彩湖で野鳥観察のススメ。広大な水辺を持つバードウォッチングスポットを360度写真付きで紹介

彩湖の概要

彩湖は埼玉県戸田市にある貯水池です。荒川の洪水対策として設けられた荒川第一調節池内に設けられた貯水池で、首都圏への安定した水道水の供給に役立てられています。

彩湖の外周は約4.7キロメートルで、貯水池自体の広さは約1.18平方キロメートルと広大です。広い池の周りには広い遊歩道が整備されていて、マラソンコースやサイクリンコースとしても人気のスポットとなっています。

また、彩湖には『彩湖・道満グリーンパーク』という大型の公園が隣接していて、

  • 野球グランド
  • サッカー場
  • テニスコート

などのスポーツ施設や、

  • バーベキュー場
  • 釣り堀
  • レンタサイクル

などアウトドアを楽しめる設備が揃っていて、年間100万人以上が利用する人気のレジャースポットにもなっています。

なお、彩湖を会場としたマラソン大会や、彩湖をスイミング会場にしたトライアスロン大会などが開催れることもあります。

彩湖は野鳥観察にも最適

野鳥観察に最適な彩湖の景色

彩湖・道満グリーンパークを含め、彩湖周辺はとても緑豊かなエリアとなっていて多くの動植物が暮らすエリアとなっています。広い水辺もあるため野鳥が集まりやすい環境でもあり、野鳥観察にも最適なスポットです。

水辺にはカモ類など多くの水鳥を観察することができますが、彩湖の真ん中あたりには彩湖・道満グリーンパークと対岸とを繋ぐ管理橋が架けられていて、橋から野鳥を観察することもできます。

彩湖やその周辺では一年を通して様々な野鳥が見られますが、特に冬場は越冬のために訪れる冬鳥も多く、カンムリカイツブリやキンクロハジロ、ホオジロガモなどたくさんの水鳥で賑わいを見せます。

中でも白と黒のコントラストが特徴的で、別名パンダガモとも呼ばれる『ミコアイサ』は人気で、飛来してきたという情報が出ると沢山のバードウォッチャーの方がミコアイサを一目見ようと彩湖へと足を運びます。

彩湖の野鳥観察のポイント

彩湖の周辺は全域が野鳥の観察ポイントとなりますが、特に野鳥観察をしやすいポイントを以下に紹介します。

管理橋

カモ類やユリカモメなどの水鳥を観察したい場合、まずは管理橋の上から全体を眺めて水鳥を探してみると良いでしょう。

鑑賞池

彩湖の東側に隣接する彩湖・道満グリーンパーク内にある池です。こちらの池でもカモ類やカイツブリなどが見られる他、バードウォッチャーに人気のカワセミが訪れることも多い池です。

また、ミコアイサが飛来してくることもありますので、彩湖でのバードウォッチングの際には足を運びたいスポットです。

戸田ヶ原

戸田ヶ原の風景

戸田ヶ原の風景 出典:戸田市役所

彩湖・道満グリーンパークの北側に広がる『戸田ヶ原自然再生事業』が実施されているエリアです。

この地名が由来となったトダスゲ(戸田菅)やヨシが茂り、夏にはオオヨシキリなどが観察できます。

彩湖の西側(ビオトープ)

彩湖・道満グリーンパークの対岸にあたる彩湖の西側にはビオトープがあります。ビオトープ内には野鳥観察の際に身を隠せるハイドなども設けられていて野鳥観察にも最適です。

なお、ビオトープとはギリシャ語の『bio(生命)』と『topos(場所)』とを組み合わせた造語で、命ある動植物が安定して生息できる『安息の地』という意味を持ちます。

ビオトープにはサイクリンコースにもなっている広めの遊歩道があり、バードウォッチング初心者や年配の方でも散策しやすい環境が整っています。水辺だけでなく、草むらや木々が立ち並ぶ林などもあり多種多様な野鳥を観察することが可能です。

彩湖で見られる野鳥

留鳥(一年を通して出会える鳥)

留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。

  • アオサギ
  • イカルチドリ
  • イソシギ
  • ウグイス
  • エナガ
  • オナガ
  • ガビチョウ
  • カルガモ
  • カワウ
  • カワセミ
  • カワラバト
  • カワラヒワ
  • キジ
  • キジバト
  • ゴイサギ
  • コゲラ
  • コサギ
  • シジュウカラ
  • スズメ
  • セッカ
  • ダイサギ
  • チョウゲンボウ
  • ドバト
  • トビ
  • ハクセキレイ
  • ハシブトガラス
  • ヒヨドリ
  • ホオジロ
  • ミサゴ
  • ムクドリ
  • メジロ
  • モズ

アオサギ

水辺を歩くアオサギ

アオサギは体長が90センチ以上にもなる、日本で見られるサギの仲間では最大の鳥です。体が大きく見ごたえがあることからバードウォッチングではとても人気の野鳥となっています。

成鳥は足や首がスラリと長く、頭には黒い冠羽があります。背(翼)部分は灰色ですが、それがくすんだ青色に見えるのがアオサギという名前の由来と言われています。(諸説あります)

アオサギは浅い水辺で魚や両生類などの捕まえて食べていますが、時に小鳥を捕食することもあります。また、他の鳥から獲物を横取りすることでも知られています。

ハクセキレイ

ハクセキレイ

ハクセキレイは体長約21センチほどの野鳥です。スマートな体型をしていて、尾羽根が少し長いのが特徴となっています。

頭部から背中にかけて黒色もしくは灰色で腹部は白色で、首元にも黒色が入っています。雄の夏羽は黒色となりコントラストがはっきりとします。

昔、関東では冬鳥として知られていましたが、繁殖地が南下し1970年代以降は東京での繁殖も確認され留鳥となっています。

漂鳥

漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。

漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。

彩湖では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。

  • アオジ
  • アリスイ
  • オオバン
  • カイツブリ
  • クイナ
  • シメ
  • ノスリ
  • ベニマシコ
  • マガモ
  • ルリビタキ
  • イカル

アオジ

枝の上のアオジ

アオジは体長16センチほどで、スズメよりやや大きな小鳥です。

翼は茶褐色で模様などもスズメに似ているためよく間違えられますが、胸から腹にかけて緑がかった薄い黄色の羽毛が特徴。アオジの『アオ』は緑色も含めた古い意味での青が由来と言われています。

夏に北海道や本州北部で繁殖を行い、冬になると積雪の殆どない地域へと移動して冬を越します。中にはロシアや中国から越冬するために日本に飛来する種のアオジもいます。

オオバン

水面を泳ぐオオバン

オオバンはツル目クイナ科の水鳥です。体長は40センチ弱あり、クイナの仲間では最大となっています。真っ黒い体に真っ白いクチバシとおでこというシンプルな配色が特徴的です。

足には水かきがあり水面を泳ぐのが得意です。水面近くにある水草の葉や種子を食べたり、潜水して水生植物の茎を食べたりします。また、雑食性で時には魚や昆虫を捕食することもあります。

夏鳥

夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。

  • アカハラ
  • アマサギ
  • イワツバメ
  • オオヨシキリ
  • キビタキ
  • コアジサシ
  • チュウサギ
  • ツバメ

アカハラ

木の枝にとまるアカハラ

アカハラは成長だと全長24センチほどになる比較的大きな野鳥です。胸からお腹辺りまでオレンジ色の羽毛に覆われているのが名前の由来となっています。

明るく開けた場所で地上に降りてミミズや昆虫などを捕食します。

真夏の繁殖期には標高の高い場所で繁殖を行うため、彩湖でアカハラを探す場合は春がお勧めです。

キビタキ

木の枝にとまるキビタキ

キビタキは体長13~14センチほどの小さな野鳥です。メスは地味な色合いですが、オスは黒をベースとした翼に旨や頭の一部に黄色い羽毛を持ち、カラフルな姿でバードウォッチャーを楽しませてくれます。

昆虫を捕食するため雑木林を好んで住処にしていますので、雑木林を中心に探してみると良いでしょう。また、明け方にオスは縄張りを誇示するために美しい声を発します。鳴き声を頼りに探すのもコツのひとつです。

夏場に日本で繁殖を行ったキビタキは、冬の訪れとともに東南アジアへ渡り越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってきます。

冬鳥

冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。

  • アトリ
  • オオジュリン
  • カシラダカ
  • カンムリカイツブリ
  • キンクロハジロ
  • コガモ
  • ジョウビタキ
  • シロエリオオハム
  • シロハラ
  • タヒバリ
  • ツグミ
  • ハジロカイツブリ
  • ホオジロガモ
  • ホシハジロ
  • ミコアイサ
  • ミミカイツブリ
  • ユリカモメ
  • ヨシガモ

キンクロハジロ

水面に浮かぶキンクロハジロ

キンクロハジロは体長40~45センチほどの、カモ目カモ科に属する野鳥です。

カモの仲間ですが名前にカモは入っておらず、目の周りが黄色、頭部や背中、胸が黒、腹や翼の一部が白というオスの見た目が名前の由来となっています。なお、メスはオスに対して地味な色で体全体が茶褐色です。

夏場にシベリアやヨーロッパの北部など北の地域で繁殖活動を行い、冬に日本等に飛来して越冬します。水に潜って小魚を捕食したり、飛び立つ際に水面を除草するなど見るものを楽しませてくれる野鳥となっています。

ミコアイサ

水面を泳ぐミコアイサ

ミコアイサはオスの体長が44センチ、メスが39センチほどのカモ目カモ科に属する野鳥です。オスの見た目がとても特徴的で、真っ白い羽毛をベースに目の周りや頭や背中の一部が黒く、まるでパンダのようにみえることから別名『パンダガモ』とも呼ばれています。

夏はユーラシア大陸亜寒帯のタイガで過ごし、冬はヨーロッパや中国、インド北部や日本に渡り越冬します。

彩湖へのアクセス

彩湖の場所(地図)

電車

最寄り駅はJR埼京線の『北戸田駅』ですが、徒歩30分以上と距離があります。

バスも併用する場合は、JR武蔵野線の『武蔵浦和駅』から出ている『美女木経由下笹目ゆき』もしくは、『北戸田駅』から出ている『トコバス美笹循環』のバスを利用すると良いでしょう。

車・駐車場

東京外環自動車道、首都高速5号池袋線、首都高速埼玉大宮線が接続する美女木ジャンクションを降りてすぐ(1~2分)の場所です。

なお、駐車場は彩湖・道満グリーンパークの有料駐車場を利用すると良いでしょう。駐車料金は彩湖・道満グリーンパークの公式サイトをご確認ください。

彩湖の野鳥に関するみんなのツイート

埼玉県内のその他バードウォッチングスポット

彩湖のある埼玉県には、まだまだたくさんのバードウォッチングスポットがあります。

埼玉は海のない県として知られていますが、実は面積に占める河川の割合では日本一です。行政も『川の国埼玉』と銘打って、川の環境保護や再生事業に取り組んでいるため、野鳥が好む自然豊かな水辺が豊富で、野鳥観察に適したスポットが県内各所に存在しています。

都心からアクセスしやすく、気軽に野鳥観察が楽しめるスポットが多いのも埼玉の魅力のひとつと言えるでしょう。

以下の記事では、埼玉県の数あるバードウォッチングスポットの中から初心者でも楽しみやすい場所を厳選して紹介しています。

埼玉県内での探鳥の旅を楽しみたい方は、ぜひご参考ください。
埼玉県の野鳥観察スポット15選!初心者でもバードウォッチングが楽しめる公園などを中心に360度写真付きで紹介します

彩湖の基本情報

  • 住所:埼玉県戸田市大字重瀬745他(彩湖・道満グリーンパークの住所)
  • 料金:無料
  • トイレ:あり
  • 駐車場:あり(有料)
  • 公式サイト

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