五反田ってどんな街?
五反田という名前を聞くと、どんなイメージが浮かびますか?山手線沿線の一つとして知ってはいても、降りたことがないという人も少なくないかもしれません。でも実は、五反田はとても“使い勝手のいい街”なんです。オフィスビルと住宅がバランスよく共存し、少し歩けば公園や神社もあって、都心にいながらほっとひと息つける空気感が漂っています。
もともとは東急池上線の開通によって発展し、その後JRや都営線の乗り入れで交通の要所となった五反田。近年では再開発も進み、駅前には高層ビルやおしゃれなカフェが立ち並ぶ一方、少し裏手に回れば、昔ながらの商店やローカルな定食屋も健在です。この新旧のバランスが、五反田の大きな魅力と言えるでしょう。
また、目黒川が近くを流れており、春には桜並木が美しい名所にもなります。川沿いをのんびり歩いていると、都会の喧騒を一瞬忘れてしまうほど。実際に散歩好きの私としては、よく家族と訪れるお気に入りのエリアでもあります。
そして五反田のもうひとつの顔が「アクセスの良さ」。これについては改めて詳しく触れますが、どこから来ても行きやすく、そして帰りやすいのが特徴です。何かのついでに立ち寄るのもアリですし、あえて目的地にしても損はありません。
五反田には「この街、ちょっと好きかも」と思わせるような、さりげない魅力がたくさん詰まっています。派手すぎず、地味すぎず、その“ちょうどよさ”が散歩や暇つぶしにぴったりなのです。
五反田でぶらぶらできる暇つぶしスポット
五反田の魅力は駅前のにぎわいだけではありません。少し足をのばせば、静かな神社や風情ある庭園、美術館などが点在していて、ちょっとした暇つぶしにぴったりのスポットがたくさんあります。
薬師寺東京別院
まず紹介したいのが「薬師寺東京別院」。奈良に本山を構える薬師寺の東京別院で、JR五反田駅から徒歩10分ほどの場所にあります。高層ビルが立ち並ぶ一角に、ひっそりとたたずむこの寺院は、都会のざわめきから離れて心を落ち着けられる場所です。
境内はそれほど広くはありませんが、手入れが行き届いていて、歩いているだけで心が整っていくような清らかさがあります。そしてここでぜひ体験してほしいのが、写経です。誰でも参加できる写経の会が定期的に開かれていて、心を静めながら一文字一文字に向き合う時間は、日常をリセットするのにぴったりです。
写経というと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、薬師寺東京別院では初心者も気軽に参加できるように案内が用意されており、初めてでも安心です。筆ペンでゆっくりと文字をなぞるだけでも、不思議と気持ちが落ち着いてきます。
駅から近く、空いた時間でふらりと立ち寄れる場所ですが、帰る頃には少し背筋が伸びたような、そんな感覚になる場所でもあります。静けさと癒しの時間を持ちたい方には、特におすすめです。
本立寺
続いては「本立寺(ほんりゅうじ)」。こちらは日蓮宗のお寺で、五反田駅の北側、山手通りを少し入った住宅街の中にあります。境内には立派な本堂と、心が落ち着くような緑が広がっており、ふとした寄り道にもぴったりです。
特筆すべきは、春になると境内の桜が見事に咲き誇ること。地元の人に愛されている小さなお花見スポットとしても知られています。五反田に住んでいないと意外と見落としがちな、静かな魅力を持つお寺です。
荏原金刀比羅神社
「荏原金刀比羅(えはらことひら)神社」は、五反田駅から徒歩15分ほど、住宅街の中にたたずむ神社です。香川県の金刀比羅宮を本宮とする神社で、古くから地元の人に親しまれてきました。
境内には大きな鳥居や立派な本殿があり、神聖な空気が漂っています。実は私もふらりと立ち寄って、木陰のベンチでしばらくぼんやり過ごしたことがあるのですが、ちょっと疲れた時にはこういう場所が本当にありがたいものです。人が少ないので、ゆっくりと深呼吸したい時にもおすすめです。
三柱神社
五反田駅から歩いて行ける範囲にある「三柱(みはしら)神社」は、住宅地の中にある小さな神社です。名前の通り、三柱の神様を祀っており、地域に根ざした信仰の場として親しまれています。
境内はこぢんまりとしていますが、手入れが行き届いていて、気持ちの良い空気が流れています。派手さはありませんが、足を止めてお参りすると、心がスッと落ち着くような気がします。こういう“地元密着型”の神社をめぐるのも、散歩の醍醐味ですよね。
東京都庭園美術館
最後に紹介するのは、五反田から徒歩20分ほど、または隣の白金台駅からすぐの場所にある「東京都庭園美術館」。アール・デコ様式の建物をそのまま美術館として活用しており、建物そのものが芸術作品のようです。
館内では定期的に企画展が開催されており、ジャンルも多彩。展示を見るのはもちろんですが、庭園がまた見事で、四季折々の景色を楽しむことができます。緑に囲まれた遊歩道を歩いていると、都心にいることを忘れてしまうほど。芸術と自然、両方に触れられる貴重なスポットです。
東京デザインセンター
五反田駅の東口から徒歩すぐ、ひときわ目を引くガラス張りのビルが「東京デザインセンター」です。インテリアや建築、ファッションなど、デザインに特化した複合施設として知られています。普段あまりなじみがないジャンルかもしれませんが、建物内を歩いているだけでも、創造性に触れられる不思議な空間です。
ビルの中にはインテリアショールームやデザイン関連の企業オフィスが入っていて、一般の人でも見学できるスペースもあります。エントランスホールにはアート作品が展示されていることもあり、ちょっとした美術館のような雰囲気が漂います。
建物の裏側には「アトリウムガーデン」と呼ばれる開放的な中庭があり、晴れた日にはここでぼんやりするのもおすすめです。人通りが少なく静かなので、街歩きの途中に立ち寄るにはぴったりの場所です。
安養院美術館
住宅街にひっそりと佇む「安養院美術館」は、知る人ぞ知るプライベート美術館です。お寺「安養院」に併設されており、仏教美術や書画など、静かな美の世界に浸れる場所として密かに人気があります。
館内はそれほど広くありませんが、その分、作品ひとつひとつと丁寧に向き合える構成になっています。来館者も多くはないため、ゆったりとした時間が流れていて、まさに“隠れた暇つぶしスポット”といった雰囲気です。
こうした小さな美術館は、規模の大きな施設では得られない親密さがあります。展示の内容も定期的に入れ替わるため、訪れるたびに新しい発見があるのも魅力です。
池田山公園
「池田山公園」は、五反田駅から徒歩10分ほどの高台にあります。もともとは岡山藩池田家の下屋敷があった場所で、今では静寂に包まれた日本庭園として一般に公開されています。
池を中心に広がる園内は、池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)と呼ばれる造りになっていて、小道を歩きながら景色の変化を楽しめるようになっています。紅葉の季節には、色づいた木々が池に映り込み、とても美しい光景が広がります。
周囲は高級住宅地で静けさがあり、訪れる人も少なめ。ひとりで考え事をしたり、本を読んだりするのにもぴったりです。季節ごとに表情が変わるため、何度訪れても飽きることがありません。
五反田ふれあい水辺広場
目黒川沿いにある「五反田ふれあい水辺広場」は、気軽に立ち寄れるオープンスペースです。五反田駅からもアクセスしやすく、川沿いの遊歩道と芝生が広がる小さな広場は、ちょっとした休憩や散策に最適です。
春になると、目黒川沿いの桜が満開になり、この広場もお花見スポットとしてにぎわいます。ベンチに座って川の流れを眺めるもよし、テイクアウトのコーヒーを片手にひと休みするのも良い気分転換になります。
広場は整備されていて清潔感があり、日中は近くの会社員や親子連れが気ままに過ごしている光景も。風通しがよく、晴れた日には特に気持ちのいい場所です。
ネムの木の庭
「ネムの木の庭」は、五反田の街中にあるとは思えないような静かな緑の空間です。その名の通り、ネムの木をはじめとする多くの植物が植えられており、散歩の途中でふらりと立ち寄るのにぴったりの小さな庭園です。
この庭は、環境デザインを意識してつくられたもので、自然と建築の調和が感じられる設計になっています。人工的なビル街に疲れたとき、ふとこの庭に立ち寄ると、心がスッとほぐれていくような気がします。
人が少なく静かなので、ひとり時間を大切にしたいときにはうってつけ。春から夏にかけては、淡いピンク色のネムの花が咲き、目にもやさしい彩りを添えてくれます。
目黒川の桜並木
五反田といえばやはり外せないのが「目黒川の桜並木」です。春になると、川沿いの両岸に咲き誇る桜がトンネルのように頭上を覆い、都内屈指の花見スポットとして多くの人でにぎわいます。
特に五反田駅周辺から中目黒方面へと続く遊歩道は、比較的混雑が少なく、ゆっくりと桜を楽しめる穴場的なエリア。川面に映る桜と、時折吹く風に舞い散る花びらの風景は、まるで映画のワンシーンのようです。
花の時期以外でも、緑が豊かな川沿いは散歩にぴったりで、ジョギングをする人やペットの散歩を楽しむ姿もよく見かけます。どの季節でも、五反田らしいゆるやかな時間を感じられる場所です。
西五反田公園
「西五反田公園」は、五反田駅の西側、オフィス街の一角にある中規模の公園です。周囲はビルが立ち並ぶエリアですが、公園の中に一歩入ると、不思議なくらい静けさに包まれます。
ベンチの数が多く、木陰も豊かなので、お弁当を広げたり、読書をしたりと過ごし方は自由自在。お昼休みに近くの会社員が一息ついている姿もよく見かけます。都会のオアシスという言葉がぴったりな場所です。
遊具も設置されていて、家族連れも多いため、お子さんがいる方にもおすすめです。高層ビルの谷間で自然に触れられる、ちょっとした息抜きスポットになっています。
五反田南公園
五反田駅の南側に位置する「五反田南公園」は、住宅街の中にある落ち着いた雰囲気の公園です。小規模ながらよく整備されており、近所の人たちに親しまれています。
この公園の魅力は、視界がひらけていて明るいこと。高い建物に囲まれていないため、日差しがしっかり差し込み、暖かい季節には特に気持ちのいい空間になります。園内には小さな花壇もあり、手入れの行き届いた草花が四季折々の彩りを添えてくれます。
人の出入りも比較的少ないので、散歩の途中でふらっと立ち寄って、ぼんやり過ごすには最適な場所です。
五反田公園
駅から徒歩数分、アクセス抜群の場所にある「五反田公園」は、五反田の街中にありながら自然を感じられる身近な憩いの場です。広々とした敷地に芝生エリアや遊具が整備されており、平日は近くの保育園児や小学生の姿も多く見られます。
地元の人たちにとっては“当たり前にある場所”ですが、実は初めて訪れる人にとっても居心地のいい空間。ベンチに座って行き交う人を眺めたり、木々を見上げたりと、静かな時間を楽しむのにぴったりです。
五反田のような都心部ではこういった公園が貴重で、ひと休みしたい時の強い味方になります。
谷山公園
「谷山(ややま)公園」は、少し駅から離れた住宅街の中にある小さな公園です。地元の人にもあまり知られていない穴場的な存在で、静かな時間が流れています。
こじんまりとしたスペースながら、ちょっと腰掛けて休憩するには十分。人の気配が少なく、周囲の音も穏やかなので、まるで“時間がゆっくり進んでいる”かのような感覚になります。
こうした何気ない公園こそ、ぶらぶら歩きの途中に見つけると嬉しくなるものです。あえて目的地にせず、「あ、こんなところにあったんだ」と寄り道気分で立ち寄ってみるのも散歩の楽しさのひとつです。
御成橋公園
「御成橋(おなりばし)公園」は、五反田駅から徒歩数分、目黒川にほど近い場所にあります。川沿いの静かな住宅地にあり、知名度は高くないものの、地域に密着した落ち着きのある公園です。
特徴は、開けた広場と遊具のバランスの良さ。子ども連れのファミリーが遊んでいたり、散歩途中の人がベンチで一息ついていたりと、のどかな風景が広がっています。春には近くの目黒川の桜を眺めながら、公園でゆっくり過ごすこともできます。
アクセスが良く、五反田の街歩きの途中でふらっと立ち寄れるのも魅力。特に川沿いの散歩ルートと組み合わせると、のんびりしたひとときが過ごせます。
五反田東急スクエア
「五反田東急スクエア」は、五反田駅直結のショッピング施設で、雨の日や暑い季節、寒い季節の暇つぶしにはぴったりの場所です。飲食店、雑貨、ファッション、書店などがコンパクトにまとまっていて、駅ビルらしい気軽さがあります。
何かを買うつもりがなくても、ぶらぶらとウィンドウショッピングするだけでも意外と楽しめます。地下の食品フロアでは、ちょっと珍しいお惣菜やスイーツにも出会えることがあり、手土産探しにも便利です。
カフェやベンチスペースもあるため、買い物の合間に一息つく場所にも困りません。五反田で時間をつぶすなら、まず立ち寄って損のないスポットです。
五反田TOCビル
五反田駅から徒歩10分ほどの場所にある「五反田TOCビル」は、昭和レトロな雰囲気が残る大型商業施設です。かつては「東京卸売りセンター」として親しまれてきたこのビルには、アパレルのアウトレット店や雑貨屋、飲食店が並び、思いがけない掘り出し物に出会えることもあります。
ビル内は迷路のように広く、目的もなくふらっと歩いているだけでも時間があっという間に過ぎていきます。ときどきイベントや催事も開かれていて、訪れるたびに違う表情を見せてくれるのも面白いところです。
ちょっと懐かしい雰囲気が漂うこの場所は、“昔ながらのデパート”の空気感を今も残していて、昭和好きにはたまらないはずです。
戸越銀座商店街
五反田駅から徒歩20分ほど、もしくは東急池上線でひと駅の「戸越銀座商店街」は、都内屈指の活気あふれる商店街です。全長1.3kmにもおよぶこの商店街には、昔ながらの惣菜屋や新しいカフェ、ユニークな専門店まで多種多様なお店が軒を連ねています。
名物の「戸越銀座コロッケ」を片手にぶらぶら歩けば、それだけでちょっとした観光気分。気取らない価格帯のお店が多く、ついつい食べ歩きしてしまいます。
地元密着型の温かい雰囲気があって、人と人との距離感がちょうどいいのも魅力です。ひとりでも、家族とでも楽しめる、散歩好きにはたまらない場所と言えるでしょう。
大崎ニューシティ
五反田駅から歩いて行ける距離にある「大崎ニューシティ」は、大崎駅直結の複合施設です。ショッピングやレストラン、カフェなどが集まっていて、駅ビルのような使いやすさがあります。
一見オフィスビルのようにも見えますが、中に入ってみると落ち着いた空間が広がっていて、ちょっと大人な雰囲気が感じられます。カフェでのんびり過ごすも良し、書店で気になる本を立ち読みするも良し。天気に左右されずに時間を過ごせるのがうれしいところです。
また、周辺には整備された遊歩道や緑地もあり、施設の中と外を行き来しながらゆったり散策を楽しめます。あまり人混みが得意ではない人には、穴場的な存在になるかもしれません。
五反田へのアクセス
五反田は東京都品川区に位置し、交通の利便性に優れた街として知られています。JR山手線、都営浅草線、東急池上線の3路線が乗り入れており、都内の主要エリアからのアクセスが非常にスムーズです。
まず、最も使う人が多いのがJR山手線です。新宿や渋谷、池袋といった都内の主要ターミナル駅からも乗り換えなしでアクセスでき、新宿からはおよそ15分、渋谷からは約10分と非常に近い距離にあります。通勤や通学で利用している人も多いため、電車の本数も多く、待ち時間が少ないのがうれしいポイントです。
また、都営浅草線を使えば、羽田空港や成田空港方面からも1本でアクセスできるという強みがあります。旅行や出張の前後に時間が空いたときでも、五反田なら気軽に立ち寄ることができるのです。空港から来る途中にある街として、ちょっとした“時間調整スポット”としても機能してくれます。
さらに、東急池上線はローカル色の強い路線で、沿線には戸越銀座などの魅力的な商店街や住宅地が広がっています。短距離での移動に強く、五反田を起点に池上方面や蒲田方面へのプチ旅にも使えます。
駅周辺は道幅も広く、バスの便も良いため、目的地によってはバス移動も便利です。また、周辺は平坦な道が多いので、歩いての散策にも向いているエリアと言えるでしょう。
アクセスの良さは、暇つぶしの場所選びにおいて大きなポイントになります。どこからでも行きやすく、時間を読める五反田は、まさに“ふらっと寄れる都心のポケット”のような存在です。
最後に
五反田と聞くと、これまで「仕事帰りに通るだけ」とか「なんとなく降りたことがない駅」という印象だった方もいるかもしれません。でも実際に歩いてみると、自然もあれば文化もあって、時間をつぶすにはちょうどいい、懐の深い街なんだと気づかされます。
今回ご紹介したのは、神社仏閣や美術館、公園や商業施設など、いわば“ぶらぶら派”の私が何度も足を運びたくなるようなスポットばかりです。ただ、それ以外にも五反田には魅力がたくさんあります。
たとえば、落ち着いたカフェで読書をしたり、コーヒー片手にテラス席でぼーっとしたり、雨の日にはカラオケやネットカフェに避難するというのも立派な暇つぶしです。駅周辺にはチェーン店から個人経営のこだわり店まで幅広くそろっているので、気分や天候に合わせて柔軟に選べるのもありがたいところですね。
私自身、五反田は“何か目的がなくても歩いて楽しい街”として、家族でもひとりでもよく訪れています。特に休日の昼下がり、ふと思い立って出かけるのにちょうどいい距離感と、程よい落ち着きが気に入っています。
もし今度、少し時間ができたら、五反田の駅を降りてぶらっと歩いてみてください。
何気ない路地や知らなかった神社、思わず長居したくなる公園との出会いが、きっと待っていると思います。
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