三ツ池公園の概要
三ツ池公園は神奈川県横浜市の鶴見区にある、敷地面積約30ヘクタールの総合公園です。その名の通り、江戸時代に作られた農業用水用の溜池をルーツとする3つの大きな池を持っています。
園の名前にもなっている3つの池の他には
- 軟式野球場
- テニスコート
- プール
などのスポーツ施設、
- 遊びの森(遊具広場)
- ジャンボすべり台
- 冒険の森
など子供向けの設備も充実していて、週末などはたくさんの家族連れで賑わうレジャースポットとなっています。お菓子や飲み物、軽食などを販売する売店や、キッチンカーも出店していて気軽にピクニックを楽しむこともできます。
また、三ツ池公園には約1,600本の桜の木が植樹されていて桜の名所としても有名です。『日本さくら名所100選』にも選ばれています。
植樹されている桜の種類も78品種と多く、早咲きから遅咲きまで長い期間、桜の花を楽しむことができるスポットとなっています。
三ツ池公園は野鳥観察に最適!
三ツ池公園は大きな3つの池を中心に、その周りにはたくさんの木々が植樹された雑木林があり野鳥が集まりやすい環境が揃っている公園です。池のほとりはもちろん、雑木林の中にも歩きやすい遊歩道が整備されていて、野鳥観察を楽しむのに最適なスポットとなっています。
園内全域が野鳥観察のポイントとなりますが、やはりメインは水鳥などで賑わう3つの池です。
冬場の池は、越冬のために飛来してきたカモ類などで賑わいを見せます。パンダガモという異名を持つ白と黒の特徴的な色を持つ『ミコアイサ』も見ることができる他、バードウォッチャーに人気のカワセミは一年を通して観察することができます。
三ツ池公園にはとても多くの種類の水鳥が飛来してきますので、何度足を運んでも飽きずにバードウォッチングが楽しむことが可能です。
また、水鳥の他にも雑木林や原っぱでもキビタキやトラツグミなど、普段街中ではなかなか見かけない野鳥を観察することができます。
桜の開花の時期にはメジロなどが花の蜜を吸いに訪れ、花見とバードウォッチングを同時に楽しめます。
なお、三ツ池公園では季節ごとに野鳥観察会も催されています。バードウォッチング初心者さんは参加してみると良いでしょう。野鳥観察会の日程や申込方法等については、公式サイトのイベント情報をチェックしてください。
三ツ池公園で見られる野鳥
留鳥(一年を通して出会える鳥)
留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。
- アオゲラ
- アオサギ
- アオバト
- イソヒヨドリ
- ウグイス
- エナガ
- オナガ
- ガビチョウ
- カルガモ
- カワウ
- カワセミ
- カワラヒワ
- キセキレイ
- ゴイサギ
- コゲラ
- コサギ
- コジュケイ
- シジュウカラ
- ダイサギ
- ツミ
- トビ
- ハクセキレイ
- バン
- ヒガラ
- ヒヨドリ
- ムクドリ
- メジロ
- モズ
- ヤマガラ
- アカエリカイツブリ
アオサギ
アオサギは体長が90センチ以上にもなる、日本で見られるサギの仲間では最大の鳥です。体が大きく見ごたえがあることからバードウォッチングではとても人気の野鳥となっています。
成鳥は足や首がスラリと長く、頭には黒い冠羽があります。背(翼)部分は灰色ですが、それがくすんだ青色に見えるのがアオサギという名前の由来と言われています。(諸説あります)
アオサギは浅い水辺で魚や両生類などの捕まえて食べていますが、時に小鳥を捕食することもあります。また、他の鳥から獲物を横取りすることでも知られています。
エナガ
エナガは柄杓の柄のような長い尾羽が特徴的な小さな鳥です。全長は尾羽を含めると13~14センチほどあり、また胴体の部分も羽が丸く膨らんでいるため実際より大きく見えますが、実際はとても小さい鳥で体重は8グラムほどしかありません。
スズメの体重が24グラムほどなので、スズメの半分以下の体重です。日本で一番小さい『キクイタダキ』の5グラムに次いで、日本で二番目に小さい鳥となっています。
漂鳥
漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。
漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。
三ツ池公園では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。
- アオジ
- ウソ
- オオバン
- カイツブリ
- シメ
- トラツグミ
- ノスリ
- ハイタカ
- マガモ
- ルリビタキ
アオジ
アオジは体長16センチほどで、スズメよりやや大きな小鳥です。
翼は茶褐色で模様などもスズメに似ているためよく間違えられますが、胸から腹にかけて緑がかった薄い黄色の羽毛が特徴。アオジの『アオ』は緑色も含めた古い意味での青が由来と言われています。
夏に北海道や本州北部で繁殖を行い、冬になると積雪の殆どない地域へと移動して冬を越します。中にはロシアや中国から越冬するために日本に飛来する種のアオジもいます。
オオバン
オオバンはツル目クイナ科の水鳥です。体長は40センチ弱あり、クイナの仲間では最大となっています。真っ黒い体に真っ白いクチバシとおでこというシンプルな配色が特徴的です。
足には水かきがあり水面を泳ぐのが得意です。水面近くにある水草の葉や種子を食べたり、潜水して水生植物の茎を食べたりします。また、雑食性で時には魚や昆虫を捕食することもあります。
夏鳥
夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。
- アカハラ
- エゾムシクイ
- キビタキ
- コサメビタキ
- サンショウクイ
- ツバメ
アカハラ
アカハラは成長だと全長24センチほどになる比較的大きな野鳥です。胸からお腹辺りまでオレンジ色の羽毛に覆われているのが名前の由来となっています。
明るく開けた場所で地上に降りてミミズや昆虫などを捕食します。
真夏の繁殖期には標高の高い場所で繁殖を行うため、三ツ池公園でアカハラを探す場合は春がお勧めです。
キビタキ
キビタキは体長13~14センチほどの小さな野鳥です。メスは地味な色合いですが、オスは黒をベースとした翼に旨や頭の一部に黄色い羽毛を持ち、カラフルな姿でバードウォッチャーを楽しませてくれます。
昆虫を捕食するため雑木林を好んで住処にしていますので、雑木林を中心に探してみると良いでしょう。また、明け方にオスは縄張りを誇示するために美しい声を発します。鳴き声を頼りに探すのもコツのひとつです。
夏場に日本で繁殖を行ったキビタキは、冬の訪れとともに東南アジアへ渡り越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってきます。
冬鳥
冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。
- オカヨシガモ
- オナガガモ
- キンクロハジロ
- コガモ
- ジョウビタキ
- シロハラ
- スズガモ
- タシギ
- ツグミ
- ハシビロガモ
- ヒドリガモ
- ホシハジロ
- ミコアイサ
- ユリカモメ
- ヨシガモ
キンクロハジロ
キンクロハジロは体長40~45センチほどの、カモ目カモ科に属する野鳥です。
カモの仲間ですが名前にカモは入っておらず、目の周りが黄色、頭部や背中、胸が黒、腹や翼の一部が白というオスの見た目が名前の由来となっています。なお、メスはオスに対して地味な色で体全体が茶褐色です。
夏場にシベリアやヨーロッパの北部など北の地域で繁殖活動を行い、冬に日本等に飛来して越冬します。水に潜って小魚を捕食したり、飛び立つ際に水面を除草するなど見るものを楽しませてくれる野鳥となっています。
ミコアイサ
ミコアイサはオスの体長が44センチ、メスが39センチほどのカモ目カモ科に属する野鳥です。オスの見た目がとても特徴的で、真っ白い羽毛をベースに目の周りや頭や背中の一部が黒く、まるでパンダのようにみえることから別名『パンダガモ』とも呼ばれています。
夏はユーラシア大陸亜寒帯のタイガで過ごし、冬はヨーロッパや中国、インド北部や日本に渡り越冬します。
三ツ池公園へのアクセス
三ツ池公園の場所(地図)
電車
最寄り駅はJRの『鶴見駅』で、駅から公園までは徒歩30分と距離があります。
なお、鶴見駅や新横浜駅から市営バスを利用して行くことも可能です。最寄りのバス停は『三ツ池公園北門』で、バス停から公園までは徒歩3分となっています。
車・駐車場
最寄りのインターチェンジは『岸谷生麦IC』で、ICから三ツ池公園までは車で10分弱とアクセスしやすい場所にあります。
なお、三ツ池公園には『北門駐車場』と『正門駐車場』の2つの有料駐車場が備わっています。普通車の駐車料金はいずれも『1回:510円』です。ただし。繁盛期となる3/16~4/15、4/29~5/5だけは『1回:830円』と値上がりします。
三ツ池公園の野鳥に関するみんなのツイート
アオジ、それごはんちゃう。
小石や。#アオジ #野鳥 #三ツ池公園 pic.twitter.com/BXJlu1WNYp— ハタコ∧( ‘Θ’ )∧鳥垢 (@hataco_tori) March 20, 2017
春がきたよ。#ヒヨドリ #野鳥 #三ツ池公園 pic.twitter.com/0ZXXJCCYlK
— ハタコ∧( ‘Θ’ )∧鳥垢 (@hataco_tori) March 17, 2017
三ツ池公園の中の池。キンクロハジロやホシハジロの群れの中にミコアイサの♀。先週もこうした状況で見つけた。昨年12月に見て以来だったのだが、実は、こうして群れに紛れていついていたのだろうか。 pic.twitter.com/tlsAaF15XU
— Sakamoto Yosiyuki (@slave8th) February 3, 2019
カイツブリ情報確認の為、三ッ池公園に直行した。傘をさして探す事になったが、カイツブリの姿なし。地元の方の話では、浮巣に2個の卵があったが、なくなってしまったとの事。園内を巡回すると、まだキンクロハジロが23羽も残っていた。今は繁殖期…ペアのカワセミが佇んでいた。(三ツ池公園4/13) pic.twitter.com/rVthkA9N06
— Yoshio Ichikawa (@ShichuanFangnan) April 13, 2021
1/10三ツ池公園まとめ アオサギ、ジョウビタキ、モズ、カワセミ 撮れる鳥が定番化してしまってる… アオゲラとアカゲラは必死に探したけど見つからず アオサギはここでは初見珍しいかも pic.twitter.com/Tf0wLqCdrE
— SatoF (@sato_f) January 10, 2015
神奈川県内のその他バードウォッチングスポット
神奈川県内には三ツ池公園以外にもまだまだたくさんのバードウォッチングスポットがあります。横浜などの大都市を抱えているため都会のイメージが強い神奈川ですが、意外にも自然が残るスポットも多く、野鳥観察が楽しめる場所も豊富です。
海沿いの公園や都市公園、標高の高いエリアなど環境も様々で、見られる野鳥が豊富なところも魅力のひとつです。また、電車などで都心からのアクセスしやすいスポットも多く、初心者でも野鳥観察が楽しみやすい場所も多いのが特徴です。
以下の記事では神奈川県内の数あるバードウォッチングスポットのうち、初心者でも楽しみやすいスポットを中心に複数紹介しています。神奈川県内でバードウォッチングを楽しむ際の参考にしてください。
▶神奈川県の野鳥観察スポット11選!初心者でもバードウォッチングが楽しみやすい公園や池などを360写真付きで紹介
三ツ池公園の基本情報
- 住所:神奈川県横浜市鶴見区三ツ池公園1-1
- 電話番号:045-581-0287
- 料金:無料
- トイレ:あり
- 駐車場:あり(有料)
- 三ツ池公園の公式サイト
- 園内マップ
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