鶴見緑地で野鳥観察のススメ。季節を感じながら楽しめるバードウォッチングスポットを360写真付きで紹介

鶴見緑地の概要

鶴見緑地は大阪府大阪市鶴見区と守口市にまたがる、敷地面積約122ヘクタールの大きな公園です。1972年に開園し、1990年に開催された『国際花と緑の博覧会』のメイン会場として利用されたことにより、正式名称は『花博記念公園鶴見緑地』となっています。

  • 咲くやこの花館(植物園)
  • 日本庭園
  • ばら園
  • 国際庭園

など博覧会当時の施設が残されており、今でも多種多様な植物を観察することが可能です。植物を通して四季を感じることができる他、採蜜体験イベントやじゃがいもの種付から収穫まで学べるじゃがいもスクールなど、体験型のイベントも定期的に開催されています。

また、広い園内には他にも

  • キャンプ場
  • バーベキュー場
  • 陳列館ホール
  • 水の館ホール(ハナミズキホール)
  • スポーツセンター
  • テニスコート
  • パークゴルフ場
  • プール
  • 運動場や球技場
  • 自然体験観察園

など様々な施設が設けられていて、大阪市民のレジャースポットとして活躍しています。年間の来場者数は約435万人にものぼり、一年を通して多くの人で賑わう公園となっています。

鶴見緑地は野鳥観察にも最適

鶴見緑地は国際花と緑の博覧会のメイン会場跡地というだけあって、緑豊かな公園となっています。クヌギやコナラの雑木林や梅林、野草広場などがあり、昆虫や野鳥など多くの野生動植物の命を育んでいます。

また、公園の中心には大池があるなど水辺も豊富で、野鳥が集まりやすい環境が揃っているのも、探鳥地としての魅力のひとつです。

バードウォッチャーに人気のカワセミもよく訪れる他、見応えのあるアオサギなどサギの仲間も観察することができます。

夏にはアカハラやオオルリなどの夏鳥が観察でき、冬場は越冬のために訪れたたくさんのカモ類で池が賑わい、季節ごとに異なる野鳥を観察できる貴重なスポットです。

猛禽類のオオタカも見られることに加え、渡り鳥(夏鳥)のヨタカが飛来してくることでも知られています。運が良ければ猛禽類が仮をする瞬間に出会えるかもしれません。

園内全域が野鳥観察スポットとなっていますが、大池や自然体験観察園、梅林や芝生広場など環境の異なる観察ポイントがあり一日中バードウォッチングをしても飽きないスポットです。

なお、園内には歩きやすい遊歩道が張り巡らされていますので、バードウォッチング初心者や年配の方でも野鳥観察を楽しみやすい環境が揃っています。

日本野鳥の会大阪支部による野鳥観察会も定期的に開催されていますので、初心者の方は参加してみるのも良いでしょう。専門的な知識を持った野鳥の会の方のガイド付きでバードウォッチングを楽しむことができます。

鶴見緑地で見られる野鳥

留鳥(一年を通して出会える鳥)

留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。

  • アオサギ
  • ウグイス
  • エナガ
  • オオタカ
  • カルガモ
  • カワウ
  • カワセミ
  • カワラヒワ
  • キセキレイ
  • ケリ
  • ゴイサギ
  • コゲラ
  • コサギ
  • コジュケイ
  • シジュウカラ
  • セグロセキレイ
  • ダイサギ
  • チュウダイサギ
  • ハクセキレイ
  • バン
  • ヒバリ
  • ヒヨドリ
  • ホオジロ
  • ムクドリ
  • メジロ
  • モズ
  • ヤマガラ

アオサギ

水辺を歩くアオサギ

アオサギは体長が90センチ以上にもなる、日本で見られるサギの仲間では最大の鳥です。体が大きく見ごたえがあることからバードウォッチングではとても人気の野鳥となっています。

成鳥は足や首がスラリと長く、頭には黒い冠羽があります。背(翼)部分は灰色ですが、それがくすんだ青色に見えるのがアオサギという名前の由来と言われています。(諸説あります)

アオサギは浅い水辺で魚や両生類などの捕まえて食べていますが、時に小鳥を捕食することもあります。また、他の鳥から獲物を横取りすることでも知られています。

カワラヒワ

カワラヒワは体長14センチほどで、スズメと同じくらいの大きさの野鳥です。茶褐色がベースの色で一見地味に見えますが、翼の一部が黄色い羽毛となっていて、飛び立つと黄色い模様が目立ちます。

雛には虫の幼虫を与えますが、成鳥は主に植物の種を好んで食べます。森や林だけでなく、街路樹や庭木などにも巣を作ることで知られています。

漂鳥

漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。

漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。

鶴見緑地では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。

  • アオジ
  • オオバン
  • オシドリ
  • カイツブリ
  • シメ
  • ハイタカ
  • マガモ
  • ルリビタキ
  • イカル

アオジ

枝の上のアオジ

アオジは体長16センチほどで、スズメよりやや大きな小鳥です。

翼は茶褐色で模様などもスズメに似ているためよく間違えられますが、胸から腹にかけて緑がかった薄い黄色の羽毛が特徴。アオジの『アオ』は緑色も含めた古い意味での青が由来と言われています。

夏に北海道や本州北部で繁殖を行い、冬になると積雪の殆どない地域へと移動して冬を越します。中にはロシアや中国から越冬するために日本に飛来する種のアオジもいます。

カイツブリ

水面を泳ぐカイツブリ

カイツブリは体長25~30センチほどの水鳥です。カモに似ていますがカイツブリ目カイツブリ科の鳥で、カモではありません。北海道や本州の北エリア、または山地では夏場の暖かい季節のみ生息する漂鳥ですが、本州中部以南の低地では留鳥として一年を通して観察できる野鳥となっています。

ベースの色は茶色ですが、首元の羽毛が夏は赤っぽく、冬は黄色っぽく淡い色に変化します。

体の作りとして歩くのにはバランスが悪いのですが、泳ぐのには適した体となっていて、潜水もとても得意な鳥です。潜水して小魚やエビ、水中の昆虫などを捕食します。

夏鳥

夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。

  • アカハラ
  • アマサギ
  • オオルリ
  • キビタキ
  • コアジサシ
  • コサメビタキ
  • コチドリ
  • コマドリ
  • コムクドリ
  • コルリ
  • サンコウチョウ
  • シロチドリ
  • センダイムシクイ
  • チュウサギ
  • ツバメ
  • ヨタカ

オオルリ

枝にとまっているオオルリ

オオルリは体長約16センチほどの野鳥です。メスは背中側が茶褐色で腹が白と地味なのに対し、オスはその名の通り背中側が濃い青(瑠璃色)に腹が白ととても美しい色を持っています。

夏場に日本に訪れ繁殖活動を行い、冬になると東南アジアなどに移動して越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってくる夏鳥です。

とても目立つ色をしていますが、木の高い場所にとまっていることが多く見つけるのが難しいと言われています。ゆっくりと「ピリーリー、ポィヒーリー、ピールリ、ピールリ、ジィ、ジィ」と美しい特徴的なさえずりをしますので、声を頼りに探してみると良いでしょう。

コチドリ

地面に降りてきたコチドリ

コチドリは体長約16センチほどの、日本に生息するチドリの仲間では最も小さい野鳥です。成鳥は頭部と背中が茶色、腹が白色で、首周りと顔の一部が黒と特徴的な色となっています。また、目の周りには黄色い輪があるのも特徴です。

動物食の鳥で、昆虫やミミズなどを食べる他、浅い水辺に入って水中の昆虫を捕食することもあります。

日本では夏鳥で、夏に本州や九州、四国などで繁殖を行い、越冬のため冬は海外へと渡ります。

冬鳥

冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。

  • アカハシハジロ
  • アカハジロ
  • アトリ
  • アメリカヒドリ
  • オカヨシガモ
  • オナガガモ
  • キレンジャク
  • キンクロハジロ
  • コガモ
  • ジョウビタキ
  • シロハラ
  • セグロカモメ
  • ツグミ
  • トモエガモ
  • ニシオジロビタキ
  • ハシビロガモ
  • ハチジョウツグミ
  • ヒドリガモ
  • ホシハジロ
  • マヒワ
  • マミチャジナイ
  • メジロガモ
  • ユリカモメ

ツグミ

地上に降りているツグミ

ツグミは全長約24センチの野鳥です。体調はムクドリと同じくらいですが、ムクドリに比べてスマートな体型となっています。

羽の部分は茶褐色で、お腹や胸側は白と黒のまだら模様が特徴。まだら模様が濃くはっきりとしている個体がオスで、逆に薄い個体がメスです。

地面に降りて餌となる昆虫を探す際に、両足でピョンピョン跳ねるように移動する姿から古くは跳馬とも呼ばれていました。

ヒドリガモ

群れで水面を漂うヒドリガモ

ヒドリガモはオスの体長が約50センチ、メスが40センチほどのカモです。マガモやコガモと同様、日本ではよく目にするポピュラーなカモとなっています。

見た目はオスのほうが派手な色合いとなっていて、顔は茶色いがベースに額から頭頂部にかけてクリーム色のラインが入っています。背中側は灰色ですが尾羽根に近い先の方は美しい黒色となっています。

ユーラシア大陸の北部で繁殖を行い、越冬のために日本などに渡ります。日本では冬に全国で観察することができます。淡水の池だけでなく、海上や海岸でみかけることも多い野鳥です。

旅鳥

枝に止まるエゾビタキ

旅鳥とは夏に日本より北の地域で繁殖し、冬は日本より下の地域に渡り越冬する野鳥で、渡りの途中で日本に立ち寄る渡り鳥です。

旅鳥は基本、春と秋に飛来してきますが、どちらか一方の季節だけに飛来してくるケースもあります。

鶴見緑地には『エゾビタキ』や『ムギマキ』などの旅鳥が飛来してくることで知られています。

鶴見緑地へのアクセス

鶴見緑地の場所(地図)

電車

最寄り駅はOsaka Metroの『鶴見緑地駅』で、駅は鶴見緑地に隣接する形となっていて駅を出ると眼の前が公園です。

車・駐車場

阪神高速守口線ぼ『森小路ランプ』から車で10~15分です。また、近畿自動車道の『大東鶴見インターチェンジ』からも10~15分の距離です。

なお、鶴見緑地には

  • 中央第一駐車場(収容台数370台)
  • 中央第二駐車場(239台)
  • 南駐車場(303台)
  • 北西駐車場(122台)
  • 西駐車場(69台)

の5つの有料駐車場が備わっています。駐車料金はいずれも

  • 7時~19時:60分300円
  • 19時~7時:120分100円
  • 24時間最大:平日700円、休日1,000円

となっています。

鶴見緑地の野鳥に関するツイート

大阪府内のその他バードウォッチングスポット

鶴見緑地のある大阪府には、魅力的なバードウォッチングスポットがまだまだたくさんあります。

西日本最大の都市として名高い大阪ですが、郊外はもちろん市街地にも緑が豊富な公園があるなど、意外にも野鳥観察に最適なスポットが豊富です。雑木林だけでなく池や湿地帯を有した公園も多く、見られる野鳥の種類も豊富なスポットが多く点在しています。

また、大阪は公共の交通機関が発達しているため、気軽にアクセスできるバードウォッチングスポットが多いのも特徴のひとつです。

以下の記事では、大阪府内にあるたくさんの探鳥地の中から初心者でも野鳥観察が楽しみやすい場所を厳選して紹介しています。

大阪でバードウォッチングをする際にはぜひ参考にしてください。
大阪府内の野鳥観察スポット11選!初心者でもバードウォッチングが楽しみやすい公園を中心に360写真付きで紹介

鶴見緑地の基本情報

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