明治神宮の概要
明治神宮は東京都渋谷区にある神社です。1920年に創建され、明治天皇、昭憲皇太后が祀られた規模の大きな神社で、神域の総面積は73ヘクタール(約22万坪)と都内最大規模を誇ります。
都会の中心部にあり、初詣参拝客数は毎年全国1位となる他、観光スポットとしても人気が高く普段から多くの方が参拝に訪れる神社となっています。
また、明治神宮は『人工の森』に囲まれていることも特徴のひとつです。この地はもともと木がほとんど無い荒れ果てた不毛の地だったのですが、明治神宮創建の今から約100年前に3人の林学者によって鎮守の森を作る計画が行われ、全国から集った約10万本もの献木が植樹されました。
現在では渋谷や新宿といった日本を代表する都会に囲まれているにも関わらず、そこだけは空気の違いを感じらるほど自然が溢れる森へと成長しています。様々な種類の植物はもちろん、昆虫や狸などの動物も含め約3,000種もの命を育む森となっています。
バードウォッチングのスポットとしても人気
豊かな森へと成長した明治神宮の鎮守の森は、一年をと通してたくさんの野鳥を観察できるバードウォッチングのスポットとしても人気を博しています。
普段、都心部ではなかなか目にすることのないルリビタキやカワセミ、オオタカなど様々な種類の野鳥に出会うことができます。山手線の原宿駅から歩いてすぐの場所でアクセスもしやすく、バードウォッチング初心者でも手軽に楽しむことが可能です。
一歩入ると都会の喧騒から離れることができ、散策するだけでも癒されるスポットとなっていますので、少し空いた時間に双眼鏡片手に散策してみてはいかがでしょうか。
明治神宮で見られる野鳥
留鳥(一年を通して出会える鳥)
留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。
明治神宮で見られる留鳥は
- アオサギ
- ウグイス
- エナガ
- カルガモ
- カワセミ
- カワラバト
- カワラヒワ
- キジバト
- キセキレイ
- コゲラ
- シジュウカラ
- スズメ
- ツミ
- ハクセキレイ
- ハシブトガラス
- ハシボソガラス
- ヒヨドリ
- ムクドリ
- メジロ
- モズ
- ヤマガラ
- ワカケホンセイインコ(外来種)
などです。
カワセミ
カワセミは明治神宮でバードウォッチングをする方にとって人気の高い鳥の一種です。カワセミを漢字で書くと『翡翠』と書くのですが、宝石のヒスイはカワセミからその名が付けられています。カワセミ自体も別名『飛ぶ宝石』とも言われるほど美しい色を持つ鳥です。
体調は約17センチほどで体の大きさの割にクチバシが長いのが特徴的です。背中側は美しいコバルトブルーで、お腹側は鮮やかなオレンジ色となっています。
池や川の水辺の枝などにとまって獲物を探し、獲物が見つかるとスーッと水中に飛び込み小魚を捕まえます。枝などがない場合はホバリングした状態で獲物を探すこともあります。
エナガ
エナガは柄杓の柄のような長い尾羽が特徴的な小さな鳥です。全長は尾羽を含めると13~14センチほどあり、また胴体の部分も羽が丸く膨らんでいるため実際より大きく見えますが、実際はとても小さい鳥で体重は8グラムほどしかありません。
スズメの体重が24グラムほどなので、スズメの半分以下の体重です。日本で一番小さい『キクイタダキ』の5グラムに次いで、日本で二番目に小さい鳥となっています。
ベースは白色ですが、目の上と首の後ろ部分、翼の一部を尾羽根が黒色で、正面から見ると綿を丸めたよう丸い形でとても可愛らしい鳥です。
漂鳥
漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。
漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。
明治神宮では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。
明治神宮で見られる留鳥は
- アオジ
- オシドリ
- カイツブリ
- クロジ
- シメ
- トラツグミ
- ノスリ
- ハイタカ
- マガモ
- ルリビタキ
などが挙げられます。
ルリビタキ
ルリビタキは体調14センチほどの小さな野鳥です。
バードウォッチャーに人気の鳥で、中でも成長のオスは鮮やかな青い羽毛を持ち見るものを惹きつけます。幼鳥は緑褐色でメスは成長になっても緑褐色のままです。オスが立派な青色の羽毛を手に入れるまで2年以上かかります。
繁殖期以外は単独行動を行っていて、オスもメスも群れることはありません。縄張り意識が強く、その縄張りを見つけることができれば一度飛び去ってしまっても、また同じ場所に戻ってくることも多い鳥です。
夏鳥
夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。
明治神宮で出会える可能性がある夏鳥は
- アカハラ
- キビタキ
などです。
アカハラ
アカハラは成長だと全長24センチほどになる比較的大きな野鳥です。胸からお腹辺りまでオレンジ色の羽毛に覆われているのが名前の由来となっています。
明るく開けた場所で地上に降りてミミズや昆虫などを捕食します。
真夏の繁殖期には標高の高い場所で繁殖を行うため、明治神宮でアカハラを探す場合は春がお勧めです。
冬鳥
冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。
明治神宮で見られる冬鳥は
- キンクロハジロ
- コガモ
- ジョウビタキ
- シロハラ
- ツグミ
- ホシハジロ
などです。
ツグミ
ツグミは全長約24センチの野鳥です。体調はムクドリと同じくらいですが、ムクドリに比べてスマートな体型となっています。
羽の部分は茶褐色で、お腹や胸側は白と黒のまだら模様が特徴。まだら模様が濃くはっきりとしている個体がオスで、逆に薄い個体がメスです。
地面に降りて餌となる昆虫を探す際に、両足でピョンピョン跳ねるように移動する姿から古くは跳馬とも呼ばれていました。
明治神宮の野鳥観察ポイント
御苑
明治神宮の全域が自然豊かな森となっていますので、様々な場所で野鳥を観察することができますが、中でも御苑内は野鳥に出会える確率が高く、バードウォッチングをするならぜひ足を運びたいポイントです。ただし、御苑内に入るためには入園料500円が必要です。
料金が発生するので比較的人は少なく、警戒心の強い野鳥も観察しやすいメリットがあります。
また、御苑内に『南池』があり、水辺には野鳥も集まりやすくバードウォッチングのポイントとしては最適です。カワセミを見たい場合は南池を散策すると良いでしょう。
なお、御苑内では三脚の使用が禁止されていますので、野鳥の写真を撮る際はご注意下さい。
北池
明治神宮の北側、宝物殿の東隣に位置する池で、こちらもバードウォッチングのポイントとして人気があります。御苑とは違い入園料はかからずバードウォッチングを楽しむことが可能です。
北池ではカルガモやオシドリなどの水鳥の他、ルリビタキを探すポイントとしても最適です。
明治神宮へのアクセス
明治神宮の場所(地図)
電車
明治神宮は
- JR山手線、東京メトロ千代田線、副都心線の『原宿駅』徒歩1分
- 小田急線の『参宮橋駅』徒歩3分
- JR山手線、JRの中央線、都営大江戸線の『代々木駅』徒歩5分
- 東京メトロ副都心線『北参道駅』徒歩5分
など複数の駅と路線が利用でき、電車でお出かけするスポットとして最適です。
車・駐車場
最寄りのインターチェンジは首都高速道路4号新宿線の『代々木出IC』です。また、首都高速中央環状線の『初台南IC』や首都高速道路4号新宿線の『外苑IC』などからも近いです。
明治神宮には無料の駐車場が複数備わっています。バードウォッチングのスポットとして人気の御苑から一番近いのは『明治神宮第一駐車場』で宝物展示室にあります。ただし、収容台数は60台ほどで明治神宮の規模に比べるとキャパは小さく、土日祝日はすぐに満車となってしまいますので、ご注意下さい。
明治神宮の野鳥に関するみんなのツイート
今日はカイツブリとアオサギが撮れました!
カワセミを見かけたんだけど降り立ってくれなかった🥲#明治神宮 #野鳥 #野鳥撮影 pic.twitter.com/W1dM8iEzgN— くらっち🕊野鳥撮影初心者 (@Sh29dada) May 22, 2022
影の中で水面の反射光受けて光ってるカワセミ女子。美しすぎる♫#D500#サンヨン#カワセミ#野鳥 #明治神宮 #枝セミR pic.twitter.com/Wq30pvNCTS
— 壺屋 (@VaseShop) January 31, 2022
久々に明治神宮へ。ルリオスは今年もおらず。だがメスがいた。たぶん前から来ているメス。近いアオジも健在。クロジと思ったらカワラヒワだった。 pic.twitter.com/OIzviF0GlH
— あのに鱒 (@anony_masu) March 7, 2022
本日の探鳥結果です!@明治神宮
・ヤマガラ
・コゲラ
・カイツブリ
・オシドリ♀
・ツバメ
・スズメ
とにかくヤマガラフィーバーだった…至る所でヤマガラに声をかけられた…
あっ鳥の囀りが!どこだ!?→林から顔を出すヤマガラ
というのが5回以上あった#野鳥観察 #野鳥撮影 pic.twitter.com/1EhUmC8P44— かせん*8/14C100東4ユ48a (@emefo_bk) July 19, 2022
オオタカが何羽もいて、鳴き交わしてました。それに対してカラスも大騒ぎ。1枚目幼鳥、2枚目成鳥(何か獲物捕らえたっぽいところ)、3枚目若鳥?家族かな?
3枚目はハイタカにも見えてきて、判別が難しいです…#オオタカ #野鳥 #明治神宮 pic.twitter.com/zuoqR2P9j1— ヴォグ (@Voguchi) October 10, 2021
東京都内のその他バードウォッチングスポット
明治神宮のある東京には、まだまだたくさんのバードウォッチングスポットがあります。大都会であるにも関わらず、野鳥が生息できる自然が残された場所も点在していて、観察できる野鳥も意外に豊富です。
以下の記事では、東京都内にあるバードウォッチングスポットを厳選して紹介しています。
▶東京都内の野鳥観察スポット21選!バードウォッチングに最適な公園などを360度写真付きで紹介します
都内なのでアクセスの便は良く、また基本は公園など遊歩道が整備された歩きやすい場所となっていますので、バードウォッチング初心者でも気軽に野鳥観察を楽しめる環境ばかりです。
東京都内で野鳥観察をする場合は、ぜひご参考ください。
明治神宮の基本情報
- 住所:代々木神園町1-1(カーナビは「代々木1-1-2」を入力)
- 電話番号:03-3379-5511(御苑の電話番号)
- 御苑の開園時間
3月~10月:9時~16時30分
11月~2月:9時~16時
※6月のみ8時~17時(土日は18時まで) - 閉園日:なし
- トイレ:あり
- 駐車場:あり
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