万博記念公園で野鳥観察のススメ。観光やレジャーも楽しめるバードウォッチングスポットを360写真付きで紹介

万博記念公園の概要

大阪府吹田市にある万博記念公園は、かつて開催された大阪万博の跡地を整備して作られた公園です。公園のシンボルである『太陽の塔』は、日本を代表する芸術家の岡本太郎がデザインしました。

約260ヘクタールもある広大な敷地内には、

  • 日本庭園
  • 自然文化園
  • 国立民族学博物館
  • 万博記念競技場
  • 万博記念公園野球場
  • 万博テニスガーデン

など多くの文化施設やスポーツ施設があります。

さらにバーベキュー場や万博BEAST(アスレチック)などのアウトドア施設や、気温泉万博おゆばという日帰り温泉施設など、実に様々な施設が備わっていて、若いカップルから家族連れ、お年寄りまで幅広い層に人気があります。

また、万博記念公園は大阪を代表する観光地でもあり、府外からもたくさんの観光客が訪れ、週末ともなるとたくさんの人で賑わいます。

グルメフェスやアートイベント、自然観察などの体験型イベントなど毎週のように何かしらのイベントが開催されているのも魅力で、大阪を代表する一大レジャースポットといえる公園です。

万博記念公園は野鳥観察も楽しめる

万博記念公園の園内は施設が充実しているだけでなく、広い園内の各所に様々な木や草花が植樹されていて、とても緑豊かな公園でもあります。

また、園内には『夢の池』や『はす池・花しょうぶ田』、『水鳥の池』や『渡りの沼』など大小複数の池や湿地帯があり水辺も豊富です。

豊富な木々と水辺が揃っていることから野鳥が集まりやすく、野鳥観察にも最適な公園と言えるでしょう。

バードウォッチャーに人気のカワセミの他、ヤマガラやキセキレイなどの小鳥は一年を通して観察することができます。また、留鳥だけでなく夏はオオルリやキビタキなど色鮮やかな夏鳥に出会えたり、冬は越冬のために訪れたカモ類などで池が賑わったりと、季節ごとに違う顔を見せてくれるのも探鳥地としての魅力のひとつです。

なお、春夏秋冬一年を通して楽しめますが、木々の葉が落ちて野鳥を探しやすい冬が一番お勧めです。寒ささえ我慢すれば、より多くの野鳥を見つけることができます。

また、どの季節でも言えることですが、警戒心の強い野鳥も多いので人が少ない朝早い時間帯を狙うと良いでしょう。

万博記念公園で見られる野鳥

留鳥(一年を通して出会える鳥)

留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。

  • アオサギ
  • エナガ
  • オオタカ
  • カルガモ
  • カワウ
  • カワセミ
  • カワラヒワ
  • キセキレイ
  • コゲラ
  • コサギ
  • コブハクチョウ
  • シジュウカラ
  • セグロセキレイ
  • ダイサギ
  • ハクセキレイ
  • バン
  • ヒヨドリ
  • ホオジロ
  • ムクドリ
  • メジロ
  • モズ
  • ヤマガラ

エナガ

木の枝にとまるエナガ

エナガは柄杓の柄のような長い尾羽が特徴的な小さな鳥です。全長は尾羽を含めると13~14センチほどあり、また胴体の部分も羽が丸く膨らんでいるため実際より大きく見えますが、実際はとても小さい鳥で体重は8グラムほどしかありません。

スズメの体重が24グラムほどなので、スズメの半分以下の体重です。日本で一番小さい『キクイタダキ』の5グラムに次いで、日本で二番目に小さい鳥となっています。

キセキレイ

枝にとまっているキセキレイ

キセキレイは体長約20センチほどの野鳥で、スズメ目セキレイ科に属します。尾羽が長く体長の半分ほどを占め、いつもこの尾羽をフリフリと上下に動かす姿から、「石たたき」や「庭たたき」とも呼ばれます。

胸から腹部、お尻のほうにかけて黄色い羽毛で覆わているのが特徴で、特に夏場は黄色が鮮やかになり、見るものを魅了します。

群れは作らず単独かツガイで行動しています。渓流沿いで生活していることが多いので、水辺付近を探すと良いでしょう。

漂鳥

漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。

漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。

万博記念公園では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。

  • アオジ
  • オオバン
  • オシドリ
  • カイツブリ
  • シメ
  • トラツグミ
  • ニュウナイスズメ
  • ハイタカ
  • ビンズイ
  • ベニマシコ
  • マガモ
  • ルリビタキ
  • イカル
  • キクイタダキ

オオバン

水面を泳ぐオオバン

オオバンはツル目クイナ科の水鳥です。体長は40センチ弱あり、クイナの仲間では最大となっています。真っ黒い体に真っ白いクチバシとおでこというシンプルな配色が特徴的です。

足には水かきがあり水面を泳ぐのが得意です。水面近くにある水草の葉や種子を食べたり、潜水して水生植物の茎を食べたりします。また、雑食性で時には魚や昆虫を捕食することもあります。

シメ

シメは体長約18センチのスズメ目アトリ科の野鳥です。スズメよりも若干大きく、色は全身茶褐色がベースで翼の先が黒色となっています。

日本では夏場に北海道で繁殖を行い、寒い季節には本州に渡ってきて越冬します。カエデやムクノキなどの種子を主食としていますので、その付近を探すと良いでしょう。

鳴き声が「シー」と聞こえることから、鳥を意味する接尾語である「メ」からその名がついたと言われています。

夏鳥

夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。

  • アカハラ
  • エゾムシクイ
  • オオルリ
  • キビタキ
  • コサメビタキ
  • コシアカツバメ
  • コチドリ
  • センダイムシクイ
  • ツバメ
  • メボソムシクイ
  • ヤブサメ

オオルリ

枝にとまっているオオルリ

オオルリは体長約16センチほどの野鳥です。メスは背中側が茶褐色で腹が白と地味なのに対し、オスはその名の通り背中側が濃い青(瑠璃色)に腹が白ととても美しい色を持っています。

夏場に日本に訪れ繁殖活動を行い、冬になると東南アジアなどに移動して越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってくる夏鳥です。

とても目立つ色をしていますが、木の高い場所にとまっていることが多く見つけるのが難しいと言われています。ゆっくりと「ピリーリー、ポィヒーリー、ピールリ、ピールリ、ジィ、ジィ」と美しい特徴的なさえずりをしますので、声を頼りに探してみると良いでしょう。

コチドリ

地面に降りてきたコチドリ

コチドリは体長約16センチほどの、日本に生息するチドリの仲間では最も小さい野鳥です。成鳥は頭部と背中が茶色、腹が白色で、首周りと顔の一部が黒と特徴的な色となっています。また、目の周りには黄色い輪があるのも特徴です。

動物食の鳥で、昆虫やミミズなどを食べる他、浅い水辺に入って水中の昆虫を捕食することもあります。

日本では夏鳥で、夏に本州や九州、四国などで繁殖を行い、越冬のため冬は海外へと渡ります。

冬鳥

冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。

  • アトリ
  • オカヨシガモ
  • オジロビタキ
  • キンクロハジロ
  • コガモ
  • ジョウビタキ
  • シロハラ
  • ツグミ
  • ニシオジロビタキ
  • ヒドリガモ
  • ヒレンジャク

キンクロハジロ

水面に浮かぶキンクロハジロ

キンクロハジロは体長40~45センチほどの、カモ目カモ科に属する野鳥です。

カモの仲間ですが名前にカモは入っておらず、目の周りが黄色、頭部や背中、胸が黒、腹や翼の一部が白というオスの見た目が名前の由来となっています。なお、メスはオスに対して地味な色で体全体が茶褐色です。

夏場にシベリアやヨーロッパの北部など北の地域で繁殖活動を行い、冬に日本等に飛来して越冬します。水に潜って小魚を捕食したり、飛び立つ際に水面を除草するなど見るものを楽しませてくれる野鳥となっています。

ヒレンジャク

枝に止まって背を向けるヒレンジャク

ヒレンジャクは体調18~19センチほどの鳥で、体の色は赤茶がかった淡褐色がベースですが、翼の先端部は黒や灰色、尾っぽの先は赤いのが特徴となっています。また、頭部には冠羽があるのも特徴のひとつです。

シベリアや中国北東部で繁殖していますが、自然環境の悪化で絶滅が危惧されています。日本には冬鳥として越冬のために飛来してきます。繁殖期は昆虫食ですが、日本に飛来してくるタイミングでは果実類を好んで食べるようになります。

日本に飛来してくる個体数は少なく、バードウォッチャーにとっては希少性の高い野鳥と言えるでしょう。

旅鳥

枝に止まるエゾビタキ

旅鳥とは夏に日本より北の地域で繁殖し、冬は日本より下の地域に渡り越冬する野鳥で、渡りの途中で日本に立ち寄る渡り鳥です。

旅鳥は基本、春と秋に飛来してきますが、どちらか一方の季節だけに飛来してくるケースもあります。

万博記念公園には『エゾビタキ』や『ヤツガシラ』などの旅鳥が飛来してくることがあります。

万博記念公園へのアクセス

万博記念公園の場所(地図)

電車

最寄り駅は大阪モノレールの『万博記念公園駅』または『公園東口駅』で、いずれも公園に隣接した駅となっています。どのエリアから回りたいかによって利用する駅を選びましょう。

車・駐車場

吹田インターチェンジもしくは中国吹田インターチェンジが最寄りのインターチェンジです。

なお、万博記念公園には

  • 中央駐車場
  • 南駐車場
  • 東駐車場
  • 西駐車場
  • 日本庭園前駐車場

と複数の規模の大きな駐車場が備わっています。普通車の駐車料金はいずれも

  • 平日
    2時間まで:410円
    2時間超3時間まで:620円
    3時間超4時間まで:830円
    4時間超 24時間まで:1,100円
  • 土日祝
    2時間まで:620円
    2時間超3時間まで:930円
    3時間超4時間まで:1,240円
    4時間超 24時間まで:1,600円

となっています。

万博記念公園の野鳥に関するみんなのツイート

大阪府内のその他バードウォッチングスポット

万博記念公園のある大阪府には、魅力的なバードウォッチングスポットがまだまだたくさんあります。

西日本最大の都市として名高い大阪ですが、郊外はもちろん市街地にも緑が豊富な公園があるなど、意外にも野鳥観察に最適なスポットが豊富です。雑木林だけでなく池や湿地帯を有した公園も多く、見られる野鳥の種類も豊富なスポットが多く点在しています。

また、大阪は公共の交通機関が発達しているため、気軽にアクセスできるバードウォッチングスポットが多いのも特徴のひとつです。

以下の記事では、大阪府内にあるたくさんの探鳥地の中から初心者でも野鳥観察が楽しみやすい場所を厳選して紹介しています。

大阪でバードウォッチングをする際にはぜひ参考にしてください。
大阪府内の野鳥観察スポット11選!初心者でもバードウォッチングが楽しみやすい公園を中心に360写真付きで紹介

万博記念公園の基本情報

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