秋ヶ瀬公園で野鳥観察のススメ。埼玉で最大規模のバードウォッチングスポットを360度写真付きで紹介

秋ヶ瀬公園の概要

秋ヶ瀬公園は埼玉県さいたま市桜区にある県営の公園です。秋ヶ瀬公園を挟んで西側には荒川、東側には鴨川が流れています。

荒川に架かる羽根倉橋と秋ヶ瀬橋との間に位置し、長さは約3km、敷地面積は約100ヘクタールと埼玉県営の公園としては最大規模を誇ります。今後さらに163.7ヘクタールまで拡張されることが都市計画で決定されています。

広い園内には

  • 野球場
  • ソフトボール場
  • サッカー場
  • ラグビー場
  • テニスコート

などのスポーツ施設が充実している他、バーベキュー広場もありレジャースポットとしても利用される公園です。

また、

  • 子供の森
  • ピクニックの森
  • 芝生広場
  • 野鳥の森

など自然溢れるスポットとなっています。

なお、普段は都市公園として利用されていますが、荒川が氾濫した場合は遊水地・貯水池としての役割も担う、地域住民の生活を守る公園でもあります。

秋ヶ瀬公園は野鳥観察にも最適!

秋ヶ瀬公園には大小様々な木々が植樹され森を形成している他、野鳥園や野鳥の森には水辺もあります。野鳥が生息しやすい環境が揃っていて、野鳥観察にも最適な公園となっています。

園内全域が野鳥観察スポットですが、特に野鳥園や野鳥の森はその名の通り多くの野鳥が訪れます。見られる野鳥の種類はとても多く、留鳥だけでなく夏鳥や冬鳥などの渡り鳥も多く飛来してきますので、一年を通して季節ごとに楽しめるのが魅力のひとつです。

中でも3月~4月にキレンジャクやヒレンジャクが越冬するために訪れることで知られていて、目撃情報が出るとたくさんのバードウォッチャーが写真に収めようと秋ヶ瀬公園に足を運びます。ヒレンジャクは『ヤドリギ』の実が好物なので、まずは園内を回ってヤドリギを探してみると出会える確率が上がります。

また、秋ヶ瀬公園はフクロウが営巣(繁殖)をする場所としても有名です。フクロウの繁殖期となる2月~4月は、フクロウの環境を守るために一部の区域が立入禁止となることもあります。フクロウを見たい場合は巣立ちの時期となる5月に訪れてみると良いでしょう。

なお、園内の森には歩きやすい遊歩道が設けられていて、バードウォッチング初心者や年配の方でも野鳥観察がしやすい環境が整っています。とても広いことに加え、近隣の荒川河川敷でも野鳥観察ができ、一日中バードウォッチングを楽しんでも飽きないスポットです。

秋ヶ瀬公園で見られる野鳥

留鳥(一年を通して出会える鳥)

留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。

  • アオゲラ
  • アオサギ
  • アカゲラ
  • ウグイス
  • エナガ
  • オオタカ
  • オナガ
  • カケス
  • ガビチョウ
  • カルガモ
  • カワウ
  • カワセミ
  • カワラバト
  • カワラヒワ
  • キジ
  • キジバト
  • キセキレイ
  • ゴイサギ
  • コゲラ
  • シジュウカラ
  • スズメ
  • ダイサギ
  • チョウゲンボウ
  • ツミ
  • トビ
  • ハクセキレイ
  • ハシブトガラス
  • ハシボソガラス
  • ヒバリ
  • ヒヨドリ
  • フクロウ
  • ホオジロ
  • ムクドリ
  • メジロ
  • モズ
  • ヤマガラ

カワラヒワ

カワラヒワは体長14センチほどで、スズメと同じくらいの大きさの野鳥です。茶褐色がベースの色で一見地味に見えますが、翼の一部が黄色い羽毛となっていて、飛び立つと黄色い模様が目立ちます。

雛には虫の幼虫を与えますが、成鳥は主に植物の種を好んで食べます。森や林だけでなく、街路樹や庭木などにも巣を作ることで知られています。

ハクセキレイ

ハクセキレイ

ハクセキレイは体長約21センチほどの野鳥です。スマートな体型をしていて、尾羽根が少し長いのが特徴となっています。

頭部から背中にかけて黒色もしくは灰色で腹部は白色で、首元にも黒色が入っています。雄の夏羽は黒色となりコントラストがはっきりとします。

昔、関東では冬鳥として知られていましたが、繁殖地が南下し1970年代以降は東京での繁殖も確認され留鳥となっています。

漂鳥

漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。

漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。

秋ヶ瀬公園では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。

  • アオジ
  • オオバン
  • カイツブリ
  • シメ
  • トラツグミ
  • ノスリ
  • ベニマシコ
  • マガモ
  • ルリビタキ
  • イカル
  • キクイタダキ

シメ

シメは体長約18センチのスズメ目アトリ科の野鳥です。スズメよりも若干大きく、色は全身茶褐色がベースで翼の先が黒色となっています。

日本では夏場に北海道で繁殖を行い、寒い季節には本州に渡ってきて越冬します。カエデやムクノキなどの種子を主食としていますので、その付近を探すと良いでしょう。

鳴き声が「シー」と聞こえることから、鳥を意味する接尾語である「メ」からその名がついたと言われています。

トラツグミ

地面に降りているトラツグミの後ろ姿

トラツグミは体長約30センチほどのスズメ目ツグミ科に属する野鳥です。羽毛の色は黄褐色をベースに黒い鱗状の斑がまんべんなく入っていて、トラの模様を連想させる色味となっています。

山地で繁殖を行い、冬は積雪のない地域へと移動します。冬場は市街地の公園などでも見ることができます。

雑食性で、地面に降りて落ち葉をかき分けてミミズなどを捕食します。

夏鳥

夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。

  • アカショウビン
  • アカハラ
  • オオヨシキリ
  • キビタキ
  • コサメビタキ
  • コマドリ
  • サメビタキ
  • サンコウチョウ
  • チュウサギ
  • ツツドリ
  • ツバメ

キビタキ

木の枝にとまるキビタキ

キビタキは体長13~14センチほどの小さな野鳥です。メスは地味な色合いですが、オスは黒をベースとした翼に旨や頭の一部に黄色い羽毛を持ち、カラフルな姿でバードウォッチャーを楽しませてくれます。

昆虫を捕食するため雑木林を好んで住処にしていますので、雑木林を中心に探してみると良いでしょう。また、明け方にオスは縄張りを誇示するために美しい声を発します。鳴き声を頼りに探すのもコツのひとつです。

夏場に日本で繁殖を行ったキビタキは、冬の訪れとともに東南アジアへ渡り越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってきます。

ツツドリ

毛虫を加えているツツドリ

ツツドリは体調約33センチほどの鳥で、ホトトギス目ホトトギス科に分類され大きさは異なりますがホトトギスに姿形が似ています。

繁殖期のオスは「ポポ、ポポ」や「ポポッ、ポポッ」と特徴的な鳴き声で、この筒を叩くような鳴き声が名前の由来となっています。

カッコウやホトトギスと同じく、他の種類の鳥の巣に卵を生み、その巣の主に自分の卵と雛の世話をさせる托卵性の鳥です。

毛虫を好んで食べるので、毛虫が付きやすいサクラの木などを中心に探すと見つけやすいでしょう。

冬鳥

冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。

  • アトリ
  • カシラダカ
  • キレンジャク
  • コガモ
  • コミミズク
  • ジョウビタキ
  • シロハラ
  • タゲリ
  • タヒバリ
  • ツグミ
  • ハシビロガモ
  • ヒレンジャク
  • マヒワ

ジョウビタキ

枝にとまっているジョウビタキ

ジョウビタキは全長約15センチほどの小さな野鳥です。

ベースの色は薄い茶色に、オスのみ頭が銀白色に顔部分が黒と比較的カラフルな羽毛を持っていますが、メスは翼の一部に白斑があるのみで地味な色味となっていてスズメに見間違えられることもあります。

夏にチベットやロシア極東などで繁殖を行い、冬になれると日本全国に渡り鳥としてやってきますが、近年は日本国内での繁殖も確認されています。

体の小さい鳥は群れることが多いのですが、こんおジョウビタキは群れを作らず単体で暮らしています。

ヒレンジャク

枝に止まって背を向けるヒレンジャク

ヒレンジャクは体調18~19センチほどの鳥で、体の色は赤茶がかった淡褐色がベースですが、翼の先端部は黒や灰色、尾っぽの先は赤いのが特徴となっています。また、頭部には冠羽があるのも特徴のひとつです。

シベリアや中国北東部で繁殖していますが、自然環境の悪化で絶滅が危惧されています。日本には冬鳥として越冬のために飛来してきます。繁殖期は昆虫食ですが、日本に飛来してくるタイミングでは果実類を好んで食べるようになります。

日本に飛来してくる個体数は少なく、バードウォッチャーにとっては希少性の高い野鳥と言えるでしょう。

秋ヶ瀬公園へのアクセス

秋ヶ瀬公園の場所(地図)

電車

最寄り駅はJR埼京線『中浦和駅』もしくはJR武蔵野線『西浦和駅』で、駅から秋ヶ瀬公園まではともに30分以上と距離があります。距離はありますが中浦和駅からの場合は『秋ヶ瀬緑道』という散歩に適した道のりとなりますので、小鳥を探しながら向かうのも良いでしょう。

駐車場

秋ヶ瀬公園には無料の専用駐車場が備わっていて、車でのお出かけに適しています。収容台数も977台とキャパの大きな駐車場です。

秋ヶ瀬公園の野鳥に関するみんなのツイート

埼玉県内のその他バードウォッチングスポット

秋ヶ瀬公園のある埼玉県には、まだまだたくさんのバードウォッチングスポットがあります。

埼玉は海のない県として知られていますが、実は面積に占める河川の割合では日本一です。行政も『川の国埼玉』と銘打って、川の環境保護や再生事業に取り組んでいるため、野鳥が好む自然豊かな水辺が豊富で、野鳥観察に適したスポットが県内各所に存在しています。

都心からアクセスしやすく、気軽に野鳥観察が楽しめるスポットが多いのも埼玉の魅力のひとつと言えるでしょう。

以下の記事では、埼玉県の数あるバードウォッチングスポットの中から初心者でも楽しみやすい場所を厳選して紹介しています。

埼玉県内での探鳥の旅を楽しみたい方は、ぜひご参考ください。
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秋ヶ瀬公園の基本情報

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