長浜公園での野鳥観察のススメ。汽水池や淡水池、人工干潟など水辺が豊富なバードウォッチングスポットを360度写真付きで紹介

長浜公園の概要

長浜公園は神奈川県横浜市金沢区にある市立公園です。敷地面積は154,309平方メートル、東京ドームに換算すると3.3個分もの広さを持つ公園となっています。

公園の中心付近を高速横浜横須賀道路が横断していて、その道路を境に北側エリアと南側エリアとに分かれています。

北側エリアには野球場やサッカー場(多目的広場)、テニスコートなどのスポーツ施設が整備されていて、南側エリアには淡水池の他、海につながる汽水池などがあり『野鳥観察園』として機能しています。

なお、汽水池は明治時代に作られた長浜検疫所の船溜まりが元となっていて、当時は海外からの船を消毒するための場所として利用されていました。

現在でも海とつながっている汽水池は潮の満ち引きによって水位が変わります。その環境を利用して人工干潟も作られていて、多くの動植物の生息環境保全にも役立つ公園となっています。

長浜公園は野鳥観察に最適!

長浜公園の南側エリアは『野鳥観察園』という名が付いている通り野鳥観察に最適な環境が整っているスポットです。

たくさんの木々が生い茂り緑が豊かなことはもちろん、冒頭にも書いた通り汽水池や人工干潟、湧き水を利用して作られた淡水池などの水辺も豊富で、野鳥が集まりやすい環境が揃っています。

また、園内の各所に野鳥観察小屋ががあり、バードウォッチング初心者でも野鳥観察をしやすい環境が整備されています。

野鳥観察小屋は

  • 公園の南端に設置された『野鳥観察小屋A』
  • 汽水池の南東側に設置された『野鳥観察小屋B』
  • 淡水池の南側に設置された『野鳥観察小屋C』
  • 人工干潟の北東側に設置された『野鳥観察小屋D』

と4つも用意されています。

池には空飛ぶ宝石という異名を持つカワセミが訪れることも多く、バードウォッチャーを楽しませてくれます。なお、カワセミがよく訪れるのは野鳥観察小屋A・Bとなっています。

また、冬には越冬のために訪れるカモ類などの水鳥で池が賑わいます。水鳥をたくさん観察したい場合は、冬のバードウォッチングがおすすめです。

人工干潟では見応えのあるサギの仲間が、小魚を探してついばむ様子なども観ることができるでしょう。園内にはヨシ原もあり、夏にはオオヨシキリを観察することもできます。

なお、汽水池や淡水池、人工干潟は野生動植物の生息域保全のために、人の立ち入りは制限されています。遠くにいる野鳥を観察することになりますので、長浜公園で野鳥観察を楽しむ場合は双眼鏡を持っていきましょう。

長浜公園で見られる野鳥

留鳥(一年を通して出会える鳥)

留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。

  • アオゲラ
  • アオサギ
  • アオバト
  • イカルチドリ
  • イソシギ
  • イソヒヨドリ
  • ウグイス
  • エナガ
  • オオタカ
  • オナガ
  • ガビチョウ
  • カルガモ
  • カワウ
  • カワセミ
  • カワラヒワ
  • キセキレイ
  • ゴイサギ
  • コゲラ
  • コサギ
  • コジュケイ
  • シジュウカラ
  • ダイサギ
  • チョウゲンボウ
  • トビ
  • ハクセキレイ
  • バン
  • ヒメアマツバメ
  • ヒヨドリ
  • ミサゴ
  • ムクドリ
  • メジロ
  • モズ
  • ヤマガラ
  • リュウキュウサンショウクイ

アオサギ

海辺を歩くアオサギ

アオサギは体長が90センチ以上にもなる、日本で見られるサギの仲間では最大の鳥です。体が大きく見ごたえがあることからバードウォッチングではとても人気の野鳥となっています。

成鳥は足や首がスラリと長く、頭には黒い冠羽があります。背(翼)部分は灰色ですが、それがくすんだ青色に見えるのがアオサギという名前の由来と言われています。(諸説あります)

アオサギは浅い水辺で魚や両生類などの捕まえて食べていますが、時に小鳥を捕食することもあります。また、他の鳥から獲物を横取りすることでも知られています。

カワラヒワ

カワラヒワは体長14センチほどで、スズメと同じくらいの大きさの野鳥です。茶褐色がベースの色で一見地味に見えますが、翼の一部が黄色い羽毛となっていて、飛び立つと黄色い模様が目立ちます。

雛には虫の幼虫を与えますが、成鳥は主に植物の種を好んで食べます。森や林だけでなく、街路樹や庭木などにも巣を作ることで知られています。

漂鳥

漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。

漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。

長浜公園では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。

  • アオジ
  • ウソ
  • オオバン
  • オシドリ
  • カイツブリ
  • クロジ
  • シメ
  • ノスリ
  • ビンズイ
  • マガモ

オオバン

水面を泳ぐオオバン

オオバンはツル目クイナ科の水鳥です。体長は40センチ弱あり、クイナの仲間では最大となっています。真っ黒い体に真っ白いクチバシとおでこというシンプルな配色が特徴的です。

足には水かきがあり水面を泳ぐのが得意です。水面近くにある水草の葉や種子を食べたり、潜水して水生植物の茎を食べたりします。また、雑食性で時には魚や昆虫を捕食することもあります。

シメ

シメは体長約18センチのスズメ目アトリ科の野鳥です。スズメよりも若干大きく、色は全身茶褐色がベースで翼の先が黒色となっています。

日本では夏場に北海道で繁殖を行い、寒い季節には本州に渡ってきて越冬します。カエデやムクノキなどの種子を主食としていますので、その付近を探すと良いでしょう。

鳴き声が「シー」と聞こえることから、鳥を意味する接尾語である「メ」からその名がついたと言われています。

夏鳥

夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。

  • アカハラ
  • アマツバメ
  • オオヨシキリ
  • キビタキ
  • キマユムシクイ
  • コチドリ
  • コムクドリ
  • ササゴイ
  • センダイムシクイ
  • チュウサギ
  • ツバメ
  • ノビタキ
  • メボソムシクイ

オオヨシキリ

ヨシの葉にとまるオオヨシキリ

オオヨシキリは体長18センチほどの小さな野鳥です。夏場に飛来して繁殖活動を行い、冬は熱帯地域へ渡り越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってきます。

頭部から背中(翼)にかけてはスズメのように茶褐色で、首元から胸、腹にかけては白い羽毛となっています。

食性は動物食で、昆虫を捕まえて食します。イネ科のヨシ(アシ)を切り裂いて中の昆虫を捕食することから、オオヨシキリという名前がつきました。夏場にヨシが群生する湿地帯などを探すと見つけやすい野鳥です。

メボソムシクイ

メボソムシクイ

メボソムシクイは体長約13センチの野鳥です。頭部から背中にかけては暗めの黄緑色で、目の上には細い眉斑があります。実際の目はもちろん丸い形ですが、この眉斑が細いことからメボソムシクイという名が付きました。

他のコムシクイやオオムシクイなどに比べると、やや黄色みが強く尾羽や翼長が長いという特徴を持っています。

夏場に日本の本州や四国で繁殖を行い、冬は越冬のために中国南東部、台湾、フィリピンなどに渡ります。

冬鳥

冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。

  • アカガシラサギ
  • ウミウ
  • オオジュリン
  • オカヨシガモ
  • オナガガモ
  • カモメ
  • カンムリカイツブリ
  • キンクロハジロ
  • コガモ
  • ジョウビタキ
  • シロハラ
  • スズガモ
  • ツグミ
  • トモエガモ
  • ハシビロガモ
  • ヒドリガモ
  • ヒレンジャク
  • ホシハジロ
  • マヒワ
  • ユリカモメ
  • ヨシガモ

カンムリカイツブリ

求愛中のカンムリカイツブリ

カンムリカイツブリは全長約56センチほどのカイツブリ目カイツブリ科に属する野鳥です。カイツブリ目の中ではクビナガカイツブリ類の次に大きな種類で、日本で見られるカイツブリの仲間では最大となっています。

その名の通り頭頂部に冠のような冠羽を持っているのが特徴です。また首周りにも飾り羽を持っていて、求愛時に冠羽と飾り羽を立ててダンスします。

日本では冬鳥に分類されますが、本州や北海道で繁殖する個体も増えてきています。大きな群れを作ることで知られていて、時には千羽を超える群れが見られることもあります。

ツグミ

地上に降りているツグミ

ツグミは全長約24センチの野鳥です。体調はムクドリと同じくらいですが、ムクドリに比べてスマートな体型となっています。

羽の部分は茶褐色で、お腹や胸側は白と黒のまだら模様が特徴。まだら模様が濃くはっきりとしている個体がオスで、逆に薄い個体がメスです。

地面に降りて餌となる昆虫を探す際に、両足でピョンピョン跳ねるように移動する姿から古くは跳馬とも呼ばれていました。

旅鳥

枝に止まるエゾビタキ

旅鳥とは夏に日本より北の地域で繁殖し、冬は日本より下の地域に渡り越冬する野鳥で、渡りの途中で日本に立ち寄る渡り鳥です。

旅鳥は基本、春と秋に飛来してきますが、どちらか一方の季節だけに飛来してくるケースもあります。

長浜公園では

  • エゾビタキ
  • オオアカハラ
  • キアシシギ
  • ソリハシシギ
  • ツルシギ

などの旅鳥に出会えるかもしれません。

長浜公園へのアクセス

長浜公園の場所(地図)

電車

長浜公園へは複数の路線や駅を利用してアクセスすることができます。

  • 京浜急行『京急富岡駅』:徒歩14分
  • 京浜急行『能見台駅』:徒歩18分
  • シーサイドライン『並木中央駅』:徒歩14分
  • シーサイドライン『幸浦駅』:徒歩16分

車・駐車場

最寄りのインターチェンジは横浜横須賀道路の『並木IC』で、ICを降りて公園までは2~3分です。

なお、長浜公園には収容台数75台の有料駐車場が備わっています。料金は

  • 2時間300円
  • その後20分ごと50円

とリーズナブルです。

長浜公園の野鳥に関するみんなのツイート

神奈川県内のその他バードウォッチングスポット

神奈川県内には東高根森林公園以外にもまだまだたくさんのバードウォッチングスポットがあります。横浜などの大都市を抱えているため都会のイメージが強い神奈川ですが、意外にも自然が残るスポットも多く、野鳥観察が楽しめる場所も豊富です。

海沿いの公園や都市公園、標高の高いエリアなど環境も様々で、見られる野鳥が豊富なところも魅力のひとつです。また、電車などで都心からのアクセスしやすいスポットも多く、初心者でも野鳥観察が楽しみやすい場所も多いのが特徴です。

以下の記事では神奈川県内の数あるバードウォッチングスポットのうち、初心者でも楽しみやすいスポットを中心に複数紹介しています。神奈川県内でバードウォッチングを楽しむ際の参考にしてください。
神奈川県の野鳥観察スポット11選!初心者でもバードウォッチングが楽しみやすい公園や池などを360写真付きで紹介

長浜公園の基本情報

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