大阪南港野鳥園で野鳥観察のススメ。府内随一のバードウォッチングスポットを360写真付きで紹介

大阪南港野鳥園の概要

大阪南港野鳥園は大阪市住之江区ある、大阪市港湾局が運営する野鳥園です。敷地面積は約19.3ヘクタールあり、そのうちの大半を人工干潟が占めています。

なお、この人工干潟は地元住民で結成された『南港の野鳥を守る会』の熱望により整備された干潟です。

園内には人工干潟が一望できる展望塔が設置されていて、晴れた日には六甲山系や明石海峡大橋、淡路島などを望むことができます。また、西側の海岸線に位置していて、夕日の絶景スポットとしても知られています。

大都会大阪にありながら園内は緑も多く、また、人工干潟には渡り鳥などの野鳥やシオマネキなどアカテガニなどの水生生物など、多くの野生動物の命を育む場所として、環境保全の一端を担っています。

大阪南港野鳥園は野鳥観察に最適!

大阪南港野鳥園-展望塔からの眺め

大阪南港野鳥園はその名の通り、野鳥の楽園と言っても過言ではないほど多くの野鳥が訪れる大阪屈指の探鳥スポットです。

年間約150種もの野鳥が飛来してくると言われていて、留鳥はもちろん、夏鳥や冬鳥、そして渡りの途中で春や秋に飛来してくる旅鳥も多く、一年中バードウォッチングを楽しめるスポットとなっています。

特に旅鳥であるシギの仲間やチドリの仲間は希少性が高く、大阪南港野鳥園では人気の野鳥です。なお、2003年には国際的な湿地保全制度の『シギ・チドリネットワーク』に登録されるなど、渡り鳥の中継地として重要な湿地帯であることが世界的にも認められました。

また、旅鳥以外にもオオタカやミサゴ、ノリスなどの猛禽類もよく訪れ、間近で観察することができます。

大阪南港野鳥園の観察スポット

大阪南港野鳥園には

  • 北観察所
  • 展望塔
  • 南観察所

という野鳥を観察するための施設が設けられていて、観察窓越しに間近に野鳥を観察することができます。闇雲に歩き回って野鳥の観察ポイントを探すわけではないので、バードウォッチング初心者でも楽しみやすい環境と言えるでしょう。

また、大阪南港野鳥園では季節ごとに野鳥観察会も開催されていますので、特に初心者の方は参加するのがお勧めです。専門の野鳥ガイドの方によるレクチャーなどがありますので、より一層バードウォッチングを楽しむことができます。

大阪南港野鳥園で見られる野鳥

留鳥(一年を通して出会える鳥)

留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。

  • アオサギ
  • イソシギ
  • イソヒヨドリ
  • ウグイス
  • エナガ
  • オオタカ
  • カルガモ
  • カワウ
  • カワセミ
  • カワラヒワ
  • キセキレイ
  • ケリ
  • ゴイサギ
  • コサギ
  • シジュウカラ
  • スズメ
  • セイタカシギ
  • ダイサギ
  • チュウダイサギ
  • チュウヒ
  • チョウゲンボウ
  • トビ
  • ハクセキレイ
  • ハヤブサ
  • ヒヨドリ
  • ホオジロ
  • ミサゴ
  • ムクドリ
  • メジロ
  • モズ
  • ヤマガラ

アオサギ

海辺を歩くアオサギ

アオサギは体長が90センチ以上にもなる、日本で見られるサギの仲間では最大の鳥です。体が大きく見ごたえがあることからバードウォッチングではとても人気の野鳥となっています。

成鳥は足や首がスラリと長く、頭には黒い冠羽があります。背(翼)部分は灰色ですが、それがくすんだ青色に見えるのがアオサギという名前の由来と言われています。(諸説あります)

アオサギは浅い水辺で魚や両生類などの捕まえて食べていますが、時に小鳥を捕食することもあります。また、他の鳥から獲物を横取りすることでも知られています。

オオタカ

木の枝にとまっているオオタカ

オオタカはオスの体長が約50センチ、メスが約60センチほどとメスのほうが若干大きな鷹です。日本では九州より北に広く分布していて、タカ類の中では最もポピュラーなタカです。(日本で「タカ」といえば、このオオタカを指す場合がほとんどです)

肉食の野鳥で、スズメなどの小さな鳥から鳩やカモなども捕食します。水辺の木の上に止まっている場合は、そこにいる水鳥を狙っていて捕食するシーンを見ることができるかもしれません。

また、小鳥やカモの群れなどが一斉に飛び立った場合は、近くにいるオオタカに気がついて逃げた可能性がありますので、逃げた方向と逆方面を探すとオオタカを見つけらることがありますので、覚えておくと良いでしょう。

漂鳥

漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。

漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。

  • アオジ
  • アリスイ
  • ウミネコ
  • オオセグロカモメ
  • オオバン
  • カイツブリ
  • トラツグミ
  • ノスリ
  • ハイタカ
  • ビンズイ
  • マガモ
  • ルリビタキ

オオバン

水面を泳ぐオオバン

オオバンはツル目クイナ科の水鳥です。体長は40センチ弱あり、クイナの仲間では最大となっています。真っ黒い体に真っ白いクチバシとおでこというシンプルな配色が特徴的です。

足には水かきがあり水面を泳ぐのが得意です。水面近くにある水草の葉や種子を食べたり、潜水して水生植物の茎を食べたりします。また、雑食性で時には魚や昆虫を捕食することもあります。

カイツブリ

求愛中のカンムリカイツブリ

カイツブリは体長25~30センチほどの水鳥です。カモに似ていますがカイツブリ目カイツブリ科の鳥で、カモではありません。北海道や本州の北エリア、または山地では夏場の暖かい季節のみ生息する漂鳥ですが、本州中部以南の低地では留鳥として一年を通して観察できる野鳥となっています。

ベースの色は茶色ですが、首元の羽毛が夏は赤っぽく、冬は黄色っぽく淡い色に変化します。

体の作りとして歩くのにはバランスが悪いのですが、泳ぐのには適した体となっていて、潜水もとても得意な鳥です。潜水して小魚やエビ、水中の昆虫などを捕食します。

夏鳥

夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。

  • アカハラ
  • アマサギ
  • アマツバメ
  • エゾムシクイ
  • オオルリ
  • キビタキ
  • クロツグミ
  • コアジサシ
  • コサメビタキ
  • コチドリ
  • コムクドリ
  • サメビタキ
  • サンコウチョウ
  • サンショウクイ
  • ショウドウツバメ
  • シロチドリ
  • センダイムシクイ
  • チュウサギ
  • ツバメ
  • ノジコ

オオルリ

枝にとまっているオオルリ

オオルリは体長約16センチほどの野鳥です。メスは背中側が茶褐色で腹が白と地味なのに対し、オスはその名の通り背中側が濃い青(瑠璃色)に腹が白ととても美しい色を持っています。

夏場に日本に訪れ繁殖活動を行い、冬になると東南アジアなどに移動して越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってくる夏鳥です。

とても目立つ色をしていますが、木の高い場所にとまっていることが多く見つけるのが難しいと言われています。ゆっくりと「ピリーリー、ポィヒーリー、ピールリ、ピールリ、ジィ、ジィ」と美しい特徴的なさえずりをしますので、声を頼りに探してみると良いでしょう。

キビタキ

木の枝にとまるキビタキ

キビタキは体長13~14センチほどの小さな野鳥です。メスは地味な色合いですが、オスは黒をベースとした翼に旨や頭の一部に黄色い羽毛を持ち、カラフルな姿でバードウォッチャーを楽しませてくれます。

昆虫を捕食するため雑木林を好んで住処にしていますので、雑木林を中心に探してみると良いでしょう。また、明け方にオスは縄張りを誇示するために美しい声を発します。鳴き声を頼りに探すのもコツのひとつです。

夏場に日本で繁殖を行ったキビタキは、冬の訪れとともに東南アジアへ渡り越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってきます。

冬鳥

冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。

  • アトリ
  • ウミアイサ
  • ウミウ
  • オオジュリン
  • オカヨシガモ
  • オナガガモ
  • カシラダカ
  • キンクロハジロ
  • クロツラヘラサギ
  • コガモ
  • ジョウビタキ
  • シロハラ
  • セグロカモメ
  • ダイゼン
  • ツクシガモ
  • ツグミ
  • ハシビロガモ
  • ハジロカイツブリ
  • ヒドリガモ
  • ヘラサギ
  • ホオジロガモ
  • ホシハジロ
  • ミコアイサ
  • ミヤマホオジロ

オナガガモ

水面を泳ぐオナガガモのオス

オナガガモはその名の通り尾羽根が長いのが特徴的なカモです。ただし、尾羽根が長いのはオスのみで、メスはオスに比べて尾は短めとなっています。また、体長もオスは75センチほどまで成長するのに対し、メスは55センチほどと体格差もあります。

また、柄もメスは地味な色合いなのに比べ、オスは顔(頭部)が茶褐色ですが首から胸にかけて白い羽毛を持ち、派手ではありませんがユニークな模様を持つ水鳥となっています。

なお、夏場は局地に近いツンドラ地帯で繁殖を行い、冬に日本の本州以南で越冬する冬鳥です。

ツグミ

地上に降りているツグミ

ツグミは全長約24センチの野鳥です。体調はムクドリと同じくらいですが、ムクドリに比べてスマートな体型となっています。

羽の部分は茶褐色で、お腹や胸側は白と黒のまだら模様が特徴。まだら模様が濃くはっきりとしている個体がオスで、逆に薄い個体がメスです。

地面に降りて餌となる昆虫を探す際に、両足でピョンピョン跳ねるように移動する姿から古くは跳馬とも呼ばれていました。

旅鳥

旅鳥とは夏に日本より北の地域で繁殖し、冬は日本より下の地域に渡り越冬する野鳥で、渡りの途中で日本に立ち寄る渡り鳥です。

旅鳥は基本、春と秋に飛来してきますが、どちらか一方の季節だけに飛来してくるケースもあります。

  • アカアシシギ
  • アジサシ
  • ウズラシギ
  • エゾビタキ
  • エリマキシギ
  • オオソリハシシギ
  • オオムシクイ
  • オオメダイチドリ
  • オグロシギ
  • オバシギ
  • キアシシギ
  • キョウジョシギ
  • キリアイ
  • コアオアシシギ
  • コオバシギ
  • ソリハシシギ
  • チュウシャクシギ
  • ツメナガセキレイ
  • ツルシギ
  • トウネン
  • ハマシギ
  • ホウロクシギ
  • ムギマキ
  • ムナグロ
  • メダイチドリ

トウネン

トウネン

トウネンは体調が約15センチほどの、シギの仲間では小さい部類の野鳥です。体が小さいことに加え、くちばしと足もシギの仲間にしては短いのが特徴となっています。

背中側の翼は茶褐色に黒い軸斑を持ちます。

夏にシベリアやアラスカのツンドラ地帯で繁殖し、冬は東南アジアやオーストラリアで越冬しますが、その渡りの途中で旅鳥として日本に飛来してきます。

数百羽の群れで見られますが、昔は日本でも万単位の群れが見られたそうです。

キョウジョシギ

キョウジョシギ

キョウジョシギは体長約24センチほどのチドリ目シギ科に分類される野鳥です。シギの仲間では珍しく、くちばしや足は短めでずんぐりとしています。

夏にユーラシア大陸の北部などのツンドラ地帯で繁殖を行い、冬はアフリカ、オーストラリアで越冬します。その渡りの途中で日本に旅鳥として飛来してきます。

白と黒、栗色で構成されるまだら模様が特徴的で、その姿が京の女が着る派手な衣裳に例えられ「キョウジョシギ」という和名が付けられました。

大阪南港野鳥園へのアクセス

大阪南港野鳥園の場所(地図)

電車

最寄り駅はOsaka Metro南港ポートタウン線の『トレードセンター前駅』で、駅から大阪南港野鳥園までは徒歩10~15分の距離です。

最寄りのインターチェンジは阪神高速道路4号湾岸線の『南港北IC』で、ICから大阪南港野鳥園までは車で10~15分ほどです。

なお、大阪南港野鳥園には無料の駐車場が備わっています。駐車場が利用可能な時間は『9時~17時』です。

大阪南港野鳥園の野鳥に関するみんなのツイート

大阪府内のその他バードウォッチングスポット

大阪南港野鳥園のある大阪府には、魅力的なバードウォッチングスポットがまだまだたくさんあります。

西日本最大の都市として名高い大阪ですが、郊外はもちろん市街地にも緑が豊富な公園があるなど、意外にも野鳥観察に最適なスポットが豊富です。雑木林だけでなく池や湿地帯を有した公園も多く、見られる野鳥の種類も豊富なスポットが多く点在しています。

また、大阪は公共の交通機関が発達しているため、気軽にアクセスできるバードウォッチングスポットが多いのも特徴のひとつです。

以下の記事では、大阪府内にあるたくさんの探鳥地の中から初心者でも野鳥観察が楽しみやすい場所を厳選して紹介しています。

大阪でバードウォッチングをする際にはぜひ参考にしてください。
大阪府内の野鳥観察スポット11選!初心者でもバードウォッチングが楽しみやすい公園を中心に360写真付きで紹介

大阪南港野鳥園の基本情報

  • 住所:大阪府大阪市住之江区南港北3-5-30
  • 料金:無料
  • トイレ:あり
  • 駐車場:あり(無料)
  • 開園時間:9時~17時
  • 休園日:毎週水曜日
  • 公式サイト

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