辺戸岬は絶景の広がる観光名所!沖縄本島の最北の地を360度写真付きで紹介

辺戸岬の概要

辺戸岬は沖縄県国頭郡国頭村にある、沖縄本島の最北端に位置する岬です。那覇市内から高速道路を使っても2時間以上かかってしまう辺境の地ですが、太平洋と東シナ海を一望できる絶景スポットとして人気の高い観光名所となっています。

戦後のアメリカ統治下時代には国境の地として、ここ辺戸岬で祖国復帰を願い狼煙(のろし)を上げていた場所で、歴史的にも価値のある場所です。現在は祖国復帰の記念碑も建てられています。

また、沖縄に伝わる神話によると、琉球初代の王となった神の子「天孫氏」は辺戸岬で生まれたと言われていて、沖縄の人にとって辺戸岬は神聖な場所でもあります。辺戸岬には沖縄の方言で「うがんじゅ(拝所)」という神に祈りを捧げる場所も複数あり、最近ではパワースポットとしても注目を集めています。

辺戸岬の見どころ

辺戸岬の絶景

辺戸岬の見どころは目の前に広がる大海原の絶景です。太平洋と東シナ海がぶつかる海は時に荒々しく、白砂のビーチで見る海とは違った一面を見ることができます。

辺戸岬-打ち付ける波

サンゴ礁が隆起して形成された断崖絶壁に打ち付ける波は、自然のダイナミックさを感じさせてくれます。岩にぶつかって砕けた波の飛沫が、風に乗って崖の上まで上ってくることもあります。

辺戸岬から見下ろすサンゴ礁

また、晴れて波も穏やかな日であれば、沖縄らしい真っ青な海を見ることもできます。眼下にはサンゴ礁が広がり、沖縄の海の透明度の高さに目を奪われます。

大海原を見渡すと、西には伊是名島と伊平屋島が見え、北には鹿児島県の与論島や沖永良部島を望むこともできます。

お勧めの時間帯や季節

沖縄らしい真っ青な海と、透明度の高いサンゴ礁を見下ろしたい場合は、やはり夏の晴れた日が一番綺麗に見ることができます。特に写真に収めたい場合は太陽が真上にある正午ごろがお勧めの時間帯です。

なお、秋や冬は季節風の影響で北風が強く、波も高いことが多いため荒々しい海を眺めたい方には良いでしょう。

また、辺戸岬は日の出を拝むことができるスポットとしても知られていて、元旦に初日の出を拝みに来る方も多くいます。

遊歩道(バリアフリー)

辺戸岬には遊歩道が整備されていて、絶景ポイントとなる見晴らし台まで車椅子やベビーカーでも安心して行くことができます。

障害者専用駐車スペースや、車いす利用可能トイレも備わっていてバリアフリーな観光スポットとなっています。

絶壁の縁

遊歩道や見晴らし台からはずれて崖の縁近くの岩場にも行くことが可能です。ただし、足場は先の尖った岩となっているため、ビーチサンダルなどでは怪我をしてしまいますので、歩きやすい安全な靴を履いていきましょう。

また、過去には転落事故も発生していますのであまり無理をせず、絶壁の縁に近づきすぎないようにしてください。特にお子さんと一緒に行く場合は目を離さないよう十分注意してください。

記念碑

辺戸岬には、

  • 日本祖国復帰闘争碑
  • ヨロン島・国頭村友好記念碑
  • 富山県出身の俳人「沢田欣一」の句碑
  • 国頭東海岸線のモニュメント
  • 海邦国体(第42回国民体育大会)の記念碑

など、様々な記念碑やモニュメントが設置されています。

日本祖国復帰闘争碑

辺戸岬-日本祖国復帰闘争碑

アメリカ統治化にあった時代に、祖国である日本に一番近い場所として辺戸岬では祖国復帰を願った集会が開かれていたそうです。

具体的には、先に祖国復帰を果たしていた与論島に向けて狼煙を上げる「かがり火集会」や、年に一度与論島との中間地点である北緯27度線上で与論島の人たちと行われた「海上集会」などです。

第二次世界大戦が終戦したのが1945年、与論島のある奄美群島の本土復帰が1953年、そこから遅れること約20年、1972年に沖縄も本土復帰を果たし、その闘いの地である辺戸岬に建てられたのが「日本祖国復帰闘争碑」です。

記念碑には、以下の文章が刻まれています。

全国のそして世界の友人に贈る。

吹き渡る風の音に耳を傾けよ。権力に抗し復帰をなしとげた大衆の乾杯だ。 打ち寄せる波濤の響きを聞け。戦争を拒み平和と人間開放を闘う大衆の叫びだ。 鉄の暴風やみ平和のおとずれを信じた沖縄県民は、米軍占領に引き続き、一九五二年四月二十八日サンフランシスコ「平和」条約第三条により、屈辱的な米国支配の鉄鎖に繋がれた。 米国の支配は傲慢で県民の自由と人権を蹂躙した。 祖国日本は海の彼方に遠く、沖縄県民の声はむなしく消えた。われわれの闘いは蟷螂の斧に擬せられた。 しかし独立と平和を闘う世界の人々との連帯あることを信じ、全国民に呼びかけて、全世界の人々に訴えた。 見よ、平和にたたずまう宜名真の里から、二十七度線を断つ小舟は船出し、舷々相寄り勝利を誓う大海上大会に発展したのだ。 今踏まれている土こそ、辺土区民の真心によって成る沖天の大焚き火の大地なのだ。 一九七二年五月十五日、沖縄の祖国復帰は実現した。 しかし県民の平和の願いは叶えられず、日米国家権力の恣意のまま軍事強化に逆用された。 しかるが故にこの碑は、喜びを表明するためにあるのではなく、まして勝利を記念するためにあるのでもない。 闘いを振り返り、大衆を信じ合い、自らの力を確かめ合い、決意を新たにし合うためにこそあり、 人類が永遠に生存し、生きとし生けるものが自然の摂理のもとに生きながらえ得るために警鐘を鳴らさんとしてある。

祖国復帰闘争碑碑文

ヨロン島・国頭村友好記念碑

辺戸岬-ヨロン島・国頭村友好記念碑

祖国復帰のためにともに闘った与論島との友好の証として、真っ白い鳥の像(パナウル像)が「ヨロン島・国頭村友好記念碑」として建てれています。

なお、このパナウル像と向かい合う形で、与論島には国頭村のあるやんばるの森の象徴である「ヤンバルクイナ」の像が建っています。

拝所(うがんじゅ)

辺戸岬には「龍神龍王神大神」や「国頭国元国代一頭火の神」の拝所があります。せっかく辺戸岬まで着たのなら、戦争のない世界平和を願って手を合わせると良いでしょう。

辺戸岬へのアクセス

那覇空港から辺戸岬までは距離にして127km、高速道路を利用しても片道2時間以上かかる長距離ドライブの旅となります。まずは高速道路で北を目指し、北の終点「許田インターチェンジ」を下りた後も、58号線で更に北へ北へと進むと辺戸岬に到着します。

駐車場

辺戸岬には100台ほど駐められる規模の大きな無料駐車場が備わっています。穴場な観光スポットなので満車となることも無いでしょう。

なお、駐車場にはカフェ併設の観光案内所「HEAD LINE」や、食事処の「辺戸岬こうようパーラー」などが併設されています。

辺戸岬の口コミ

辺戸岬近くのその他観光スポット

ヤンバルクイナ展望台

ヤンバルクイナ展望台は、辺戸岬から南に車で5分ほどの場所にある穴場な観光スポットです。

やんばるの森の小高い山の上に設置された展望台で、高さ11メートルほどのヤンバルクイナの形をした展望台となっています。展望台からは今回紹介した辺戸岬や、その後ろに広がる大海原を望むことができます。

観光客も少なく穴場なスポットなので、ぜひ立ち寄ってみることをお勧めします。

ヤンバルクイナ展望台については、以下の記事で詳しく紹介しますので合わせてご覧ください。
ヤンバルクイナ展望台は穴場!絶景だけじゃない観光スポットを360度写真付きで紹介

大石林山(だいせきりんざん)

大石林山は辺戸岬から南西に車で5~10分の場所にある観光名所です。

2億5千万年前に海の中で形成された石灰岩が隆起して地表に現れた場所です。地表に現れて長い年月風雨にさらされた石灰岩は、先の尖った岩へと姿を変え、まるで中国の林山を思い起こす風景となっています。

コースには遊歩道が整備されていて、お子さんと一緒でも安心してやんばるの自然の中をトレッキングすることができるので、ファミリーにもお勧めの観光スポットです。

茅打ちバンタ

バンタとは沖縄の方言で「崖」という意味で、その崖から茅を束ねて崖から落とした際に強風に打たれてバラバラになってしまうことからその名がついたと言われる場所です。

高さ約80メートルの崖の上から眺める大海原は息を呑むほど美しく、知る人ぞ知る絶景ポイントとなっています。

また、晴れた夜には天の川の見れる天体観測スポットとしても知られており、沖縄の中でも随一の星空を見ることができる場所です。

茅打ちバンタについては、以下の記事でも詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。
茅打ちバンタは昼も夜も絶景が見れる!沖縄の穴場な観光スポットを360度写真付きで紹介

その他の絶景岬

今回紹介した辺戸岬以外にも、沖縄には絶景が見られる『岬』がまだたくさんあります。絶景だけでなく観光施設が併設されていたりシュノーケリングスポットになっていたり、他のレジャーも同時に楽しめる場所などタイプも様々です。

以下の記事では辺戸岬と同じく観光地として整備されていて、観光客でも気軽に行きやすい岬を厳選して紹介していますので、ぜひ沖縄旅行の際に参考にして下さい。
沖縄本島の『岬』8選!死ぬまでに一度は見たい絶景スポットを360度写真付きで紹介

辺戸岬のまとめ

辺戸岬の唯一の難点は市街地からかなり遠いことですが、それを差し引いても一度は見ておきたい絶景が待っています。

また、沖縄は各所に観光名所が点在していますので、一気に辺戸岬を目指すのではなく色んな観光スポットに立ち寄りながら目指せば遠いという難点もカバーできます。

高速道路を下りた後はやんばるの海岸線を北上することになりますが、その途中途中で観光雑誌にも載っていない名もなき砂浜にいくつも出会えるかと思います。沖縄の風景の中、のんびりドライブを楽しみながら目指すことができますので、沖縄旅行の際にはプランの一つとして検討してみてください。

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