の360度写真の通り、明日の神話がある連結通路は、通路というより広場のように広い場所となっています。連絡通路というだけあって人の往来は激しいですが、明日の神話に向かって後ろ側は歩いている人も少なく、待ち合わせ場所としては最適です。

渋谷の待ち合わせスポットとしては「ハチ公前」が有名ですが、いつ行っても人が多く、待ち合わせの相手を探すのが大変。その点、この明日の神話前なら待ち合わせ相手を比較的見つけやすく、また、屋内なので雨が降っても濡れずに済みます。

明日の神話の歴史

明日の神話-360度写真08

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幻の作品だった

明日の神話は、もともとメキシコのホテルに設置するために、そのホテルのオーナーからの依頼で制作された壁画でした。しかし、経営悪化によりそのホテルが倒産してしまい、明日の神話も行方不明となってしまいます。

その後の2003年に、メキシコシティ郊外の倉庫で眠っていた明日の神話が発見され、翌年2004年に岡本太郎の養女「岡本敏子(実質的な奥さん)」が壁画再生プロジェクトを発足し、日本に持って帰るために動き出したます。

メキシコ側との返還交渉は権利などの問題で色々と大変だったようですが、岡本敏子さんを始めとした様々な方の熱意によって、明日の神話は日本に運ばれることになったのが2005年でした。(運ぶ準備が整ったタイミングで、岡本敏子さんは亡くなってしまいました。岡本敏子さんは「明日の神話を持って帰ってくるのが最後の仕事」と話していたそうで、それを考えると胸にくるものがありますね)

設置場所としての候補

日本に運ばれた明日の神話は、四国で修復作業が行われたあと、汐留の日本テレビ、続いて東京都現代美術館で公開されました。その時には、岡本太郎の幻の作品を一目見ようと沢山の方が足を運んだそうです。

その後、設置場所として名乗りを上げたのが、

  • 太陽の塔のある大阪
  • 原爆の被害を実際に受けた広島
  • 渋谷

でした。

設置場所の選定には賛否両論あるようですが、最終的に渋谷に決定。2008年より現在の場所に設置され、多くの人の目に触れることになりました。

落書き事件

東日本大震災が発生した2011年の5月1日、「Chim↑Pom(チンポム)」というアーティスト集団によって、明日の神話に福島の原発事故を模した絵が描き加えられる。という事件が発生しました。

明日の神話への落書き

明日の神話への落書き

出典:http://chimpom.jp/index.html

「落書き事件」と記載しましたが、明日の神話に直接描かれたのではなく、ベニヤ板に書かれた新たな絵が、明日の神話の右下にある欠損部分に貼り付けられるかたちで、明日の神話自体には直接触れずに加えられていました。

 

明日の神話-360度写真10

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上の360度写真に写っている壁画の右下欠損部分に、福島原発事故を表す絵が両面テープで貼り付けられていました。

この行為はもちろん称賛されるものではありませんが、空間メディアプロデューサーで岡本太郎記念館館長でもある平野暁臣(ひらの あきおみ)さんは、この出来事について以下のようなコメントをしています。

繰り返されたら困るが、単なるいたずらではなく、芸術としてやろうとしたのではないか

みなさんはいたずらとおっしゃるけれど、スプレーを作品に吹き付けたり傷つけたりしたわけではない。『明日の神話』は後世に残すべき作品だと敬意を払ったやり方をしている。ゲリラ的な瞬間芸として、明らかにアートの文脈で行われた行為です。ただ、作品としては斬新さも感じないし、ほめるつもりもありませんが

太郎が生きていても、別に怒らなかったと思いますよ。『ふーん』というだけでしょう

岡本太郎の性格や、岡本太郎にとって芸術とは?という部分を理解されている方のコメントとして注目を集めました。

一緒に見ておきたい周辺の観光スポット

ハチ公の銅像

明日の神話-360度写真11

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渋谷での待ち合わせの定番といえば、このハチ公前でしょう。今ではすっかり観光スポット化していて、外国からの観光客も目立ちます。

ハチ公前について、下の記事で詳しく紹介していますので、他の360度写真を見たい方はこちらも合わせてお楽しみください。

渋谷イチの待ち合わせスポット「ハチ公前」を360度写真付きでレポート

渋谷スクランブル交差点

明日の神話-360度写真12

明日の神話-360度写真12-CLICKでSTART

1日の往来者数は50万~100万と言われる、日本屈指のスクランブル交差点です。多い時は一回の青信号で3,000人を越す人が渡るそうです。

ハチ公前と同様、海外からの観光客に人気の観光スポット化しており、写真を撮る外国人観光客の姿をよく見かけます。

 

明日の神話-360度写真13

明日の神話-360度写真13-CLICKでSTART

ちなみに、今回紹介した「明日の神話」と、渋谷スクランブル交差点を同時に見ることができるスポットがあります。

明日の神話が設置されている連結通路には、体育館にあるギャラリーのような通路があるのですが、この通路からは明日の神話を上から眺められる他、明日の神話の反対側に目をやるとガラス越しに渋谷スクランブル交差点を眺めることができます。

渋谷スクランブル交差点についても、別記事で詳しく紹介していますので、ぜひそちらの記事もあわせてお楽しみください。(昼と夜の渋谷スクランブル交差点の360度写真があります)

渋谷スクランブル交差点を360度写真でバーチャル体験

渋谷センター街

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若者の流行の発信地として有名な「渋谷センター街」も、明日の神話からほど近い場所にある観光スポットの一つです。正直街は汚く、これと言った観光施設があるわけではなく、乱雑に若者向けのショップが並んでいるだけなのですが、一世を風靡したヤマンバギャルやギャル男の発祥の地を一目見ておくのも良いかと思います。

渋谷センター街は別記事で詳しく紹介していますので、そちらも合わせてご覧ください。
渋谷センター街を360度写真付きでレポート!

まとめ

明日の神話-360度写真15

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若者(しかもヤンチャな)の街としてのイメージが強い渋谷ですが、2009年より「渋谷芸術祭」を毎年開催するなど、芸術の街としての顔も持ち合わせています。明日の神話以外にも、渋谷には様々なパブリックアートが点在していますし、有料ではありますが、

など、特色のあるユニークな美術館やギャラリーも数多くあります。一日時間を作って渋谷で芸術を散策するのも楽しいかもしれませんね。

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