井の頭公園は野鳥の宝庫!アクセスもしやすい都内屈指のバードウォッチングスポットを360度写真付きで紹介

井の頭公園の概要

井の頭公園(正式名称:井の頭恩賜公園)は東京都武蔵野市と三鷹市にまたがる規模の大きな公園です。住みたい街として人気の『吉祥寺』のシンボルとして、多くの都民から親しまれています。

総面積約42ヘクタールの園内は大きく分けて

  • 外周約1.5kmの井の頭池とその周辺
  • 自然文化園(動物園・水生物園)のある御殿山地区
  • スポーツ施設やバードサンクチュアリのある西園
  • 静かな森や芝生広場のある第二公園

の4つのエリアで構成されています。

いずれも木々の多い自然豊かなエリアですが、井の頭池のある地区は低地となっているのに対し、御殿山周辺は高台で環境が異なり、様々な種類の動植物を観察することができます。

また、神田川の源流にもなっている井の頭池はたくさんの動植物の命を育んでいるだけでなく、江戸時代には江戸を支える水源として人々の暮らしを支えてきました。善福寺池や石神井公園の三宝寺池とともに『武蔵野三大湧水池』としても知られています。

バードウォッチングスポットとしても人気!

井の頭公園は都会にありながら多くの自然が残るバードウォッチングのスポットとしても人気の高い公園です。

園内には野鳥生息地の保全を目的として人の立入りを禁止して管理されているバードサンクチュアリ(小鳥の森)も設けられています。バードサンクチュアリは単純に環境保全だけが目的ではなく、野鳥の観察などを通じて自然体験ができる施設としても機能していて、井の頭公園のバードサンクチュアリも人は入れないものの、観察する小窓が設置されているなど、野鳥観察ができるような施設です。

また、井の頭公園には豊富な水源を抱える井の頭池もあり、たくさんの水鳥が生息していたり渡り鳥が訪れたりするスポットにもなっています。

規模が大きく、低地や高台、水辺など多くの環境があるため、観察できる野鳥の種類が多いのも井の頭公園の魅力のひとつです。

駅からも近くてアクセスしやすく、手軽にバードウォッチングが楽しめますので、週末の少し空いた時間でバードウォッチングを楽しむのにも最適なスポットとなっています。

井の頭公園で見られる野鳥

留鳥(一年を通して出会える鳥)

留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。

  • アオゲラ
  • アオサギ
  • ウグイス
  • エナガ
  • オオタカ
  • オナガ
  • カイツブリ
  • カケス
  • カルガモ
  • カワウ
  • カワセミ
  • カワラバト
  • カワラヒワ
  • キジバト
  • キセキレイ
  • ゴイサギ
  • コゲラ
  • コサギ
  • シジュウカラ
  • スズメ
  • ソウシチョウ(外来種)
  • ハクセキレイ
  • ハシブトガラス
  • ハシボソガラス
  • バン
  • ヒヨドリ
  • ムクドリ
  • メジロ
  • モズ
  • ヤマガラ
  • ヤマセミ
  • ワカケホンセイインコ(外来種)

ゴイサギ

水辺に佇むゴイサギ

ゴイサギは体長60センチ前後のペリカン目サギ科に属する野鳥です。翼を広げると1メートル以上となり、バードウォッチングでは見ごたえのある野鳥として人気です。

夜行性の鳥で昼間は林の中や水辺近くの木の上でじっとしていることが多く、日が傾きかけた頃に池に訪れて小魚を捕食する姿が見られます。

日が落ちた夜には大きな声で「クワッ」っとカラスのように泣くことから、別名『ヨガラス(夜烏)』とも呼ばれています。

漂鳥

漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。

漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。

井の頭公園では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。

  • アオジ
  • オオバン
  • オシドリ
  • シメ
  • トラツグミ
  • マガモ
  • ルリビタキ

オシドリ

オシドリのツガイ

オシドリはオスの体長45センチ前後、メスが40センチほどでオスのほうが若干体の大きな水鳥です。体の大きさだけでなく、オスは少し派手な色彩となっているのに対し、メスは地味な色合いの鳥となっています。

「オシドリ夫婦」という言葉の由来にもなっていて、ツガイで行動していることが多く、その仲睦まじい姿からバードウォッチングの対象としても人気の高い野鳥です。

暖かい季節に北海道などの北の地域で繁殖を行い、冬場は本州以南に移動して越冬する漂鳥ですが、海外から渡ってくる冬鳥のオシドリもいるようです。

なお、昔に比べ井の頭公園にやってくるオシドリは数が減っていて、野生のオシドリを目にするのは稀なこととなっています。井の頭自然文化園では「オシドリ千羽計画」というプロジェクトを進めていて、飼育下でオシドリを増やして、繁殖した雛を毎年2月頃に井の頭池に放しています。

夏鳥

夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。

  • アカハラ
  • キビタキ
  • サンショウクイ
  • ツバメ
  • メボソムシクイ

キビタキ

枝にとまるキビタキ

キビタキは体長13~14センチほどの小さな野鳥です。メスは地味な色合いですが、オスは黒をベースとした翼に旨や頭の一部に黄色い羽毛を持ち、カラフルな姿でバードウォッチャーを楽しませてくれます。

昆虫を捕食するため雑木林を好んで住処にしていますので、雑木林を中心に探してみると良いでしょう。また、明け方にオスは縄張りを誇示するために美しい声を発します。鳴き声を頼りに探すのもコツのひとつです。

夏場に日本で繁殖を行ったキビタキは、冬の訪れとともに東南アジアへ渡り越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってきます。

冬鳥

冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。

  • アトリ
  • オカヨシガモ
  • オナガガモ
  • キンクロハジロ
  • コガモ
  • ジョウビタキ
  • シロハラ
  • ツグミ
  • ハシビロガモ
  • ヒドリガモ
  • ホシハジロ
  • ヨシガモ

オナガガモ

水面を泳ぐオナガガモのオス

オナガガモはその名の通り尾羽根が長いのが特徴的なカモです。ただし、尾羽根が長いのはオスのみで、メスはオスに比べて尾は短めとなっています。また、体長もオスは75センチほどまで成長するのに対し、メスは55センチほどと体格差もあります。

また、柄もメスは地味な色合いなのに比べ、オスは顔(頭部)が茶褐色ですが首から胸にかけて白い羽毛を持ち、派手ではありませんがユニークな模様を持つ水鳥となっています。

なお、夏場は局地に近いツンドラ地帯で繁殖を行い、冬に日本の本州以南で越冬する冬鳥です。

井の頭公園の野鳥観察ポイント

井の頭池

井の頭公園の東側にある約43万平方メートルの大きな池です。冒頭にも書いた通り神田川の源流として知られ、『武蔵野三大湧水池』のひとつに数えられています。

池の淵には桜(ソメイヨシノ)が植樹されていて、春の季節には花見のスポットとしても人気が高いエリアです。桜が咲くとメジロが花の蜜を吸いに訪れる姿を見ることができます。

また、定住しているカルガモの他、冬にはオカヨシガモやオナガガモ、ヒドリガモ、ヨシガモ、オシドリなどたくさんの種類のカモが井の頭池で冬を越します。カモの他にもゴイサギやカワセミなども池に訪れ、運が良ければ小さな魚を捕食する姿を見ることができるでしょう。

池にはスワンボートのサービスもありますので、都内有数の水鳥観察スポットとなっています。

バードサンクチュアリ(小鳥の森)

井の頭公園のバードサンクチュアリは公園の南西、西園と第二公園との間に位置しています。野鳥が過ごしやすい環境を保全するためにフェンスで囲まれ人は入ることができませんが、フェンス越しに野鳥を探すことができます。

また、バードサンクチュアリの北側にはフェンスの代わりに木製の壁が設けられた一画があり、壁には野鳥観察用の覗き窓が設けられています。水場などが設けられていて、小鳥たちを観察しやすい環境が整えられていますので、バードウォッチングの際はぜひ立ち寄りたいスポットです。

バードサンクチュアリ内は中低木の他に藪なども生い茂っていて小鳥たちが身を隠しやすい場所です。ツグミやシロハラ、ルリビタキなどの小鳥たちの他、日本最小のタカ『ツミ』も生息しています。

井の頭自然文化園

井の頭自然文化園は井の頭公園の西側にある都立の動物園です。飼育されているため野鳥とは呼べませんが、鳥類も多数飼育されていて身近で鳥を観察することができます。

本園と分園に分かれていて、本園ではフクロウやミミズクなどの猛禽類、マナヅル、クロヅルなどが飼育されています。

井の頭池のほとりに作られた分園では、コウノトリや白鳥、オシドリやカモなどの水鳥を間近で観察することができます。また、様々な水鳥の「卵」の展示も行われていて、どのように生まれてくるのかを学習することも可能です。

井の頭公園でバードウォッチングをする際の注意点

井の頭公園でバードウォッチングを楽しむ際にカメラを片手に写真を撮る方も多くいるかと思いますが、井の頭公園で野鳥を撮影する際は公式サイトが掲載している以下の注意点を必ずご確認ください。

  • 営巣中(巣作り中含む)の巣(巣穴・巣箱・巣台などを含む)、およびその巣にいるヒナあるいはその巣に入ろうとしている親鳥の撮影はご遠慮ください。
  • 撮影を目的とした餌付けは禁止しています。
  • 撮影のために植物の移植や剪定、土砂や岩石の移動といった環境の改変は禁止しています。
  • 道で集団になっていたり、三脚を並べていたりすると、通行の妨げになります。三脚利用は可能ですが、通行の邪魔にならないよう撮影してください。公園利用上の支障になると判断した場合は、ご遠慮いただくことがあります。
  • 近隣の方々の生活や仕事を覗くような形にならないよう、レンズの向け方には注意して下さい。

出典:井の頭恩賜公園の公式サイト

井の頭公園へのアクセス

井の頭公園の場所(地図)

電車

JR中央線『吉祥寺』から徒歩5分と電車でのお出かけにも最適なバードウォッチングスポットです。京王井の頭線『井の頭公園』からは徒歩1分となっています。

車・駐車場

井の頭公園には『第一駐車場』『第二駐車場』と2つの駐車場が設けられていて、料金は

  • 最初の1時間400円
  • 以降30分毎に20円
  • 入庫後12時間の最大料金1,600円(繰り返し適用)

となっています。

ただし、土日祝日は混雑が予想されますので、周辺のコインパーキング情報も事前に調べておくと安心です。

井の頭公園の野鳥に関するみんなのツイート

東京都内のその他バードウォッチングスポット

井の頭公園のある東京には、まだまだたくさんのバードウォッチングスポットがあります。大都会であるにも関わらず、野鳥が生息できる自然が残された場所も点在していて、観察できる野鳥も意外に豊富です。

以下の記事では、東京都内にあるバードウォッチングスポットを厳選して紹介しています。

東京都内の野鳥観察スポット21選!バードウォッチングに最適な公園などを360度写真付きで紹介します

都内なのでアクセスの便は良く、また基本は公園など遊歩道が整備された歩きやすい場所となっていますので、バードウォッチング初心者でも気軽に野鳥観察を楽しめる環境ばかりです。

東京都内で野鳥観察をする場合は、ぜひご参考ください。

井の頭公園の基本情報

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