大宮公園で野鳥観察のススメ。誰でも気軽に楽しみやすいバードウォッチングスポットを360度写真付きで紹介

大宮公園の概要

大宮公園は埼玉県さいたま市大宮区と見沼区にまたがる県営の都市公園です。歴史は古く、明治18年に埼玉では初の県営公園として開園し、その後昭和55年に第二公園、平成13年に第三公園が新たに開園し、3つを合わせた敷地面積は約67.9ヘクタールととても規模の大きな公園となっています。

広い園内には埼玉西武ライオンズの試合が行われることもある『埼玉県営大宮公園野球場』や、Jリーグの大宮アルディージャのメインスタジアムでもある『さいたま市大宮公園サッカー場・通称NACK(ナック)』などの他、

  • 競輪場(陸上競技場)
  • 児童スポーツランド
  • 水泳場
  • 体育館
  • 弓道場

など、スポーツ関連施設が充実している公園です。

スポーツ関連施設以外にも

  • 小動物園
  • 児童遊園地
  • 梅林や桜並木
  • 埼玉県立歴史と民俗の博物館

など見どころが満載なうえ、大宮駅からも徒歩圏内ということもあって埼玉県内の県営公園としては利用者数が最も多い公園となっています。

大宮公園は野鳥観察にも最適!

大宮公園は埼玉県内でトップクラスの都会「大宮駅」から徒歩圏内にありながらも、園内にはサクアやウメ、アカマツやモミジ、イチョウやメタセコイアなど大小たくさんの木々が植樹されていて、緑豊かなエリアとなっています。

また、大宮公園のある場所はもともと『見沼の入江』だった場所で湿地帯が広がっていました。現在でもその名残としてボート池(舟遊池)や白鳥池などの水辺があり、野鳥が集まりやすい環境が揃っています。

大宮駅近くでアクセスの便が良く、また自然が残る園内には歩きやすい遊歩道も張り巡らされていて気軽にバードウォッチングを楽しむのに最適なスポットと言えるでしょう。

都会の公園ですが意外にも見られる野鳥の種類も豊富で、バードウォッチャーに人気のカワセミやサギの仲間に加え、オオタカが飛来してくることもあります。

また、冬場は越冬のために渡ってきた冬鳥を観察することもでき、中でもパンダのような見た目が特徴的なミコアイサなどは人気の野鳥です。

普段の街中では見かけることのないような野鳥にたくさん出会うことができる、都会のオアシスのような公園となっています。

大宮公園で見られる野鳥

留鳥(一年を通して出会える鳥)

留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。

  • アオサギ
  • ウグイス
  • エナガ
  • オオタカ
  • カルガモ
  • カワセミ
  • カワラバト
  • カワラヒワ
  • キジバト
  • ゴイサギ
  • コゲラ
  • シジュウカラ
  • ツミ
  • ハクセキレイ
  • ハシブトガラス
  • ハシボソガラス
  • バン
  • ヒヨドリ
  • ミヤマガラス
  • ムクドリ
  • メジロ
  • ヤマガラ

カワセミ

枝にとまっているカワセミ

カワセミはバードウォッチングをする方にとって人気の高い鳥の一種です。カワセミを漢字で書くと『翡翠』と書くのですが、宝石のヒスイはカワセミからその名が付けられています。カワセミ自体も別名『飛ぶ宝石』とも言われるほど美しい色を持つ鳥です。

体調は約17センチほどで体の大きさの割にクチバシが長いのが特徴的です。背中側は美しいコバルトブルーで、お腹側は鮮やかなオレンジ色となっています。

池や川の水辺の枝などにとまって獲物を探し、獲物が見つかるとスーッと水中に飛び込み小魚を捕まえます。枝などがない場合はホバリングした状態で獲物を探すこともあります。

カワラヒワ

カワラヒワは体長14センチほどで、スズメと同じくらいの大きさの野鳥です。茶褐色がベースの色で一見地味に見えますが、翼の一部が黄色い羽毛となっていて、飛び立つと黄色い模様が目立ちます。

雛には虫の幼虫を与えますが、成鳥は主に植物の種を好んで食べます。森や林だけでなく、街路樹や庭木などにも巣を作ることで知られています。

漂鳥

漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。

漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。

大宮公園では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。

  • アオジ
  • オオバン
  • カイツブリ
  • コガラ
  • ビンズイ
  • キクイタダキ

アオジ

枝の上のアオジ

アオジは体長16センチほどで、スズメよりやや大きな小鳥です。

翼は茶褐色で模様などもスズメに似ているためよく間違えられますが、胸から腹にかけて緑がかった薄い黄色の羽毛が特徴。アオジの『アオ』は緑色も含めた古い意味での青が由来と言われています。

夏に北海道や本州北部で繁殖を行い、冬になると積雪の殆どない地域へと移動して冬を越します。中にはロシアや中国から越冬するために日本に飛来する種のアオジもいます。

カイツブリ

水面を泳ぐカイツブリ

カイツブリは体長25~30センチほどの水鳥です。カモに似ていますがカイツブリ目カイツブリ科の鳥で、カモではありません。北海道や本州の北エリア、または山地では夏場の暖かい季節のみ生息する漂鳥ですが、本州中部以南の低地では留鳥として一年を通して観察できる野鳥となっています。

ベースの色は茶色ですが、首元の羽毛が夏は赤っぽく、冬は黄色っぽく淡い色に変化します。

体の作りとして歩くのにはバランスが悪いのですが、泳ぐのには適した体となっていて、潜水もとても得意な鳥です。潜水して小魚やエビ、水中の昆虫などを捕食します。

夏鳥

夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。

  • キビタキ
  • オオヨシキリ

キビタキ

木の枝にとまるキビタキ

キビタキは体長13~14センチほどの小さな野鳥です。メスは地味な色合いですが、オスは黒をベースとした翼に旨や頭の一部に黄色い羽毛を持ち、カラフルな姿でバードウォッチャーを楽しませてくれます。

昆虫を捕食するため雑木林を好んで住処にしていますので、雑木林を中心に探してみると良いでしょう。また、明け方にオスは縄張りを誇示するために美しい声を発します。鳴き声を頼りに探すのもコツのひとつです。

夏場に日本で繁殖を行ったキビタキは、冬の訪れとともに東南アジアへ渡り越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってきます。

オオヨシキリ

ヨシの葉にとまるオオヨシキリ

オオヨシキリは体長18センチほどの小さな野鳥です。夏場に飛来して繁殖活動を行い、冬は熱帯地域へ渡り越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってきます。

頭部から背中(翼)にかけてはスズメのように茶褐色で、首元から胸、腹にかけては白い羽毛となっています。

食性は動物食で、昆虫を捕まえて食します。イネ科のヨシ(アシ)を切り裂いて中の昆虫を捕食することから、オオヨシキリという名前がつきました。夏場にヨシが群生する湿地帯などを探すと見つけやすい野鳥です。

冬鳥

冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。

  • オオハクチョウ
  • オカヨシガモ
  • オナガガモ
  • キンクロハジロ
  • ハシビロガモ
  • ミコアイサ
  • ユリカモメ

オナガガモ

水面を泳ぐオナガガモのオス

オナガガモはその名の通り尾羽根が長いのが特徴的なカモです。ただし、尾羽根が長いのはオスのみで、メスはオスに比べて尾は短めとなっています。また、体長もオスは75センチほどまで成長するのに対し、メスは55センチほどと体格差もあります。

また、柄もメスは地味な色合いなのに比べ、オスは顔(頭部)が茶褐色ですが首から胸にかけて白い羽毛を持ち、派手ではありませんがユニークな模様を持つ水鳥となっています。

なお、夏場は局地に近いツンドラ地帯で繁殖を行い、冬に日本の本州以南で越冬する冬鳥です。

ミコアイサ

水面を泳ぐミコアイサ

ミコアイサはオスの体長が44センチ、メスが39センチほどのカモ目カモ科に属する野鳥です。オスの見た目がとても特徴的で、真っ白い羽毛をベースに目の周りや頭や背中の一部が黒く、まるでパンダのようにみえることから別名『パンダガモ』とも呼ばれています。

夏はユーラシア大陸亜寒帯のタイガで過ごし、冬はヨーロッパや中国、インド北部や日本に渡り越冬します

大宮公園へのアクセス

大宮公園の場所(地図)

電車

最寄り駅は東武アーバンパークラインの『大宮公園駅』で、駅から公園までは徒歩10分程度です。また、JRも乗り入れる『大宮駅』からも徒歩20分ほどと徒歩圏内となっています。

車・駐車場

首都高埼玉新都心線の『新都心西出入口』から公園までは車で15分ほどの道のりです。

なお、大宮公園には西駐車場と東駐車場の2つの有料駐車場が備わっています。駐車料金はいずれも

  • 最初の1時間:200円
  • その後30分ごと:100円
  • 最大料金の設定なし

となっています。

また、大宮第二・第三公園には無料の駐車場があります。

大宮公園の野鳥に関するみんなのツイート

埼玉県内のその他バードウォッチングスポット

大宮公園のある埼玉県には、まだまだたくさんのバードウォッチングスポットがあります。

埼玉は海のない県として知られていますが、実は面積に占める河川の割合では日本一です。行政も『川の国埼玉』と銘打って、川の環境保護や再生事業に取り組んでいるため、野鳥が好む自然豊かな水辺が豊富で、野鳥観察に適したスポットが県内各所に存在しています。

都心からアクセスしやすく、気軽に野鳥観察が楽しめるスポットが多いのも埼玉の魅力のひとつと言えるでしょう。

以下の記事では、埼玉県の数あるバードウォッチングスポットの中から初心者でも楽しみやすい場所を厳選して紹介しています。

埼玉県内での探鳥の旅を楽しみたい方は、ぜひご参考ください。
埼玉県の野鳥観察スポット15選!初心者でもバードウォッチングが楽しめる公園などを中心に360度写真付きで紹介します

大宮公園の基本情報

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