三軒茶屋での暇つぶしが楽しくなる!ぶらぶらできるスポットを360度写真付きで紹介

三軒茶屋ってどんな街?

三軒茶屋の風景

三軒茶屋の魅力

三軒茶屋は、東京・世田谷区の東端に位置する街で、地元の人々からは「三茶(さんちゃ)」という愛称で親しまれています。渋谷から東急田園都市線でたったの1駅というアクセスの良さながら、どこかのんびりとした空気が漂い、都会の喧騒を少し離れたいときにはぴったりの場所です。

駅周辺には昔ながらの飲み屋や個人経営のカフェ、こだわりの雑貨店が点在しており、商業施設よりも人の営みが感じられるような街並みが広がっています。特に三軒茶屋駅の南側は、路地裏のような小道が入り組んでいて、初めて訪れる人にとってはちょっとした冒険気分が味わえます。

個人的な話になりますが、私は日曜日の昼過ぎにこのエリアを散歩するのが好きです。息子と一緒に商店街を歩いたり、公園でアイスを食べたり。大きな施設があるわけではないけれど、ちょっとした寄り道が楽しめるのが三軒茶屋の良さです。日常にありながら、どこか非日常を感じさせる――そんな不思議な魅力がある街です。

また、アートやカルチャーとの距離が近いのも特徴のひとつです。小劇場やギャラリー、ライブハウスが集まり、夜には若者から大人までさまざまな世代の人たちが集まってきます。住む人、働く人、遊びに来る人のバランスが絶妙で、「住んでよし、訪れてよし」の理想的な都市の一つともいえるでしょう。

三軒茶屋の歴史

三軒茶屋という名前は、江戸時代にこの地にあった三軒の茶屋に由来しています。文字通り「三つの茶屋」が由来というのは、ちょっと拍子抜けするほどシンプルに思えますが、その背景にはこの場所が交通の要所だったという歴史があります。

江戸時代、この辺りは大山道(おおやまみち)と呼ばれる街道の宿場町のような役割を担っていました。大山道は、現在の神奈川県伊勢原市にある大山阿夫利神社へ向かう参拝者たちが通った道で、江戸の人々にとってはちょっとした巡礼の旅路でもありました。その途中にあった三軒の茶屋が、旅人たちの休憩場所として人気を博していたのです。

その三軒とは、「田中屋」「信楽屋(しがらきや)」「角屋(かどや)」と呼ばれていたと伝えられています。場所としては現在の三軒茶屋交差点付近、つまり今も交通の中心になっている場所に集まっていたそうです。江戸から歩いてきた人がここでひと休みして、先の旅に備える――そんな風景が目に浮かぶようですね。

その後、明治時代から昭和初期にかけて街は少しずつ発展し、大正時代には玉川電気鉄道が通るようになって、さらに交通の便が良くなりました。ちなみに現在のキャロットタワーの場所も、かつては「玉電」こと玉川線のターミナル駅だった場所です。交通の発達がこの街の成長を後押ししてきた歴史は、今なお続いているとも言えるでしょう。

歴史を辿ってみると、今の三軒茶屋のにぎわいや人の流れには、過去の名残がしっかりと息づいていると感じます。ただの「住宅地」でも「繁華街」でもない、旅と生活の交差点のような存在感は、きっとこの歴史から生まれているのではないでしょうか。

三軒茶屋でぶらぶらできる暇つぶしスポット

キャロットタワー

三軒茶屋駅直結の高層複合施設「キャロットタワー」は、この街のランドマーク的存在です。地上26階建ての建物は、オレンジがかった外観が特徴で、名前の「キャロット」は地域の子どもたちからの公募によって名付けられました。

館内にはオフィスや商業施設のほか、世田谷パブリックシアター、区民施設、図書館、レストランなどが入っており、幅広い年齢層が利用できる場所となっています。1階から数階にはカフェや雑貨店が並び、買い物や飲食をしながら時間を過ごすのに適しています。

特に注目すべきは最上階にある展望フロア(26階)で、こちらは無料で一般開放されています。天気が良ければ、東京スカイツリーや新宿の高層ビル群、さらには富士山まで望むことができます。都会的な景色を静かに楽しめる場所として、観光客にも地元住民にも人気があります。

アクセスの良さと多彩な施設が集まっている点から、キャロットタワーは三軒茶屋での暇つぶしに最適なスポットの一つと言えるでしょう。

エコー仲見世商店街

エコー仲見世商店街は、三軒茶屋駅の南口B出口を出てすぐの場所にある、アーケード型の商店街です。わずか100メートルほどの短い通りですが、その中に飲食店や雑貨屋、昔ながらの喫茶店などがひしめいており、まるで昭和にタイムスリップしたかのような雰囲気を味わえます。

道幅は狭く、天井も低めですが、それがかえって独特の親密さを生んでいます。地元の人々の暮らしに根付いたお店が多く、チェーン店よりも個人経営のこだわりのある店が目立ちます。居酒屋や立ち飲み屋も多いため、夜になるとまた違った表情を見せるのも魅力の一つです。

昼間にふらっと立ち寄って、掘り出し物を探したり、小腹を満たしたりするにはぴったりのスポットです。地元密着型の商店街ならではの温かみが、散歩の途中でのちょっとした休憩に心地よく感じられます。

三茶3番街

三茶3番街は、エコー仲見世商店街のすぐ隣に広がる飲食店街です。こちらも決して広くはありませんが、その分ぎゅっと魅力が凝縮されたようなエリアです。路地の両側に並ぶ小さな店々は、それぞれに個性が強く、何度訪れても新しい発見があります。

ランチタイムにはリーズナブルな定食屋やカフェ、夜には個性派の居酒屋やバルが営業しており、時間帯によって客層もがらりと変わります。外観からは中が見えづらいお店も多いですが、一歩入ると常連と一見が自然に混ざり合うような空気が流れています。

三軒茶屋の“ごちゃごちゃ感”や“路地裏感”を楽しみたいなら、このエリアは外せません。古さと新しさが混在する空間は、単なる食事だけでなく、街歩きそのものを楽しくしてくれます。

ゆうらく街

ゆうらく街

ゆうらく街は、三軒茶屋駅の北側、世田谷通り沿いから一本路地に入った場所に広がる小さな飲み屋街です。表通りからは少し目立たない存在ですが、一度足を踏み入れると、昭和の情緒がそのまま残っているような風景が広がります。

赤ちょうちんが揺れる居酒屋、手書きのメニューが貼られた小料理屋、ほんの数席しかないバーなど、昭和から続く文化が今も現役で息づいています。再開発の進む都内ではなかなか見られなくなった光景で、ノスタルジックな気分を味わいたい人にはおすすめの場所です。

夜の利用が多いエリアではありますが、昼間に静かな路地をぶらぶら歩くだけでも、街の奥行きを感じることができるでしょう。写真好きな方には、絵になる路地や看板が多く、ちょっとした撮影スポットとしても人気があります。

三和会アーケード街

三和会アーケード街は、三軒茶屋駅から徒歩数分の場所にある、昔ながらのショッピングアーケードです。屋根があるので雨の日でも安心して歩けるこの通りは、日常使いの店と個性ある専門店が混在しており、地元の買い物客でにぎわっています。

八百屋や精肉店といった生活密着型の店舗に加え、手作り惣菜店やパン屋、小規模な洋服店などもあり、ふらっと立ち寄るだけでどこか懐かしさを感じられる空間です。特別な観光地ではありませんが、三軒茶屋の生活の風景を垣間見ることができるリアルな街の顔ともいえるでしょう。

夕方には買い物をする人で活気が増し、店舗から漏れる明かりがアーケードをあたたかく照らします。目立たない場所にある名店も多く、散策のついでに立ち寄るにはちょうどいいエリアです。静かな時間を過ごしたい人にも、にぎやかな雰囲気を味わいたい人にも、それぞれに楽しめる余白があります。

世田谷公園

三軒茶屋駅から徒歩約15分ほどの場所に位置する世田谷公園は、広大な敷地と多彩な設備を備えた、地域を代表する大型公園です。園内には芝生広場、児童遊具、スケートボード広場、交通公園、ミニSLなどが整備されており、子ども連れの家族はもちろん、大人のリフレッシュにも最適なスポットです。

中でも目を引くのが、週末に運行している「ミニSL・ちびくろ号」です。全長300メートルほどのコースを本格的なミニ蒸気機関車が走り、子どもたちに人気のアトラクションとなっています。周辺には噴水広場や木陰のベンチもあり、のんびりと過ごせる空間が広がっています。

また、園内には世田谷プレーパークと呼ばれる自由遊びのスペースもあり、都会の中では貴重な“冒険遊び場”として知られています。三軒茶屋から少し歩く距離ではありますが、そのぶん落ち着いた雰囲気の中で過ごせるのが魅力です。

三宿たぬきのポンポ公園

名前のインパクトが目を引く三宿たぬきのポンポ公園は、住宅街の中にひっそりと佇む小さな公園です。公園入口に立つたぬきの石像がトレードマークとなっています。

敷地はそれほど広くありませんが、すべり台などのある複合遊具があり、小さな子どもたちが安心して遊べる環境が整っています。木々が多く、春は桜、秋は紅葉と、季節の移ろいも感じられます。

近隣にはカフェやパン屋も多いため、テイクアウトした飲み物を片手に少し休憩するのにもぴったりの場所です。観光スポットというよりは、地域の日常に溶け込んだ穏やかな空間として、散歩の途中でふらりと立ち寄るにはちょうどよい公園です。

西太子堂公園

西太子堂公園は、東急世田谷線・西太子堂駅のすぐそばにある、地域密着型の公園です。通りから少し奥まった場所にあるため、駅チカでありながら落ち着いた雰囲気が漂っています。

公園内には複数のベンチと樹木が配置され、簡素ながらも整った印象です。子ども向けの遊具は少なめですが、そのぶん静かに読書をしたり、一人で考えごとをしたりするのに向いています。地元の人が散歩中に立ち寄ったり、ペットを連れてベンチでくつろいだりと、生活の延長として自然に使われている場所です。

特に午後になると、太陽の光が木漏れ日として差し込み、ゆったりとした時間が流れるのを感じられる場所です。観光色は控えめですが、あえてそうした静けさを楽しみたい人にはおすすめです。

世田谷区立三軒茶屋公園

三軒茶屋駅から徒歩圏内にある世田谷区立三軒茶屋公園は、地域の子どもたちや住民が気軽に利用できる小規模な公園です。公園全体は比較的コンパクトですが、遊具やベンチ、水飲み場が整っており、ちょっとした休憩や子どもの遊び場として重宝されています。

周辺には住宅地が広がっているため、日中は子育て世代の家族や保育園児が訪れている姿をよく見かけます。木陰も多く、夏場でも比較的涼しく過ごせるのもポイントです。

散策中に立ち寄るにはちょうど良く、あまり人の多くない穴場的な存在でもあります。街中で少し静けさを感じたいときにおすすめの空間です。

世田谷区立こどものひろば公園

世田谷区立こどものひろば公園は、子ども向けの遊具が充実した、名前の通り「こども」が主役の公園です。広めの敷地にすべり台、ジャングルジム、砂場などが揃っており、週末になると多くの親子連れでにぎわいます。

公園内には安全に配慮した設計が施されており、小さな子どもがのびのびと走り回れる環境が整っています。園内の木々は四季折々に表情を変え、春には花が咲き、秋には落ち葉が彩りを添えます。

また、平日は比較的空いており、地元の子どもたちの遊び場としてのんびりと使われています。観光客が多く訪れるスポットではありませんが、地域の暮らしの一端を垣間見たい人にとっては、ほっとできる場所となるでしょう。

世田谷丸山公園

世田谷丸山公園

世田谷丸山公園は、三軒茶屋駅から徒歩10分ほどの住宅街の中にある、落ち着いた雰囲気の地域公園です。園内には木々が多く、春には桜が咲き、秋には色づいた葉が地面を覆います。遊具の数は多くありませんが、すべり台やブランコが整備されており、小さな子ども連れの家族によく利用されています。

公園の中心部には丸い広場があり、その名のとおり「丸山」のように緩やかな高低差があるのが特徴です。ベンチも配置されているため、のんびりと読書をしたり、ちょっと休憩するのにも適しています。

観光地ではありませんが、地元の暮らしを感じながらゆったり過ごすにはちょうどよい場所で、散歩の途中での立ち寄りにも向いています。

三軒茶屋二丁目公園

三軒茶屋二丁目公園は、比較的新しく整備された清潔感のある公園で、周辺住民の憩いの場として親しまれています。公園内は開けたレイアウトで、子ども向けの遊具が充実しており、特に未就学児の利用が多く見られます。

すべり台、ブランコ、砂場といった基本的な遊具に加え、車椅子利用者にも配慮したバリアフリー設計がなされており、誰でも利用しやすい空間となっています。植栽も整えられており、季節ごとの草花がさりげなく彩りを添えています。

公園の周囲は静かな住宅地ですが、アクセスもしやすく、三軒茶屋駅から徒歩数分で行ける距離にあります。気軽に立ち寄れる安心感と使い勝手の良さが特徴です。

三宿の森緑地

三軒茶屋から徒歩15〜20分ほど、三宿エリアに位置する三宿の森緑地は、都会の中で自然を感じられる貴重な場所です。緑地内は、整備されすぎない“自然のまま”の風景を活かした造りになっており、雑木林や小道が広がる静かな空間が広がっています。

季節によっては野鳥のさえずりや、木漏れ日の中を揺れる木々の音に癒されながら歩くことができます。舗装された道だけでなく、少し足元に注意が必要な自然道もあるため、軽いハイキング気分を味わうことも可能です。

観光やレジャーとして訪れるというよりは、都会の喧騒を離れて静かに過ごしたい人に向いている場所です。読書や深呼吸をしたくなるような、そんな時間を提供してくれる緑地です。

世田谷区立駒繋公園

世田谷区立駒繋(こまつなぎ)公園は、比較的小さめの地域公園でありながら、遊具や休憩スペースが整ったバランスの良い施設です。すべり台や鉄棒、砂場などがあり、子どもたちがのびのびと遊べる環境が整っています。

公園の名称は、かつてこの地域にあった「馬をつなぐ場所」に由来するとされ、歴史を感じさせるネーミングです。現在は住宅地に囲まれていますが、その昔の風景を想像しながら歩いてみるのも面白いかもしれません。

周辺には飲食店も多く、テイクアウトした軽食をベンチで楽しむ姿もよく見られます。日差しをさえぎる木々もあり、暑い季節にも比較的快適に過ごせる点も魅力です。

駒沢オリンピック公園

駒沢オリンピック公園は、三軒茶屋から徒歩やバスでアクセス可能な大型総合公園で、1964年の東京オリンピックにちなんで整備された由緒ある施設です。敷地面積は非常に広く、ジョギングコースやサイクリングロード、スポーツ施設、広場、児童公園などが完備されています。

公園内は非常に美しく整備されており、四季折々の自然が楽しめます。春は桜、秋は紅葉と、季節によって風景が一変するのも特徴です。ベンチやピクニック可能なスペースも多く、週末にはファミリーやカップル、ペット連れの散歩者でにぎわいます。

また、園内にはドッグランやスケートボード広場、子ども向けのアスレチックなどもあり、年齢や目的を問わずに楽しめる構成になっています。三軒茶屋エリアの中でも特に広域にわたって使える憩いの場として、多くの人に利用されています。

三宿神社

三宿神社は、三軒茶屋駅から徒歩15分ほどの三宿エリアに鎮座する、静かな佇まいの小さな神社です。住宅街に囲まれながらも、境内に一歩足を踏み入れると、そこだけ時間の流れが緩やかになるような感覚があります。鳥居をくぐると、整備された参道と、奥には趣のある社殿が迎えてくれます。

この神社は地域に根ざした信仰の場として、地元住民から親しまれています。祭礼などの行事も季節ごとに行われ、地域のつながりを感じさせる温かみのある場所です。観光地というよりも、暮らしの中に自然に存在している神社であり、日々の散歩コースの中でふと立ち寄るのにちょうど良い空間です。

神社の隣には緑地もあり、近くのベーカリーやカフェで買ったパンを片手に、木陰でひと休みするのもおすすめです。都市の中に残る、心を落ち着かせてくれる貴重な場所のひとつです。

駒留八幡神社

駒留(こまどめ)八幡神社は、三軒茶屋駅から東へ徒歩約10分、駒沢大学駅との中間あたりにある、由緒ある神社です。創建は平安時代とされ、古くから地域の守り神として崇敬を集めてきました。緑に囲まれた境内は広々としており、静謐な雰囲気が漂っています。

この神社の名前「駒留」は、かつてこの地に馬を止めて祈りを捧げたという伝説に由来するといわれています。その名残か、現在でも馬の像や馬に関する絵馬などが見られ、歴史を感じさせる要素が随所に残されています。

初詣や七五三、地域の祭りの際には多くの人が訪れる一方、普段は人の出入りも少なく、落ち着いて参拝できるのが魅力です。境内の木々が四季折々の景色を見せてくれるため、季節ごとに訪れても飽きることはありません。

太子堂八幡神社

三軒茶屋駅から徒歩圏内にある太子堂八幡神社は、太子堂エリアを代表する神社で、地元では「太子堂さま」として親しまれています。歴史は室町時代にさかのぼり、古くからこの地域の鎮守として崇敬されてきました。

境内は大通りから少し奥に入った静かな場所にあり、こぢんまりとしながらも品格のある神社です。樹齢を重ねた大きな木々に囲まれており、特に夏場は涼しげな木陰が心地よく、都心にいることを忘れてしまいそうになります。

社殿は丁寧に手入れされており、地元の方々が大切にしている様子がうかがえます。歴史を感じながら、ゆっくりと参拝したり、静かな時間を過ごしたい人にはぴったりの場所です。周辺には昔ながらの商店やカフェもあり、散歩ついでに立ち寄るには絶好のロケーションです。

ゴリラビル

三軒茶屋の中でもひときわ異彩を放つのが、ゴリラビルと呼ばれるユニークな建物です。正式名称は別にありますが、外壁に巨大なゴリラの立体造形が取り付けられていることから、地元では自然と「ゴリラビル」と呼ばれるようになりました。

建物は飲食店やバーなどが入った複合テナントビルで、若者を中心ににぎわう夜のスポットとしても知られています。ただ、このビルの最大の魅力はやはりインパクト抜群のゴリラ像で、三軒茶屋に訪れた人が思わず写真を撮りたくなる、いわゆる“映えスポット”となっています。

場所は三軒茶屋駅の南口側、にぎやかな商店街を抜けた先にあり、知らずに歩いていると突如現れるその姿に驚かされる人も少なくありません。三軒茶屋の“遊び心”や“自由さ”を象徴するような存在であり、この街の懐の深さを感じさせてくれます。少し変わったスポットを探している人には、ぜひ訪れてみてほしい場所です。

世田谷区立下馬図書館

世田谷区立下馬図書館は、三軒茶屋駅から徒歩15分ほどの住宅街に位置する、地域密着型の公共図書館です。外観は落ち着いた雰囲気の建物で、周囲の静けさともよく調和しています。館内は広すぎず、適度な規模感で、地元の人々にとって使い勝手の良い図書館として親しまれています。

一般書や児童書、雑誌、新聞など基本的な資料は一通り揃っており、学習スペースもあるため、学生や社会人の利用も多く見られます。また、児童コーナーには絵本の読み聞かせや小さなイベントが行われることもあり、親子での利用にも対応しています。

館内はとても静かで落ち着いており、集中して読書や調べものをするにはうってつけの場所です。人通りの少ないエリアにあるため、混雑も比較的少なく、のんびりと過ごしたいときの“隠れ家的”図書館とも言える存在です。

世田谷区立世田谷図書館

世田谷区立世田谷図書館は、三軒茶屋駅からやや離れた場所にありますが、規模・設備ともに区内でも充実した公共図書館のひとつです。蔵書数は多く、特に地域資料や郷土史関連の本が充実しており、世田谷の歴史に触れたい人には最適な資料館的側面もあります。

図書館は2階建てで、1階には新聞・雑誌コーナーや子ども向けのスペース、2階には学習室や静かな閲覧エリアが設けられています。通路や閲覧スペースには十分なゆとりがあり、快適に滞在することができます。

また、定期的に展示や講座、読書会なども開かれており、単なる本の貸出だけでなく、地域文化を発信する役割も担っています。本好きの方はもちろん、三軒茶屋から少し足を延ばして静かな読書の時間を過ごしたいときに立ち寄ってみると、新しい発見があるかもしれません。

齋田記念館

齋田記念館(さいだきねんかん)は、知る人ぞ知る美術系の小規模施設で、近代日本画のコレクションを中心に展示を行っています。場所は三宿エリアに近く、三軒茶屋駅からは徒歩で20分ほどの距離にありますが、喧騒から離れた静かな環境の中にあります。

館内には、日本画家・齋田梅亭(さいだばいてい)をはじめとする日本画や書画が展示されており、美術館というよりも“美術資料室”といった印象を受ける、こぢんまりとした空間です。しかしその分、作品との距離が近く、静かにアートと向き合える環境が整っています。

展示は常設に加えて企画展も不定期に開催されており、訪れるたびに異なる作品と出会える可能性があります。観光客が多く訪れるような施設ではありませんが、美術に関心がある人や、ゆっくりとした文化的時間を求める人にとっては、穴場的な存在といえるでしょう。

向井潤吉アトリエ館

向井潤吉アトリエ館は、昭和を代表する風景画家・向井潤吉(むかいじゅんきち)の住居兼アトリエを改装した美術館です。場所は世田谷公園のほど近く、三軒茶屋から徒歩15〜20分ほどの住宅地にあります。

館内では、向井潤吉が描いた日本の農村風景や里山の絵画を中心に展示しており、どこか懐かしさを感じさせる作品の数々が、訪れる人の心を和ませてくれます。展示室は大規模ではありませんが、木造建築の温もりと静けさが魅力で、画家の日常に触れているような感覚が味わえます。

また、アトリエ部分も公開されており、作品が生まれた空間そのものを見学できるのもこの施設ならではの体験です。美術館というよりも「作家の暮らしと創作」を感じることができる場所で、都会の中でゆったりと文化に触れたいときにおすすめです。

三軒茶屋へのアクセス

三軒茶屋は、東京都心からのアクセスが非常に便利なエリアです。交通の要となるのは東急田園都市線と東急世田谷線の2路線で、都内各所から短時間でアクセスできるのが魅力です。

まず、最も一般的なアクセス方法は東急田園都市線の「三軒茶屋駅」を利用するルートです。渋谷駅からは急行でわずか1駅・約5分という近さで、乗り換えの手間もなくスムーズに到着できます。田園都市線は半蔵門線と直通運転しているため、表参道・永田町・大手町など都心の主要駅からも一本でアクセスできるのが大きな利点です。

また、もうひとつの路線である東急世田谷線は、三軒茶屋駅を起点に下高井戸までを結ぶローカル線で、2両編成のレトロな車両が特徴です。のんびりとした風景を楽しみながら移動できる路線として、観光目的で乗る人にも人気があります。沿線には住宅地や昔ながらの商店街が多く、日常の風景に触れながらの移動が楽しめます。

バス路線も充実しており、渋谷駅・目黒駅・池尻大橋駅・下北沢駅などから直通の都バスや東急バスが頻繁に運行しています。時間帯や目的地によっては、電車よりもバスの方が便利な場合もあります。

車でのアクセスについては、周辺にコインパーキングが点在しているため短時間の滞在であれば利用しやすいものの、休日や夕方以降は混雑が予想されるため、公共交通機関の利用が推奨されます。

このように、三軒茶屋は都心と地元の暮らしが絶妙に融合した場所でありながら、アクセス面でも非常に優れているエリアです。散歩や買い物、カフェ巡りなど、ふと出かけたくなったときにすぐ足を運べる距離感が、多くの人を惹きつけている理由のひとつです。

最後に

三軒茶屋は、派手すぎず、かといって退屈でもない、ちょうど良い“抜け感”が魅力の街です。今回紹介したように、商店街や路地裏、神社や公園、図書館や美術館まで、時間の過ごし方にバリエーションが豊富で、気分や天気に合わせて自由に歩けるのが最大の魅力だといえるでしょう。

また、今回取り上げなかったスポットの中にも、たとえば「喫茶店セブン」のような、昭和レトロな雰囲気を色濃く残した喫茶店があったり、昼間から営業している個性派の立ち飲み屋があったりと、まだまだ紹介しきれない魅力がこの街にはたくさんあります。

予定が空いた休日の午後や、ふと気が向いた夕暮れ時に、なんとなく三茶まで足を運んでみる――そんな何気ない過ごし方がよく似合う街です。ぶらぶら歩いて、気になる店にふらっと入って、たまたま座ったベンチでぼんやりする。そんな過ごし方こそ、三軒茶屋という街の楽しみ方かもしれません。

「何かをする」ことよりも「何もしないことを楽しむ」ために。三軒茶屋は、そんな“ゆるやかな時間”を受け止めてくれる街です。日常に少し疲れたとき、気張らずに出かけられる場所として、ぜひ一度、足を運んでみてください。

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