服部緑地で野鳥観察のススメ。初心者でも楽しみやすいバードウォッチングスポットを360写真付きで紹介

服部緑地の概要

服部緑地は大阪府豊中市にある敷地面積約126ヘクタールの大きな緑地公園です。豊かな自然や様々な施設を備えた大阪を代表する緑地の一つで、同府内の大泉緑地、鶴見緑地、久宝寺緑地とともに大阪四大緑地に数えられています。

園内には円形花壇やあじさい園、都市緑化植物園などがあり、四季折々の自然を楽しむことができます。植物関連の施設の他にも、陸上競技場や野球場、テニスコートなどスポーツ関連の設備も充実していて、多くの市民が利用する公園となっています。

また、園内には日本民家集落博物館があり、江戸時代から明治時代にかけての農村や漁村の暮らしを学ぶことができます。建物や道具、生活用品などが展示され、昔ながらの風景を味わうことができます。

2024年には大規模な改修が行われ、『Hattori Well-being Park』として生まれ変わる予定です。リニューアル後は複合型温浴施設なども設けられるとのことで、ますます多くの人が訪れる一大レジャースポットになることが想定されます。

服部緑地は野鳥観察にも最適

服部緑地はその名の通り緑豊かな公園であることに加え、うづわ池や新宮池、山ヶ池や若竹池など10個以上の池があります。雑木林やいなり山など木々があるエリアと水辺とが近くにあり、野鳥が集まりやすい環境が揃っている公園です。

水辺ではバードウォッチャーに人気のカワセミが観察できたり、見応えのあるアオサギなどサギの仲間も頻繁に飛来してきたりします。

服部緑地には桜の木や梅林などがありますが、開花の時期は花の蜜を吸いにメジロなどがよく飛来してきますので、花見と同時に野鳥観察を楽しむことも可能です。

また、夏にはオオルリやキビタキなど色鮮やかな夏鳥が飛来してくる他、冬場はカモ類などの冬鳥で各池が賑わいをみせます。一年を通して季節ごとに様々な野鳥を観察できる貴重なスポットとなっています。

広い園内全域が野鳥観察スポットとなっていますが、歩きやすい遊歩道が張り巡らされていますので、バードウォッチング初心者や年配の方でも野鳥観察が楽しみやすいのも魅力のひとつです。

なお、日本野鳥の会大阪支部による野鳥観察会が定期的に開催されていますので、初心者の方は参加してみるのも良いでしょう。野鳥に詳しいスタッフの方のガイド付きで野鳥観察を楽しむことができます。

野鳥観察の参加方法については、日本野鳥の会大阪支部の公式サイトをご確認ください。

服部緑地で見られる野鳥

留鳥(一年を通して出会える鳥)

留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。

  • アオゲラ
  • アオサギ
  • イソヒヨドリ
  • ウグイス
  • エナガ
  • オオタカ
  • カルガモ
  • カワウ
  • カワセミ
  • カワラヒワ
  • キセキレイ
  • ゴイサギ
  • コゲラ
  • コサギ
  • シジュウカラ
  • セグロセキレイ
  • セッカ
  • ソウシチョウ
  • ダイサギ
  • チョウゲンボウ
  • トビ
  • ハクセキレイ
  • バン
  • ヒヨドリ
  • ミソサザイ
  • ムクドリ
  • メジロ
  • モズ
  • ヤマガラ
  • エゾビタキ
  • ノゴマ

カワセミ

枝にとまっているカワセミ

カワセミはバードウォッチングをする方にとって人気の高い鳥の一種です。カワセミを漢字で書くと『翡翠』と書くのですが、宝石のヒスイはカワセミからその名が付けられています。カワセミ自体も別名『飛ぶ宝石』とも言われるほど美しい色を持つ鳥です。

体調は約17センチほどで体の大きさの割にクチバシが長いのが特徴的です。背中側は美しいコバルトブルーで、お腹側は鮮やかなオレンジ色となっています。

池や川の水辺の枝などにとまって獲物を探し、獲物が見つかるとスーッと水中に飛び込み小魚を捕まえます。枝などがない場合はホバリングした状態で獲物を探すこともあります。

ゴイサギ

水辺に佇むゴイサギ

ゴイサギは体長60センチ前後のペリカン目サギ科に属する野鳥です。翼を広げると1メートル以上となり、バードウォッチングでは見ごたえのある野鳥として人気です。

夜行性の鳥で昼間は林の中や水辺近くの木の上でじっとしていることが多く、日が傾きかけた頃に池に訪れて小魚を捕食する姿が見られます。

日が落ちた夜には大きな声で「クワッ」っとカラスのように泣くことから、別名『ヨガラス(夜烏)』とも呼ばれています。

漂鳥

漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。

漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。

服部緑地では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。

  • アオジ
  • オオバン
  • オシドリ
  • カイツブリ
  • シメ
  • トラツグミ
  • ハイタカ
  • ビンズイ
  • マガモ
  • ルリビタキ
  • イカル
  • キクイタダキ

オオバン

水面を泳ぐオオバン

オオバンはツル目クイナ科の水鳥です。体長は40センチ弱あり、クイナの仲間では最大となっています。真っ黒い体に真っ白いクチバシとおでこというシンプルな配色が特徴的です。

足には水かきがあり水面を泳ぐのが得意です。水面近くにある水草の葉や種子を食べたり、潜水して水生植物の茎を食べたりします。また、雑食性で時には魚や昆虫を捕食することもあります。

トラツグミ

地面に降りているトラツグミの後ろ姿

トラツグミは体長約30センチほどのスズメ目ツグミ科に属する野鳥です。羽毛の色は黄褐色をベースに黒い鱗状の斑がまんべんなく入っていて、トラの模様を連想させる色味となっています。

山地で繁殖を行い、冬は積雪のない地域へと移動します。冬場は市街地の公園などでも見ることができます。

雑食性で、地面に降りて落ち葉をかき分けてミミズなどを捕食します。

夏鳥

夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。

  • アカハラ
  • オオルリ
  • キビタキ
  • クロツグミ
  • コサメビタキ
  • コマドリ
  • ササゴイ
  • サンコウチョウ
  • センダイムシクイ
  • ツバメ
  • メボソムシクイ
  • ヤブサメ

オオルリ

枝にとまっているオオルリ

オオルリは体長約16センチほどの野鳥です。メスは背中側が茶褐色で腹が白と地味なのに対し、オスはその名の通り背中側が濃い青(瑠璃色)に腹が白ととても美しい色を持っています。

夏場に日本に訪れ繁殖活動を行い、冬になると東南アジアなどに移動して越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってくる夏鳥です。

とても目立つ色をしていますが、木の高い場所にとまっていることが多く見つけるのが難しいと言われています。ゆっくりと「ピリーリー、ポィヒーリー、ピールリ、ピールリ、ジィ、ジィ」と美しい特徴的なさえずりをしますので、声を頼りに探してみると良いでしょう。

メボソムシクイ

メボソムシクイ

メボソムシクイは体長約13センチの野鳥です。頭部から背中にかけては暗めの黄緑色で、目の上には細い眉斑があります。実際の目はもちろん丸い形ですが、この眉斑が細いことからメボソムシクイという名が付きました。

他のコムシクイやオオムシクイなどに比べると、やや黄色みが強く尾羽や翼長が長いという特徴を持っています。

夏場に日本の本州や四国で繁殖を行い、冬は越冬のために中国南東部、台湾、フィリピンなどに渡ります。

冬鳥

冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。

  • アカガシラサギ
  • アトリ
  • オカヨシガモ
  • オナガガモ
  • カンムリカイツブリ
  • キンクロハジロ
  • コガモ
  • ジョウビタキ
  • シロハラ
  • ツグミ
  • トモエガモ
  • ハシビロガモ
  • ハジロカイツブリ
  • ハチジョウツグミ
  • ヒドリガモ
  • ヒレンジャク
  • ホシハジロ
  • マミチャジナイ
  • ミコアイサ
  • ヨシガモ

カンムリカイツブリ

求愛中のカンムリカイツブリ

カンムリカイツブリは全長約56センチほどのカイツブリ目カイツブリ科に属する野鳥です。カイツブリ目の中ではクビナガカイツブリ類の次に大きな種類で、日本で見られるカイツブリの仲間では最大となっています。

その名の通り頭頂部に冠のような冠羽を持っているのが特徴です。また首周りにも飾り羽を持っていて、求愛時に冠羽と飾り羽を立ててダンスします。

日本では冬鳥に分類されますが、本州や北海道で繁殖する個体も増えてきています。大きな群れを作ることで知られていて、時には千羽を超える群れが見られることもあります。

ミコアイサ

水面を泳ぐミコアイサ

ミコアイサはオスの体長が44センチ、メスが39センチほどのカモ目カモ科に属する野鳥です。オスの見た目がとても特徴的で、真っ白い羽毛をベースに目の周りや頭や背中の一部が黒く、まるでパンダのようにみえることから別名『パンダガモ』とも呼ばれています。

夏はユーラシア大陸亜寒帯のタイガで過ごし、冬はヨーロッパや中国、インド北部や日本に渡り越冬します。

服部緑地へのアクセス

服部緑地の場所(地図)

電車

最寄り駅は北大阪急行電鉄南北線の『緑地公園駅』で、駅から公園までは徒歩約5分と電車でもアクセスしやすいバードウォッチングスポットです。

また、JR山陽本線の『曽根駅』も徒歩20分ほどと複数路線・駅が利用可能となっています。

車・駐車場

最寄りのインターチェンジは、名神高速道路『豊中IC』および、阪神高速11号池田線の『豊中南IC』『豊中北IC』となっています。いずれのICも公園まで車で15分ほどの距離です。

なお、服部緑地には有料駐車場が備わっています。駐車料金は最初の1時間が『390円』で、その後1時間毎に120~130円ずつ加算されます。駐車料金の詳細は公式サイトの料金表(PDF)をご確認ください。

服部緑地の野鳥に関するみんなのツイート

大阪府内のその他バードウォッチングスポット

服部緑地のある大阪府には、魅力的なバードウォッチングスポットがまだまだたくさんあります。

西日本最大の都市として名高い大阪ですが、郊外はもちろん市街地にも緑が豊富な公園があるなど、意外にも野鳥観察に最適なスポットが豊富です。雑木林だけでなく池や湿地帯を有した公園も多く、見られる野鳥の種類も豊富なスポットが多く点在しています。

また、大阪は公共の交通機関が発達しているため、気軽にアクセスできるバードウォッチングスポットが多いのも特徴のひとつです。

以下の記事では、大阪府内にあるたくさんの探鳥地の中から初心者でも野鳥観察が楽しみやすい場所を厳選して紹介しています。

大阪でバードウォッチングをする際にはぜひ参考にしてください。
大阪府内の野鳥観察スポット11選!初心者でもバードウォッチングが楽しみやすい公園を中心に360写真付きで紹介

服部緑地の基本情報

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