昭和記念公園の概要
昭和記念公園は東京都立川市と昭島市にまたがる国営公園です。広さは約165.3ヘクタール(東京ドーム約35個分)もあり、都内でもトップクラスの規模を誇ります。
立川基地跡地の一部に昭和天皇の在位50年を記念して作られた公園で、1983年に一部開園したあと、現在でも全面開園に向けて工事が続けられています。
広い園内には
- スポーツエリア
- レンタルサイクル(サイクリングコース)
- バーベキューガーデン
- レストランや売店
- レインボープール
- カフェ
- 昭和天皇記念館
- 水遊び広場
- ドッグラン
など様々な施設が充実していて年間の来場者数は450万人以上。老若男女幅広い層に人気のある公園です。
また、都民の憩いの場としてだけでなく災害時の立川市と昭島市の広域避難場所としての側面も持っています。
大人は450円の入園料が必用ですが中学生以下は無料となっている他、昭和の日など年に数回は大人も無料で入園できる日が設けられています。
昭和記念公園はバードウォッチングも人気
昭和記念公園は、広い園内には多くの木々がある他、池や湿地帯などもありたくさんの野鳥が暮らす都内屈指のバードウォッチングスポットになっています。
ただ広いだけでなく、池などの異なる環境が揃っていることで、見られる野鳥の種類が多いのも魅力のひとつです。特に冬場は越冬のために昭和記念公園に訪れる野鳥も多く、冬のお出かけスポットとしても人気が高まっています。
また、駅からも近くアクセスしやすいうえ、整備された遊歩道を散歩しながら野鳥を探せるため、バードウォッチング初心者でも楽しみやすい環境です。
日本野鳥の会などの団体が、初心者向けのバードウォッチングのイベントを開催する場所としても利用されていますので、初めてバードウォッチングに挑戦する方はイベントに参加してみるのも良いでしょう。
昭和記念公園では100種類以上の野鳥が確認されていて、普段目にすることのない珍しい野鳥に出会えるかもしれません。野鳥に詳しい方と一緒に散策することでより一層バードウォッチングを楽しむことができます。
昭和記念公園で見られる野鳥
留鳥(一年を通して出会える鳥)
留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。
- アオサギ
- ウグイス
- エナガ
- オオタカ
- オナガ
- ガビチョウ
- カルガモ
- カワウ
- カワセミ
- カワラバト
- カワラヒワ
- キジバト
- キセキレイ
- コゲラ
- シジュウカラ
- スズメ
- セグロセキレイ
- ダイサギ
- ツミ
- ハクセキレイ
- ハシブトガラス
- ハシボソガラス
- ヒバリ
- ヒヨドリ
- ホオジロ
- ムクドリ
- メジロ
- モズ
- ヤマガラ
カワセミ
カワセミはバードウォッチングをする方にとって人気の高い鳥の一種です。カワセミを漢字で書くと『翡翠』と書くのですが、宝石のヒスイはカワセミからその名が付けられています。カワセミ自体も別名『飛ぶ宝石』とも言われるほど美しい色を持つ鳥です。
体調は約17センチほどで体の大きさの割にクチバシが長いのが特徴的です。背中側は美しいコバルトブルーで、お腹側は鮮やかなオレンジ色となっています。
池や川の水辺の枝などにとまって獲物を探し、獲物が見つかるとスーッと水中に飛び込み小魚を捕まえます。枝などがない場合はホバリングした状態で獲物を探すこともあります。
カワラヒワ
カワラヒワは体長14センチほどで、スズメと同じくらいの大きさの野鳥です。茶褐色がベースの色で一見地味に見えますが、翼の一部が黄色い羽毛となっていて、飛び立つと黄色い模様が目立ちます。
雛には虫の幼虫を与えますが、成鳥は主に植物の種を好んで食べます。森や林だけでなく、街路樹や庭木などにも巣を作ることで知られています。
漂鳥
漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。
漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。
昭和記念公園では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。
- アオジ
- オオバン
- オシドリ
- カイツブリ
- クイナ
- クロジ
- コガラ
- シメ
- トラツグミ
- ノスリ
- ハイタカ
- ビンズイ
- ベニマシコ
- マガモ
- ルリビタキ
- イカル
アオジ
アオジは体長16センチほどで、スズメよりやや大きな小鳥です。
翼は茶褐色で模様などもスズメに似ているためよく間違えられますが、胸から腹にかけて緑がかった薄い黄色の羽毛が特徴。アオジの『アオ』は緑色も含めた古い意味での青が由来と言われています。
夏に北海道や本州北部で繁殖を行い、冬になると積雪の殆どない地域へと移動して冬を越します。中にはロシアや中国から越冬するために日本に飛来する種のアオジもいます。
夏鳥
夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。
- アカハラ
- オオルリ
- キビタキ
- ツバメ
オオルリ
オオルリは体長約16センチほどの野鳥です。メスは背中側が茶褐色で腹が白と地味なのに対し、オスはその名の通り背中側が濃い青(瑠璃色)に腹が白ととても美しい色を持っています。
夏場に日本に訪れ繁殖活動を行い、冬になると東南アジアなどに移動して越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってくる夏鳥です。
とても目立つ色をしていますが、木の高い場所にとまっていることが多く見つけるのが難しいと言われています。ゆっくりと「ピリーリー、ポィヒーリー、ピールリ、ピールリ、ジィ、ジィ」と美しい特徴的なさえずりをしますので、声を頼りに探してみると良いでしょう。
冬鳥
冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。
- アトリ
- オカヨシガモ
- オナガガモ
- カシラダカ
- キンクロハジロ
- コイカル
- コガモ
- ジョウビタキ
- シロハラ
- ツグミ
- トモエガモ
- ハシビロガモ
- ヒドリガモ
キンクロハジロ
キンクロハジロは体長40~45センチほどの、カモ目カモ科に属する野鳥です。
カモの仲間ですが名前にカモは入っておらず、目の周りが黄色、頭部や背中、胸が黒、腹や翼の一部が白というオスの見た目が名前の由来となっています。なお、メスはオスに対して地味な色で体全体が茶褐色です。
夏場にシベリアやヨーロッパの北部など北の地域で繁殖活動を行い、冬に日本等に飛来して越冬します。水に潜って小魚を捕食したり、飛び立つ際に水面を除草するなど見るものを楽しませてくれる野鳥となっています。
昭和記念公園の野鳥観察ポイント
昭和記念公園にはたくさんの野鳥観察ポイントがありますが、中でも人気なのは
- 水鳥の池
- バードサンクチュアリ
- 花木園・桜の園
- 残堀川
- こもれびの丘
- トンボの湿地
- 日本庭園
などが挙げられます。
冒頭で書いた通り昭和記念公園はかなり広いため、ポイントを巡るのためにはそれなりに歩く必要があり、また時間も要します。色々とポイントを巡りたい場合はレンタルサイクルのサービスを利用するのもお勧めです。
水鳥の池
水鳥の池は公園の南側、西立川口の近くにある約5ヘクタールの大きな池です。アシやガマなどの植物が生い茂る自然豊かな池で、その名の通りたくさんの水鳥がやってくる池となっています。
カモ類が多く、特に冬場はたくさんの種類のカモを観察することができます。また、バードウォッチングで人気のカワセミも生息していますので、探してみると良いでしょう。
なお、水鳥の池はボートのレンタルもあり、手漕ぎボートや足漕ぎボートに乗ることもできます。料金は以下の設定となっています。
- ローボート(3人乗):1時間800円(以降30分ごとに400円)
- サイクルボート(2人乗):30分800円
ボートに乗りながら自分も野鳥になった気分でバードウォッチングもお勧めです。
バードサンクチュアリ
水鳥の池の北側に隣接する形で、バードサンクチュアリが設けられています。
なお、バードサンクチュアリとは野鳥が暮らしやすい環境を保全するために人の立入りを制限し、環境を保全しているエリアです。また、環境保全だけでなくバードウォッチングが行いやすいように仕切りに観察用の小窓を設けるなど、自然体験ができる施設としても活躍しています。
昭和記念公園のバードサンクチュアリでは毎月第3日曜日にボランティアによる『野鳥観察会』が行われています。バードウォッチングにはじめて挑戦する方は、まずはこのようなイベントに参加するのがお勧めです。
気になる方は公式サイトのイベント情報をチェックしておくと良いでしょう。
花木園・桜の園
昭和記念公園には花木園や桜の園など、梅や桜がたくさん植樹されているエリアがあります。
開花の時期にはメジロなどが花の蜜を吸いに訪れます。バードウォッチングと花見とを同時に楽しめます。
昭和記念公園へのアクセス
昭和記念公園の場所(地図)
電車
公園のどの出入り口かによって最寄り駅が変わってしまいますが、最も近く一般的なのがJR青梅線の『西立川駅』で、駅から公園の西立川ゲートまでは徒歩1~2分です。
他にも少々歩きますが、
- JR中央線『立川駅』:あけぼの口まで徒歩10分、立川ゲートまで徒歩20分弱
- 多摩都市モノレール『立川北駅』:あけぼの口まで徒歩8分、立川ゲートまで徒歩16分
- 西武拝島線『武蔵砂川駅』:砂川ゲートまで徒歩20分、玉川上水ゲートまで徒歩25分
などの路線(駅)が利用可能となっています。
駐車場
昭和記念公園には
- 立川口駐車場(収容台数:1,755台)
- 西立川口駐車場(収容台数:345台)
- 砂川口駐車場(431台収容台数:431台)
の3つの駐車場が備わっています。かなりキャパの大きな駐車場ですが、特に昭和記念公園の無料開放日などは混雑が予想されます。
駐車料金はいずれも普通車は「1日:840円」です。なお、昭和記念公園の年間パスをお持ちの方は「1日:730円」となります。
昭和記念公園の野鳥に関するみんなのツイート
昭和記念公園で花見ついでに鳥見してたらお初のコイカルさんに会えた〜☺️
イロハモミジの新芽をむさぼってました。なかなか可愛い😍#野鳥 #コイカル #bird pic.twitter.com/crv59iWDvm— クマモン@鳥見 (@kumamon_bird) March 21, 2020
土曜日の昭和記念公園🌸
シジュウカラ😚
プクプクでかわいい#昭和記念公園#お花見#桜#花#シジュウカラ#野鳥 pic.twitter.com/pwv4mneK3E— malippee (@malippee) April 3, 2022
#野鳥#昭和記念公園#ジョウビタキ 2021/11/13 ジョビ男くん、タイミングなのか、近所の公園でもまだ見れず。昭和記念にはいつも場所にいました。 pic.twitter.com/6LNq1d2WrT
— onom’s camera (@onom312) November 14, 2021
昭和記念公園にカイツブリの親子いたよ
可愛かった💘#カイツブリ#野鳥#birdwatcher#birdwatching#photography #キリトリセカイ#写真好きな人と繋がりたい #ファインダー越しの私の世界#写真で伝えたい私の世界 pic.twitter.com/imaLqTrDBZ— Hidekiyo (@Hidekiyo6) July 21, 2019
こんにちは☀️地震びっくり💦
さて本日1/14は成人の日ですが、私的には昨年初めて野鳥撮影をしてみた日からの一周年記念日です。何も分からず昭和記念公園の池のあたりに行ってみたらたまたま写真のカワセミさんが撮れたのがいい思い出。新成人の皆さんに負けず成長していきたいですね😉 pic.twitter.com/z81isRsTpP— 春広 (@haru_hiro_se) January 14, 2019
東京都内のその他バードウォッチングスポット
昭和記念公園のある東京には、まだまだたくさんのバードウォッチングスポットがあります。大都会であるにも関わらず、野鳥が生息できる自然が残された場所も点在していて、観察できる野鳥も意外に豊富です。
以下の記事では、東京都内にあるバードウォッチングスポットを厳選して紹介しています。
▶東京都内の野鳥観察スポット21選!バードウォッチングに最適な公園などを360度写真付きで紹介します
都内なのでアクセスの便は良く、また基本は公園など遊歩道が整備された歩きやすい場所となっていますので、バードウォッチング初心者でも気軽に野鳥観察を楽しめる環境ばかりです。
東京都内で野鳥観察をする場合は、ぜひご参考ください。
昭和記念公園の基本情報
- 住所:東京都立川市緑町3173
- 電話番号:042-528-1865(公園管理センター)
- 開園時間:時期やイベントなどで変動がありますので、公式サイトをご確認ください
- 料金
大人:450円
小人(中学生以下):無料
シルバー(65歳以上):210円 - トイレ:あり
- 駐車場:あり(有料)
- 昭和記念公園の公式サイト
- 園内マップ(公式サイト/PDF)
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