北本自然観察公園で野鳥観察のススメ。出会える野鳥の種類が豊富なバードウォッチングスポットを360度写真付きで紹介

北本自然観察公園の概要

北本自然観察公園-湿地帯の風景

北本自然観察公園は埼玉県北本市にある敷地面積32.9ヘクタールの大きな公園です。野生動植物の生息環境を守るために作られた荒川ビオトープの東側に位置し、ビオトープと共に荒川河川敷に広がる生態系維持の役割を担っています。

広い園内には遊具などはなく、敷地の殆どが雑木林や湿地帯など自然をそのまま活かした作りとなっていて、埼玉県に古くからある里地里山の自然をその目で見て楽しむことができます。

また、園内には『埼玉県自然学習センター』があり、自然学習指導員へ質問ができたり、展示解説にて北本自然観察公園内の自然について学んだりできる他、定期的に以前観察の体験イベントなども催されています。

北本自然観察公園は野生動物の宝庫

北本自然観察公園は緑がとても豊かでたくさんの野生植物を観察することができることに加え、様々な野生動物も暮らしていて、都会では目にすることのない貴重な野生動物に出会える可能性がある公園です。

水が綺麗で人工的な明かりの少ない場所が重要なホタルも生息していて、毎年6月中旬から8月中旬頃はホタルを観察することもできます。なお、北本自然観察公園で見られるのは『ヘイケボタル』という種類のホタルです。

その他にも、キツネが生息していることでも知られていて、2001年には繁殖も確認されたそうです。

北本自然観察公園は野鳥観察にも最適

北本自然観察公園にはたくさんの野生動植物が生息していますが、例に漏れず野鳥もたくさんいて、バードウォッチングのスポットとしても人気があります。

一年を通して見られる留鳥だけでなく、繁殖のために夏だけ訪れる夏鳥や越冬のために飛来する冬鳥などの渡り鳥も多く、一年を通して季節ごとの楽しみがあるバードウォッチングスポットとなっています。

園内には雑木林や草原だけでなく池や湿地帯など野鳥が好む環境が揃っていて、見られる野鳥の種類が方なところが魅力のひとつです。

埼玉県自然学習センターの南側にある『高尾の池』では、バードウォッチャーに人気のカワセミも高確率で出会える他、カモ類や見応えのあるサギの仲間なども観察することができます。

また、荒川の河川敷方面には桜の土手(城ヶ谷堤)もあり、開花の時期には花見をしながら密を吸いにおとずれるメジロなどを見ることも可能です。

なお、自然溢れる公園ですが園内には歩きやすい遊歩道がある他、湿地帯にはボードウォークが整備されていて、バードウォッチャー初心者やお年寄りの方でもバードウォッチングを楽しみやすい

定期的に埼玉県自然学習センター主催の野鳥観察会も開催されていますので、バードウォッチングに最適な公園となっています。

北本自然観察公園で見られる野鳥

留鳥(一年を通して出会える鳥)

留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。

  • アオゲラ
  • アオサギ
  • アカゲラ
  • イソシギ
  • ウグイス
  • エナガ
  • オオタカ
  • カケス
  • ガビチョウ(外来種)
  • カルガモ
  • カワウ
  • カワセミ
  • カワラヒワ
  • キジ
  • キジバト
  • キセキレイ
  • コゲラ
  • コサギ
  • コジュケイ
  • シジュウカラ
  • スズメ
  • セグロセキレイ
  • ダイサギ
  • チョウゲンボウ
  • ツミ
  • トビ
  • ハクセキレイ
  • ハシブトガラス
  • ハシボソガラス
  • バン
  • ヒメアマツバメ
  • ヒヨドリ
  • ホオジロ
  • ミソサザイ
  • ムクドリ
  • メジロ
  • モズ
  • ヤマガラ
  • リュウキュウサンショウクイ

カワラヒワ

カワラヒワは体長14センチほどで、スズメと同じくらいの大きさの野鳥です。茶褐色がベースの色で一見地味に見えますが、翼の一部が黄色い羽毛となっていて、飛び立つと黄色い模様が目立ちます。

雛には虫の幼虫を与えますが、成鳥は主に植物の種を好んで食べます。森や林だけでなく、街路樹や庭木などにも巣を作ることで知られています。

キセキレイ

枝にとまっているキセキレイ

キセキレイは体長約20センチほどの野鳥で、スズメ目セキレイ科に属します。尾羽が長く体長の半分ほどを占め、いつもこの尾羽をフリフリと上下に動かす姿から、「石たたき」や「庭たたき」とも呼ばれます。

胸から腹部、お尻のほうにかけて黄色い羽毛で覆わているのが特徴で、特に夏場は黄色が鮮やかになり、見るものを魅了します。

群れは作らず単独かツガイで行動しています。渓流沿いで生活していることが多いので、水辺付近を探すと良いでしょう。

漂鳥

漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。

漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。

北本自然観察公園では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。

  • アオジ
  • アリスイ
  • オオバン
  • カイツブリ
  • クイナ
  • シメ
  • トラツグミ
  • トラフズク
  • ノスリ
  • ハイタカ
  • ベニマシコ
  • マガモ
  • ルリビタキ
  • キクイタダキ

オオバン

水面を泳ぐオオバン

オオバンはツル目クイナ科の水鳥です。体長は40センチ弱あり、クイナの仲間では最大となっています。真っ黒い体に真っ白いクチバシとおでこというシンプルな配色が特徴的です。

足には水かきがあり水面を泳ぐのが得意です。水面近くにある水草の葉や種子を食べたり、潜水して水生植物の茎を食べたりします。また、雑食性で時には魚や昆虫を捕食することもあります。

シメ

シメは体長約18センチのスズメ目アトリ科の野鳥です。スズメよりも若干大きく、色は全身茶褐色がベースで翼の先が黒色となっています。

日本では夏場に北海道で繁殖を行い、寒い季節には本州に渡ってきて越冬します。カエデやムクノキなどの種子を主食としていますので、その付近を探すと良いでしょう。

鳴き声が「シー」と聞こえることから、鳥を意味する接尾語である「メ」からその名がついたと言われています。

夏鳥

夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。

  • アカハラ
  • オオヨシキリ
  • コサメビタキ
  • キビタキ
  • サシバ
  • ツバメ
  • ヨタカ

アカハラ

木の枝にとまるアカハラ

アカハラは成長だと全長24センチほどになる比較的大きな野鳥です。胸からお腹辺りまでオレンジ色の羽毛に覆われているのが名前の由来となっています。

明るく開けた場所で地上に降りてミミズや昆虫などを捕食します。

真夏の繁殖期には標高の高い場所で繁殖を行うため、北本自然観察公園でアカハラを探す場合は春がお勧めです。

キビタキ

枝にとまるキビタキ

キビタキは体長13~14センチほどの小さな野鳥です。メスは地味な色合いですが、オスは黒をベースとした翼に旨や頭の一部に黄色い羽毛を持ち、カラフルな姿でバードウォッチャーを楽しませてくれます。

昆虫を捕食するため雑木林を好んで住処にしていますので、雑木林を中心に探してみると良いでしょう。また、明け方にオスは縄張りを誇示するために美しい声を発します。鳴き声を頼りに探すのもコツのひとつです。

夏場に日本で繁殖を行ったキビタキは、冬の訪れとともに東南アジアへ渡り越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってきます。

冬鳥

冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。

  • アトリ
  • オカヨシガモ
  • オナガガモ
  • カシラダカ
  • キレンジャク
  • キンクロハジロ
  • コガモ
  • ジョウビタキ
  • シロハラ
  • タシギ
  • ツグミ
  • トモエガモ
  • ハシビロガモ
  • ハジロカイツブリ
  • ヒドリガモ
  • ホシハジロ
  • ミヤマホオジロ
  • ユリカモメ

ジョウビタキ

枝にとまっているジョウビタキ

ジョウビタキは全長約15センチほどの小さな野鳥です。

ベースの色は薄い茶色に、オスのみ頭が銀白色に顔部分が黒と比較的カラフルな羽毛を持っていますが、メスは翼の一部に白斑があるのみで地味な色味となっていてスズメに見間違えられることもあります。

夏にチベットやロシア極東などで繁殖を行い、冬になれると日本全国に渡り鳥としてやってきますが、近年は日本国内での繁殖も確認されています。

体の小さい鳥は群れることが多いのですが、こんおジョウビタキは群れを作らず単体で暮らしています。

ツグミ

地上に降りているツグミ

ツグミは全長約24センチの野鳥です。体調はムクドリと同じくらいですが、ムクドリに比べてスマートな体型となっています。

羽の部分は茶褐色で、お腹や胸側は白と黒のまだら模様が特徴。まだら模様が濃くはっきりとしている個体がオスで、逆に薄い個体がメスです。

地面に降りて餌となる昆虫を探す際に、両足でピョンピョン跳ねるように移動する姿から古くは跳馬とも呼ばれていました。

旅鳥

枝に止まるエゾビタキ

北本自然観察公園には旅鳥の『エゾビタキ』が飛来します。シベリアなどで夏を過ごし、越冬のためにフィリピンやニューギニアなどに南下する途中で立ち寄り、その姿を見せてくれます。

北本自然観察公園で野鳥観察をする際の注意点

北本自然観察公園では野鳥観察をする際のルールが定められていますので、バードウォッチングをする際は以下のルールを守って楽しみましょう。

  • 園路以外の場所は、一部の草原・梅林を除き立入禁止です。湿地帯など園路以外の場所には立ち入らないようにしましょう
  • 生き物を持ち込んだり、持ち出したりするのは禁止です(犬の散歩はリードをつけていればOKです)
  • ゴミな必ず持ち帰りましょう
  • 野鳥を含め、動物に餌を与えるのは禁止です
  • 野鳥をカメラで撮影する際に、三脚などは通行人の邪魔にならないよう配慮しましょう
  • 野鳥の撮影がしやすいように木や枝を切ったり、止まり木を置いたりするのは禁止です

公園は野鳥観察のためだけでなく様々な方が利用しますので、他の利用者に迷惑がかからないようルールやマナーは徹底して守ってください。

北本自然観察公園へのアクセス

北本自然観察公園の場所(地図)

電車・バス

最寄り駅はJR高崎線の『北本駅』ですが、駅から公園までは徒歩50分と距離があります。北本駅からはバスを利用すると良いでしょう。

乗車するバスは、北本駅西口のバス停1番乗り場から発車する『KI-11系統』または『KI-13系統』の『北里大学メディカルセンター行き』または『石戸蒲ザクラ入口』です。

降車するバス停は『自然観察公園前』で、バスに乗っている時間は約15分ほどとなります。

駐車場

北本公園には収容台数100台の規模の大きな駐車場が備わっています。無料で利用することができます。

北本自然観察公園の野鳥に関するみんなのツイート

埼玉県内のその他バードウォッチングスポット

北本自然観察公園のある埼玉県には、まだまだたくさんのバードウォッチングスポットがあります。

埼玉は海のない県として知られていますが、実は面積に占める河川の割合では日本一です。行政も『川の国埼玉』と銘打って、川の環境保護や再生事業に取り組んでいるため、野鳥が好む自然豊かな水辺が豊富で、野鳥観察に適したスポットが県内各所に存在しています。

都心からアクセスしやすく、気軽に野鳥観察が楽しめるスポットが多いのも埼玉の魅力のひとつと言えるでしょう。

以下の記事では、埼玉県の数あるバードウォッチングスポットの中から初心者でも楽しみやすい場所を厳選して紹介しています。

埼玉県内での探鳥の旅を楽しみたい方は、ぜひご参考ください。
埼玉県の野鳥観察スポット15選!初心者でもバードウォッチングが楽しめる公園などを中心に360度写真付きで紹介します

北本自然観察公園の基本情報

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