伊東港の概要
伊東港は静岡県伊東市にある大きな港です。伊豆半島の東海岸側に位置し、東伊豆の漁業を支える重要な水揚港として発展してきました。
現在では港の北にある「伊東マリンタウン」から遊覧船が発着していたり、毎週水曜日に港内の「伊東魚市場」で鮮魚の直売会が行われるなど、伊東市の観光業の一端を担う港としても活躍しています。
また、広大な敷地内には釣りができる堤防が複数あり、東伊豆随一の釣りスポットとしても知られています。
足場の良いポイントも多く、またトイレなどの設備もあることからファミリー層にも非常に人気があります。
釣れる魚種が豊富なのが特徴の一つで、釣り初心者からベテランまで幅広い層が楽しめる釣りスポットとなっています。
伊東港の釣り場
伊東港の釣り場は大きく分けて
- 新井堤防
- 白灯台の堤防
- 赤灯台の堤防
- なぎさ公園の護岸
の4つのポイントとなっています。
釣り場としてのキャパは大きく、ポイントに拘らなければハイシーズン中でもどこかしら釣座は確保できるでしょう。ただし、ポイント毎に狙える魚種が変わってきますので、狙いたい魚種が決まっている場合は早めに釣り座を確保することをお勧めします。
①新井堤防
伊東港の東端にあり、一番外海側にある全長300メートルほどの堤防です。外海側は先端までテトラが入っているため、ファミリーフィッシングの場合は内海側での釣りとなります。
付け根から200メートル付近までは車で乗り入れられるほど幅が広く、ファミリー層にも人気の高い釣り場です。
なお、幅の広い付け根側の内海側は船の係留場所となっているため、ファミリー層の釣座は堤防先端から突き出している幅の狭くなっているポイントとなります。狭くなっているとは言え、8メートルほどの幅がありますので釣座としては十分広いです。
内海側では初心者にお勧めの足元のサビキも可能で、夏から秋にかけてはアジやサバ、イワシなどの釣果が見込めます。また、ちょい投げのぶっこみ釣りでハゼやシロギスが狙える他、フカセ釣りでクロダイを狙うことも可能です。
テトラ帯となっている外海側は秋に青物の回遊もあり、遠投カゴ釣りやショアジギングでイナダやソウダガツオが狙えます。堤防の先端付近が人気のポイントですが、釣果情報が出ると混雑しますので早めに釣座を確保しなくてはなりません。
なお、入っているテトラのサイズは大きいため隙間も大きく、足場は良くありませんので十分に注意してください。ただし、隙間が大きい分穴釣りにも最適で、カサゴなどの根魚を狙うことができます。
②白灯台の堤防
新井堤防の隣りにある、全長500メートル以上の伊東港では一番長い堤防です。外海側は基本テトラ帯となっていますが、堤防の先端(灯台付近)は両サイドともにテトラが入っておらず、一番人気の高いポイントとなっています。
先端付近は水深もあり、秋には青物狙いのポイントとして知られています。カゴ釣りやショアジギング、弓角などで狙えます。先端のテトラが入っていないポイントなら足場の良いポイントから青物が狙えますので、もし空いていたら積極的に入りたいポイントです。
先端付近以外については外海側がテトラ帯で、内海側はテトラが入っていない垂直護岸という風に新井堤防と同じ環境になっています。狙える魚種も同じくサビキ釣りで定番のアジやサバ、イワシなどのほか、フカセ釣りでクロダイやメジナ、ちょい投げのぶっこみ釣りでシロギスなどが狙えます。
朝マヅメや夕マヅメなどのタイミングではサビキ釣りでアジやイワシ、サバが入れ食いとなることも珍しくなく、お子さんでも釣果を出しやすいでしょう。
③赤灯台の堤防
港内側にある全長60メートルほどの小さな堤防です。堤防の付け根にある護岸でも釣りが楽しめます。
外海側にある堤防に比べると魚影の濃さや大型の青物の回遊は劣るものの、足場は良く、駐車場やトイレも近いのでファミリーフィッシングにお勧めのポイントです。
伊東港は港内でもある程度水深がありますのでサビキ釣りのポイントとしても有効で、回遊のタイミングに合えばアジやイワシ、サバなどの数釣りが楽しめます。また、サイズは小さいですがメジナやカワハギも狙える他、ぶっこみ釣りでは夏はシロギス、冬はカレイが狙えます。
防波堤の西側は伊東大川(松川)の河口となっていて、汽水域を好むシーバスやクロダイ、ハゼなどの好ポイントとしても知られています。
狙える魚種が豊富なことに加え、外海に近い堤防に比べると比較的空いていることが多いのも嬉しいポイントの一つで、のんびりと五目釣りをしたい人には最適なポイントとなっています。
④なぎさ公園の護岸
伊東港の西側にある「なぎさ公園」の護岸ポイントです。
護岸にはテトラが入っているため足場は悪く、ファミリーフィッシングには不向きなポイントとなっています。他のポイントが混雑している際の逃げ場として覚えておくくらいで良いでしょう。
フカセ釣りでクロダイやメジナなどが狙える他、ちょい投げのブッコミ釣りで夏はシロギス、冬はカレイなどが狙えます。また、テトラ帯周辺ではカサゴやメバルなどの根魚もターゲットとなります。
なお、なぎさ公園には駐車場やトイレが備わっています。
4月~9月の間はイカ類の釣りが禁止に
伊東港では上の図の赤枠で囲まれたエリア(各防波堤の中央付近から半径200メートルのエリア)では、4月~9月の間イカ類の釣りが禁止となっています。
産卵期のイカを保護して増やすことを目的としていて、一般人はもちろん漁業関係者も禁止されています。また、エギを使ったエギング、泳がせ釣りなど釣法も問わずイカを釣ることは法律に基づいて禁止されていますので、ご注意ください。
エギングをしたい場合は、禁漁期間以外の10月~11月が狙い目です。サイズはあまり期待できませんが、秋イカはエギング初心者でも比較的釣りやすい時期となっています。
伊東港で釣れる魚
春
- カサゴ
- メバル
- メジナ
- サヨリ
- クロダイ
- シーバス
夏
- アジ
- イワシ
- サバ
- イナダ
- ソウダガツオ
- カワハギ
- シロギス
- ハゼ
- イシモチ
- メゴチ
- イシダイ
- タチウオ
- クロダイ
- シーバス
秋
- アジ
- イワシ
- サバ
- イナダ
- ソウダガツオ
- カワハギ
- シロギス
- ハゼ
- サヨリ
- イシモチ
- マゴチ
- ヒラメ
- アオリイカ
- ホウボウ
- クロダイ
- タチウオ
- シーバス
- クロダイ
冬
- カサゴ
- メバル
- カレイ
- ウミタナゴ
- ムラソイ
- アイナメ
伊東港でお勧めの釣法と仕掛け
サビキ釣りがファミリーにはお勧め
伊東港はサビキ釣りがしやすいポイントが多数あり、投げずに足元でのサビキ釣りも可能です。サビキ釣りは初心者でも釣果をあげやすい釣法のひとつとなっていますので、子連れファミリーはサビキ釣りからスタートすると良いでしょう。
その時に回遊してくる魚のサイズに対応できるよう、サビキ仕掛けの号数は複数用意しておくのが理想です。特に子連れファミリーの場合は、小さな魚でも釣れることが大事だと思いますので、必ず針が小さい1号針のサビキ仕掛けも持参することをお勧めします。
釣具屋さんでは1号針のサビキ仕掛けを置いていないことも多いので、事前にネットで買っておきましょう。
▶Amazonでサビキ仕掛け1号を検索
▶楽天でサビキ仕掛け1号を検索
▶yahooショッピングで検索
なお、回遊魚狙いの場合は釣れた魚が暴れて、仕掛けがぐちゃぐちゃに絡まってしまうことも多いので、仕掛けは余分に持って行くようにしましょう。
アミコマセ
サビキ釣りで使う撒き餌(アミコマセ)は、釣具屋さんで販売している冷凍のブロックになったアミコマセが一番集魚効果が高く、釣果も出しやすいです。ただし、冷凍ブロックのアミコマセは買い置きが難しかったり、解凍する手間があったりと不便な面もあります。
釣行の際に釣具屋さんに寄らずに直接釣り場に行くなど手間を省きたい場合は、パックのアミコマセを事前に買っておくと良いでしょう。ただし、パックのアミコマセを購入する際は「アミ姫」にすることを強くお勧めします。パックのアミコマセにはタイプや種類が豊富ですが、筆者の経験上ではアミ姫が集魚力や使い勝手がダントツに良いです。
ぶっこみ釣りでのんびりアタリを待つのもお勧め
伊東港の各ポイントではぶっこみ釣りも有効です。のんびり待つ釣りが楽しみたい場合は、ぶっこみ釣り用の仕掛けも用意しておくと良いでしょう。キス釣り用の仕掛けを持っていけば同じ仕掛けでイシモチやハゼ、カレイなども同時に狙うことができます。
初心者の方であれば、できるだけ仕掛けの全長が短いものがトラブルが少なくお勧めです。
また、『ボウズのがれ』というセットになっている仕掛けも初心者には強い味方となっています。底だけでなく少し上のタナも同時に狙うことができます。
オモリやスナップなどがセッティングされ全て完成された状態となっていますので、ワンタッチで釣りをスタートすることが可能です。
伊東港へのアクセス
伊東港の場所(地図)
車
東京方面からの場合は、東名高速道路で厚木インターチェンジへ行き、厚木インターチェンジから小田原厚木道路、国道135号(小田原・熱海)経由して伊東港へ向かいます。
なお、都内からだと2時間~2時間半の道のりです。
駐車場
駐車場は釣りポイントにもなっている「なぎさ公園」に隣接する「伊東市なぎさ観光駐車場」が利用できます。
駐車料金は
- 最初の15分無料
- 最初の1時間200円
- その後、30分ごとに100円
※0時~7時は1時間毎に100円 - 最大1,500円(入庫から24時間)
となっています。24時間営業なので夜釣りの際も便利です。
電車
最寄り駅はJRの「伊東駅」で、駅から釣り場まではポイントにもよりますが徒歩20~25分ほどです。少し距離がありますが電車釣行も可能な釣りスポットとなっています。
伊東港近くの釣具屋
稲七釣具
伊東港のすぐ目の前にある釣具屋さんです。各ポイントから徒歩圏内なので餌の買い足しなどに便利です。
- 住所:静岡県伊東市静海11-18
- 電話番号:0557-37-0177
- 営業時間:6時~19時
田中釣漁具店
伊東港から車で2~3分、徒歩でも10分ほどの場所にある釣具屋さんです。公式サイトでは地域の釣果情報を掲載しています。
- 住所:静岡県伊東市和田2-1-2
- 電話番号:0557-37-2450
- 営業時間:7時30分~19時30分
- 公式サイト
オーシャン釣具店
伊東港から車で5分ほどの場所にある釣具屋さんです。ボート釣りのサービスも行っている釣具屋さんです。
- 住所:静岡県伊東市湯川3-4-19
- 電話番号:090-9129-3254
- 営業時間:7時~18時
- 定休日:なし(年中無休)
- 公式サイト
伊東港近くのその他釣りスポット
伊東オレンジビーチ
伊東オレンジビーチは伊東港の西側に隣接する海岸です。伊東駅からも近く、夏の海水浴シーズンにはたくさんのレジャー客が訪れます。
海水浴シーズン以外のタイイングでは、穴場な釣りスポットとなっています。サーフからの釣りはもちろん、ビーチの端にある防波堤でも釣りを楽しむことが可能です。砂地を好むシロギスが人気のターゲットで、その他にも防波堤ではサビキ釣りでアジやイワシ、サバなどの回遊魚も狙えます。
伊東オレンジビーチについては、以下の記事でも詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。
▶伊東オレンジビーチは穴場な釣りスポット!狙える魚種や各ポイントについて360度写真付きで紹介
宇佐美港
宇佐美港は伊東港から北へ10分ほどの場所にある漁港です。港には大小2つの防波堤があり、防波堤釣りが楽しめます。
外洋に面した大きな防波堤がメインの釣り場となりますが、外海側はテトラ帯となっていて足場がよくありません。ファミリーや釣り初心者は内海側での釣りとなります。
内海側は足場も良く、子連れファミリーにも人気のあるポイントです。朝マヅメや夕マヅメなど回遊のタイミングに合えば小さなお子さんでもアジやイワシ、サバなどの数釣りが楽しめるでしょう。
宇佐美港については、以下の記事でも詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。
▶宇佐美港の釣り場は家族連れにもオススメ!狙える魚種や各ポイントを360度写真付きで紹介
富戸港
富戸港は伊東港から南へ車で20~25分の場所にある港です。ゲーム「ぼくのなつやすみ2」の舞台にもなった長閑で風情あふれるスポットとなっています。
港には釣りができる防波堤があり、キャパはあまり大きくありませんが港周辺には人気の地磯があるためか釣り人は意外に少なく、穴場な釣り場です。
磯釣りで人気のメジナ、ブダイ、イシダイやイシガキダイなどが防波堤からも狙うことができます。
富戸港については以下の記事でも詳しく紹介していますので、合わせてご覧ください。
▶富戸港の釣り場は風情あふれる穴場なスポット!ファミリーにもお勧めポイントを360度写真付きで紹介
八幡野港
八幡野港は伊東港から南へ車で30分ほどの場所にある小さな港です。港にある防波堤で釣りができる他、『ヒナダン』や『マサキ』と呼ばれる人気の磯釣りポイントも隣接しています。
磯場では定番のメジナのほか、ブダイやイシガキダイなどが狙えます。また、夏から秋にかけてはイナダやソウダガツオなどの青物も人気のターゲットです。ただし、足場はあまり良くありませんので、子連れファミリーの場合は港の防波堤の内海側で釣りを楽しむと良いでしょう。
なお、八幡野港ではイカ類の禁漁期間(4月~9月)が定められていますので、エギングをしたい方は時期に注意が必要です。
八幡野港については、以下の記事で詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。
▶八幡野港の釣り場は防波堤や磯場があって、初心者からベテランまで楽しめる!ポイントや狙える魚種を360度写真付きで紹介
静岡県のその他釣りスポット
静岡県には伊東港の他にもまだまだたくさんの人気釣りスポットがあります。アクセスしやすい場所や穴場な釣り場、車を横付けして楽しめるポイントなど特徴も様々です。
以下の記事では、静岡県内の釣りスポットの中からファミリーフィッシングにも向いている釣り場を中心に紹介しています。静岡県での釣行の際にぜひご参考ください。
▶静岡県の釣り場27選!ファミリーや初心者にもお勧めなポイントや狙える魚種を360度写真付きで紹介
伊東港のまとめ
伊東港は狙える魚種が豊富なだけでなく、釣りができるポイントも多く釣り場としてかなり魅力的なスポットです。徒歩圏内にコンビニや釣具屋まであり、至れり尽くせりな環境となっています。
東京からだと距離がありますが、遠征しても損はない釣りスポットでしょう。
なお、伊東港のある伊東市は温泉街もあり、観光地としても人気の高いエリアです。せっかく都内から遠征する場合は、泊りがけで行って観光とセットで楽しみたいですね。
最後に、近年釣り人のマナーの悪さが原因で釣り禁止となってしまう港や防波堤が増えています。ここ伊東港でもゴミや迷惑駐車が問題になっているようです。
釣りをする際は
- ゴミは必ず持ち帰る
- 餌で汚したら掃除をする
- 迷惑駐車は行わない
- 立入禁止の場所には入らない
など、釣り人として当たり前のルールやマナーを必ず守って釣りを楽しみましょう。
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