東高根森林公園での野鳥観察のススメ。ヤドリギもあるバードウォッチングスポットを360度写真付きで紹介

東高根森林公園の概要

東高根森林公園は神奈川県川崎市宮前区神木本町にある、敷地面積が10万平方メートル以上の大きな公園です。森林公園という名の通り広い園内には天然記念物のシラカシ林を始め、クヌギやコナラの林などがあり、緑豊かな公園となっています。

もともとこのエリアは多摩丘陵の森が広がっていましたが、昭和40年代に住宅地開発が行われ急速に自然が失われてしまいました。その開発の中で、東高根森林公園のエリアでは弥生・古墳時代の竪穴建物跡や貝塚跡などが見つかり、それらを保全する目的で森林公園として整備されたという歴史を持っています。

遺跡が見つかったことから、園内の施設には『古代芝生広場』や『古代植物園』という愛称が付けられていて、園自体も古代公園と呼ばれることがあります。

現在、広い園内には

  • 広大な古代芝生広場
  • ピクニック広場
  • 古代植物園
  • 湿生植物園
  • 遊歩道が整備されたシラカシ林

などがあり、近隣住民の憩いの場として親しまれています。

東高根森林公園は野鳥観察にも最適

東高根森林公園は冒頭でも書いた通り自然が色濃く残る公園で、たくさんの野生動物も生息しています。雑木林だけでなく湿生植物園を始めとした水辺も多くあり、野鳥も野鳥も集まりやすい環境が揃っていて、バードウォッチングにも最適な公園です。

水辺ではバードウォッチャーに人気のカワセミも頻繁に訪れ、餌となる小魚を捕食するため池にダイブする姿を見せてくれます。

また、公園の北口付近にはヤドリギが自生する木があり、バードウォッチングスポットとして人気があります。ヤドリギの実を好んで食べるヒレンジャクやキレンジャクを観察できる絶好のポイントです。

ヒレンジャクやキレンジャクは、日本では冬鳥となっています。観察したい場合は冬にお出かけしましょう。

なお、水辺やヤドリギのある北口付近以外も園全体が野鳥観察のポイントとなっていて、観察できる野鳥の種類が多いのが魅力のひとつといえます。

天然記念物に指定されているシラカシ林も含め、園内には歩きやすい遊歩道が整備されていますので、バードウォッチング初心者や年配の方でも野鳥観察を楽しみやすい環境が整っています。

定期的に野鳥観察会も開催されていますので、バードウォッチング初心者の方は参加してみると良いでしょう。野鳥観察会に興味がある方は、公式サイトのお知らせをチェックしてください。

東高根森林公園で見られる野鳥

留鳥(一年を通して出会える鳥)

留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。

  • アオゲラ
  • アオサギ
  • アカゲラ
  • ウグイス
  • エナガ
  • オオタカ
  • オナガ
  • カケス
  • ガビチョウ
  • カルガモ
  • カワセミ
  • カワラバト
  • カワラヒワ
  • キジバト
  • キセキレイ
  • ゴイサギ
  • コゲラ
  • コサギ
  • シジュウカラ
  • スズメ
  • セグロセキレイ
  • ツミ
  • トビ
  • ハクセキレイ
  • ハシブトガラス
  • ハシボソガラス
  • ヒバリ
  • ヒヨドリ
  • ホオジロ
  • ミソサザイ
  • ムクドリ
  • メジロ
  • モズ
  • ヤマガラ
  • リュウキュウサンショウクイ

エナガ

木の枝にとまるエナガ

エナガは柄杓の柄のような長い尾羽が特徴的な小さな鳥です。全長は尾羽を含めると13~14センチほどあり、また胴体の部分も羽が丸く膨らんでいるため実際より大きく見えますが、実際はとても小さい鳥で体重は8グラムほどしかありません。

スズメの体重が24グラムほどなので、スズメの半分以下の体重です。日本で一番小さい『キクイタダキ』の5グラムに次いで、日本で二番目に小さい鳥となっています。

ヤマガラ

明治神宮の野鳥(ヤマガラ)

ヤマガラは全長約14cmほどの小さな鳥です。頭部や喉元は黒い羽毛で、背や翼は灰色、腹は茶褐色と比較的派手なカラーリングとなっています。

体型は体に比べて頭が大きく、尾羽根は短めの可愛らしい姿です。

日本では全国に広く分布していますが、常緑広葉樹林の林を好み暖かい地域ほどよく見かける野鳥となっています。

漂鳥

漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。

漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。

東高根森林公園では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。

  • アオジ
  • クロジ
  • シメ
  • トラツグミ
  • ハイタカ
  • マガモ
  • ルリビタキ
  • イカル

トラツグミ

地面に降りているトラツグミの後ろ姿

トラツグミは体長約30センチほどのスズメ目ツグミ科に属する野鳥です。羽毛の色は黄褐色をベースに黒い鱗状の斑がまんべんなく入っていて、トラの模様を連想させる色味となっています。

山地で繁殖を行い、冬は積雪のない地域へと移動します。冬場は市街地の公園などでも見ることができます。

雑食性で、地面に降りて落ち葉をかき分けてミミズなどを捕食します。

ルリビタキ

背を向けているルリビタキ

ルリビタキは体調14センチほどの小さな野鳥です。

バードウォッチャーに人気の鳥で、中でも成長のオスは鮮やかな青い羽毛を持ち見るものを惹きつけます。幼鳥は緑褐色でメスは成長になっても緑褐色のままです。オスが立派な青色の羽毛を手に入れるまで2年以上かかります。

繁殖期以外は単独行動を行っていて、オスもメスも群れることはありません。縄張り意識が強く、その縄張りを見つけることができれば一度飛び去ってしまっても、また同じ場所に戻ってくることも多い鳥です。

夏鳥

夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。

  • アカハラ
  • キビタキ
  • サンコウチョウ
  • サンショウクイ
  • ツバメ

アカハラ

木の枝にとまるアカハラ

アカハラは成長だと全長24センチほどになる比較的大きな野鳥です。胸からお腹辺りまでオレンジ色の羽毛に覆われているのが名前の由来となっています。

明るく開けた場所で地上に降りてミミズや昆虫などを捕食します。

真夏の繁殖期には標高の高い場所で繁殖を行うため、東高根森林公園でアカハラを探す場合は春がお勧めです。

キビタキ

木の枝にとまるキビタキ

キビタキは体長13~14センチほどの小さな野鳥です。メスは地味な色合いですが、オスは黒をベースとした翼に旨や頭の一部に黄色い羽毛を持ち、カラフルな姿でバードウォッチャーを楽しませてくれます。

昆虫を捕食するため雑木林を好んで住処にしていますので、雑木林を中心に探してみると良いでしょう。また、明け方にオスは縄張りを誇示するために美しい声を発します。鳴き声を頼りに探すのもコツのひとつです。

夏場に日本で繁殖を行ったキビタキは、冬の訪れとともに東南アジアへ渡り越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってきます。

冬鳥

冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。

  • アトリ
  • キレンジャク
  • ジョウビタキ
  • シロハラ
  • タヒバリ
  • ツグミ
  • ヒレンジャク
  • マヒワ
  • ヤマシギ

ジョウビタキ

枝にとまっているジョウビタキ

ジョウビタキは全長約15センチほどの小さな野鳥です。

ベースの色は薄い茶色に、オスのみ頭が銀白色に顔部分が黒と比較的カラフルな羽毛を持っていますが、メスは翼の一部に白斑があるのみで地味な色味となっていてスズメに見間違えられることもあります。

夏にチベットやロシア極東などで繁殖を行い、冬になれると日本全国に渡り鳥としてやってきますが、近年は日本国内での繁殖も確認されています。

体の小さい鳥は群れることが多いのですが、こんおジョウビタキは群れを作らず単体で暮らしています。

ヒレンジャク

枝に止まって背を向けるヒレンジャク

ヒレンジャクは体調18~19センチほどの鳥で、体の色は赤茶がかった淡褐色がベースですが、翼の先端部は黒や灰色、尾っぽの先は赤いのが特徴となっています。また、頭部には冠羽があるのも特徴のひとつです。

シベリアや中国北東部で繁殖していますが、自然環境の悪化で絶滅が危惧されています。日本には冬鳥として越冬のために飛来してきます。繁殖期は昆虫食ですが、日本に飛来してくるタイミングでは果実類を好んで食べるようになります。

日本に飛来してくる個体数は少なく、バードウォッチャーにとっては希少性の高い野鳥と言えるでしょう。

東高根森林公園へのアクセス

東高根森林公園の場所(地図)

電車

最寄り駅はJR南武線の『久地駅』で、駅から公園までは徒歩20分ほどです。また、『武蔵溝ノ口駅』や田園都市線の『溝の口駅』、小田急線『向ヶ丘遊園駅』などからバスを利用して向かうこともできます。

車・駐車場

最寄りのインターチェンジは東名高速道路の『東名川崎インターチェンジ』で、ICから公園までは車で10分ほどです。

なお、東高根森林公園には収容台数112台の大きな駐車場が備わっています。平日は無料ですが、3月1日~11月30日の土日祝日のみ『普通車(1日1回):550円』の駐車料金が発生します。

駐車場は『8時半~19時』のみとなっていますので、ご注意ください。

東高根森林公園の野鳥関するみんなのツイート

神奈川県内のその他バードウォッチングスポット

神奈川県内には東高根森林公園以外にもまだまだたくさんのバードウォッチングスポットがあります。横浜などの大都市を抱えているため都会のイメージが強い神奈川ですが、意外にも自然が残るスポットも多く、野鳥観察が楽しめる場所も豊富です。

海沿いの公園や都市公園、標高の高いエリアなど環境も様々で、見られる野鳥が豊富なところも魅力のひとつです。また、電車などで都心からのアクセスしやすいスポットも多く、初心者でも野鳥観察が楽しみやすい場所も多いのが特徴です。

以下の記事では神奈川県内の数あるバードウォッチングスポットのうち、初心者でも楽しみやすいスポットを中心に複数紹介しています。神奈川県内でバードウォッチングを楽しむ際の参考にしてください。
神奈川県の野鳥観察スポット11選!初心者でもバードウォッチングが楽しみやすい公園や池などを360写真付きで紹介

東高根森林公園の基本情報

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