大泉緑地で野鳥観察のススメ。初心者でも楽しめるバードウォッチングスポットを360写真付きで紹介

大泉緑地の概要

大泉緑地は大阪府堺市北区と松原市にまたがる敷地面積約100ヘクタールの大きな森林公園です。広大な園内には約200種類32万本の木々が植樹されていて、四季折々の景観を楽しむことができます。

大阪府内にある『服部緑地』『鶴見緑地』『久宝寺緑地』とともに『大阪四大緑地』のひとつに数えられています。

色や音、香りなどを使って草花を感じることができる『ふれあいの庭』をはじめ、『かきつばた園』や『大泉緑地花と緑の相談所』など植物に関する施設が充実する公園です。

他にも

  • 野球場
  • テニスコート
  • スポーツ広場
  • 球技広場

などのスポート施設に加え、

  • BMX競技専用モトクロスコースの『サイクルどろんこ広場』
  • ひつじに触れ合える『ひつじ広場』
  • 大型遊具のある『わんぱくランド』
  • 大きな滑り台が目玉の『冒険ランド』

など子供向けの設備も豊富で、週末ともなるとたくさんの家族連れがレジャーを楽しみに訪れ、年間の来園者数は約250万人にのぼります。

大泉緑地は野鳥観察にも最適

大泉緑地は冒頭にお書いた通り広い園内に様々な植物が植樹され、とても緑豊かな森林公園です。また、園内には『大泉池』と『頭泉池』という2つの池があり水辺も豊富で、野鳥が集まりやすい環境が揃っていてバードウォッチングスポットとしても人気があります。

園内には歩きやすい遊歩道が張り巡らされていますので、バードウォッチング初心者さんや年配の方でも野鳥観察がし易いスポットと言えるでしょう。

木々が立ち並ぶ雑木林だけでなく芝生広場や池、湿地帯など異なる環境があることから、見られる野鳥の種類が豊富なところが大泉緑地の探鳥地としての魅力となっています。

また、留鳥はもちろんですが夏にはオオルリやキビタキなどの夏鳥が飛来してきますし、冬は越冬のために訪れたカモ類などの冬鳥で賑わいをみせます。さらに、春や秋には渡りの途中で中継地として訪れる旅鳥も豊富で、季節ごとに一年を通して野鳥観察が楽しめるスポットです。

なお、大泉緑地では日本野鳥の会大阪支部が定期的に野鳥観察会を催しています。専門的な知識を持ったスタッフの方のガイド付きで野鳥観察を楽しめますので、初心者のかたは参加してみると良いでしょう。

参加方法については、日本野鳥の会大阪支部の公式サイトをご確認ください。

大泉緑地で見られる野鳥

留鳥(一年を通して出会える鳥)

留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。

  • アオサギ
  • ウグイス
  • エナガ
  • オオタカ
  • カルガモ
  • カワウ
  • カワセミ
  • カワラヒワ
  • キセキレイ
  • ケリ
  • ゴイサギ
  • コゲラ
  • コサギ
  • シジュウカラ
  • ソウシチョウ
  • ダイサギ
  • ハクセキレイ
  • バン
  • ヒメクイナ
  • ヒヨドリ
  • ホオジロ
  • ミサゴ
  • ムクドリ
  • メジロ
  • モズ
  • ヤマガラ

アオサギ

水辺を歩くアオサギ

アオサギは体長が90センチ以上にもなる、日本で見られるサギの仲間では最大の鳥です。体が大きく見ごたえがあることからバードウォッチングではとても人気の野鳥となっています。

成鳥は足や首がスラリと長く、頭には黒い冠羽があります。背(翼)部分は灰色ですが、それがくすんだ青色に見えるのがアオサギという名前の由来と言われています。(諸説あります)

アオサギは浅い水辺で魚や両生類などの捕まえて食べていますが、時に小鳥を捕食することもあります。また、他の鳥から獲物を横取りすることでも知られています。

オオタカ

木の枝にとまっているオオタカ

オオタカはオスの体長が約50センチ、メスが約60センチほどとメスのほうが若干大きな鷹です。日本では九州より北に広く分布していて、タカ類の中では最もポピュラーなタカです。(日本で「タカ」といえば、このオオタカを指す場合がほとんどです)

肉食の野鳥で、スズメなどの小さな鳥から鳩やカモなども捕食します。水辺の木の上に止まっている場合は、そこにいる水鳥を狙っていて捕食するシーンを見ることができるかもしれません。

また、小鳥やカモの群れなどが一斉に飛び立った場合は、近くにいるオオタカに気がついて逃げた可能性がありますので、逃げた方向と逆方面を探すとオオタカを見つけらることがありますので、覚えておくと良いでしょう。

漂鳥

漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。

漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。

大泉緑地では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。

  • アオジ
  • アリスイ
  • オオバン
  • オシドリ
  • カイツブリ
  • クイナ
  • シメ
  • トラツグミ
  • ハイタカ
  • ビンズイ
  • ベニマシコ
  • マガモ
  • ルリビタキ
  • イカル

シメ

シメは体長約18センチのスズメ目アトリ科の野鳥です。スズメよりも若干大きく、色は全身茶褐色がベースで翼の先が黒色となっています。

日本では夏場に北海道で繁殖を行い、寒い季節には本州に渡ってきて越冬します。カエデやムクノキなどの種子を主食としていますので、その付近を探すと良いでしょう。

鳴き声が「シー」と聞こえることから、鳥を意味する接尾語である「メ」からその名がついたと言われています。

トラツグミ

地面に降りているトラツグミの後ろ姿

トラツグミは体長約30センチほどのスズメ目ツグミ科に属する野鳥です。羽毛の色は黄褐色をベースに黒い鱗状の斑がまんべんなく入っていて、トラの模様を連想させる色味となっています。

山地で繁殖を行い、冬は積雪のない地域へと移動します。冬場は市街地の公園などでも見ることができます。

雑食性で、地面に降りて落ち葉をかき分けてミミズなどを捕食します。

夏鳥

夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。

  • アカハラ
  • オオヨシキリ
  • オオルリ
  • キビタキ
  • クロツグミ
  • コサメビタキ
  • コマドリ
  • コムクドリ
  • サメビタキ
  • サンコウチョウ
  • センダイムシクイ
  • ツツドリ
  • ツバメ
  • ノビタキ
  • ヒクイナ
  • メボソムシクイ
  • ヨシゴイ

キビタキ

木の枝にとまるキビタキ

キビタキは体長13~14センチほどの小さな野鳥です。メスは地味な色合いですが、オスは黒をベースとした翼に旨や頭の一部に黄色い羽毛を持ち、カラフルな姿でバードウォッチャーを楽しませてくれます。

昆虫を捕食するため雑木林を好んで住処にしていますので、雑木林を中心に探してみると良いでしょう。また、明け方にオスは縄張りを誇示するために美しい声を発します。鳴き声を頼りに探すのもコツのひとつです。

夏場に日本で繁殖を行ったキビタキは、冬の訪れとともに東南アジアへ渡り越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってきます。

サンコウチョウ

枝にとまるサンコウチョウ

サンコウチョウはオスに長い尾羽があるのが特徴的な野鳥です。メスの体長が約17.5センチなのに対しオスは約45センチで、そのオスの体長の内30センチ以上は尾羽となっています。

なお、オスの尾羽が長いのは繁殖期のみで、日本にやってくる春から初夏は尾羽が長く、繁殖活動が終わり海外へと渡る秋頃には長い尾羽がなくなっています。

繁殖期のオスが長い尾羽を付けて飛ぶ姿は幻想的で、バードウォッチャーには一度は見てみたい憧れの野鳥です。

冬鳥

冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。

  • アトリ
  • アメリカヒドリ
  • オオジュリン
  • オカヨシガモ
  • オジロビタキ
  • オナガガモ
  • カシラダカ
  • カンムリカイツブリ
  • キレンジャク
  • キンクロハジロ
  • コイカル
  • コガモ
  • ジョウビタキ
  • シロハラ
  • スズガモ
  • ツグミ
  • ニシオジロビタキ
  • ハシビロガモ
  • ハジロカイツブリ
  • ハチジョウツグミ
  • ヒドリガモ
  • ヒレンジャク
  • ホシハジロ
  • マヒワ
  • マミチャジナイ
  • ミコアイサ
  • ユリカモメ
  • ヨシガモ

カンムリカイツブリ

求愛中のカンムリカイツブリ

カンムリカイツブリは全長約56センチほどのカイツブリ目カイツブリ科に属する野鳥です。カイツブリ目の中ではクビナガカイツブリ類の次に大きな種類で、日本で見られるカイツブリの仲間では最大となっています。

その名の通り頭頂部に冠のような冠羽を持っているのが特徴です。また首周りにも飾り羽を持っていて、求愛時に冠羽と飾り羽を立ててダンスします。

日本では冬鳥に分類されますが、本州や北海道で繁殖する個体も増えてきています。大きな群れを作ることで知られていて、時には千羽を超える群れが見られることもあります。

ジョウビタキ

枝にとまっているジョウビタキ

ジョウビタキは全長約15センチほどの小さな野鳥です。

ベースの色は薄い茶色に、オスのみ頭が銀白色に顔部分が黒と比較的カラフルな羽毛を持っていますが、メスは翼の一部に白斑があるのみで地味な色味となっていてスズメに見間違えられることもあります。

夏にチベットやロシア極東などで繁殖を行い、冬になれると日本全国に渡り鳥としてやってきますが、近年は日本国内での繁殖も確認されています。

体の小さい鳥は群れることが多いのですが、こんおジョウビタキは群れを作らず単体で暮らしています。

旅鳥

枝に止まるエゾビタキ

旅鳥とは夏に日本より北の地域で繁殖し、冬は日本より下の地域に渡り越冬する野鳥で、渡りの途中で日本に立ち寄る渡り鳥です。

旅鳥は基本、春と秋に飛来してきますが、どちらか一方の季節だけに飛来してくるケースもあります。

  • エゾビタキ
  • オオアカハラ
  • カラアカハラ
  • クロハラアジサシ
  • チュウシャクシギ
  • ノゴマ
  • ムギマキ

大泉緑地へのアクセス

大泉緑地の場所(地図)

電車

最寄り駅はOsaka Metroの御堂筋線『新金岡駅』で、駅から公園までは徒歩10分ほどです。また、近畿日本鉄道南大阪線の『布忍駅』も利用可能で、徒歩20分ほどの距離です。

車・駐車場

以下、複数の高速道路のインターチェンジが近くにあります。

  • 近畿自動車道『松原南IC』
  • 近畿自動車道『松原IC』
  • 阪神高速15号堺線『堺ランプ』

いずれも、ICから公園までは10分弱とアクセスしやすい場所にあります。

なお、大泉緑地には有料の駐車場が備わっています。駐車料金は『最初の1時間:390円」で、その後1時間毎に120円~130円ずつ加算されます。駐車料金の詳細は公式サイトをご確認ください。

大泉緑地の野鳥に関するみんなのツイート

大阪府内のその他バードウォッチングスポット

大泉緑地のある大阪府には、魅力的なバードウォッチングスポットがまだまだたくさんあります。

西日本最大の都市として名高い大阪ですが、郊外はもちろん市街地にも緑が豊富な公園があるなど、意外にも野鳥観察に最適なスポットが豊富です。雑木林だけでなく池や湿地帯を有した公園も多く、見られる野鳥の種類も豊富なスポットが多く点在しています。

また、大阪は公共の交通機関が発達しているため、気軽にアクセスできるバードウォッチングスポットが多いのも特徴のひとつです。

以下の記事では、大阪府内にあるたくさんの探鳥地の中から初心者でも野鳥観察が楽しみやすい場所を厳選して紹介しています。

大阪でバードウォッチングをする際にはぜひ参考にしてください。
大阪府内の野鳥観察スポット11選!初心者でもバードウォッチングが楽しみやすい公園を中心に360写真付きで紹介

大泉緑地の基本情報

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