武蔵丘陵森林公園で野鳥観察のススメ。季節ごとにたくさんの鳥に出会えるバードウォッチングスポットを360度写真付きで紹介

武蔵丘陵森林公園の概要

武蔵丘陵森林公園は埼玉県比企郡滑川町と熊谷市にまたがる総面積304ヘクタールにもなるとても広い国営の森林公園です。国による明治百年記念事業の一つとして1974年7月に初の国営公園として開園しました。

入園料は

  • 大人(高校生以上):450円
  • シニア(65歳以上):210円
  • 中学生以下:無料

となっています。なお、みどりの日など年に数回だけ入園無料となる日がありますが、無料の日はとても多くの人で混雑が予想されますので、混雑を避けたい場合はご注意ください。

広大な園内には、

  • 日本一大きなエアートランポリンが自慢の『ぽんぽこマウンテン』
  • アスレチック遊具のある『むさしキッズドーム』
  • フィールドアスレチックのある『冒険コース』
  • 巨大なじゃぶじゃぶ池の『水遊び場』
  • 水遊びもできる人工小川がある『渓流広場』

などに加え、全長17kmもあるサイクリングコースや、5kmと10kmの2つのマラソンコースなど様々な施設が設けられていて、週末などにはたくさんのレジャー客で賑わいを見せます。

武蔵丘陵森林公園は野鳥観察にも最適

レジャースポットとして人気の武蔵丘陵森林公園ですが、レジャー施設以外にも広大な雑木林や池沼・湿地帯などの水辺など多彩な環境を有しており、多くの野生動植物が暮らすエリアとなっています。

武蔵丘陵森林公園に暮らす留鳥はもちろん、越冬のために海外から渡ってくる冬鳥などもとても多く、野鳥観察にも最適な公園です。

広い園内全域でバードウォッチングが楽しめ、水辺付近ではカモ類やサギの仲間などの他、バードウォッチャーに人気のカワセミを観察することもできます。芝生広場や原っぱではトラツグミに出会えることがあったり、雑木林ではフクロウに出会える可能性もあり、季節や環境ごとに多種多様な野鳥を観察できる魅力的なバードウォッチングスポットとなっています。

園内は歩きやすい遊歩道が整備されていて、バードウォッチング初心者さんや年配の方でも野鳥観察しやすい環境が整っています。また、定期的に野鳥観察会も開催されていますので、初心者の方はベテランの方のレクチャーも受けられる観察会に参加するのもお勧めです。

野鳥観察のポイントについては、公式サイトの『野鳥観察セルフガイドマップ(植物園周辺)』をチェックしておくと良いでしょう。

武蔵丘陵森林公園で見られる野鳥

留鳥(一年を通して出会える鳥)

留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。

  • アオゲラ
  • アオサギ
  • アカゲラ
  • イソシギ
  • ウグイス
  • エナガ
  • オオタカ
  • オナガ
  • カケス
  • ガビチョウ
  • カルガモ
  • カワウ
  • カワセミ
  • カワラヒワ
  • キジ
  • キジバト
  • キセキレイ
  • コゲラ
  • シジュウカラ
  • スズメ
  • セグロセキレイ
  • ダイサギ
  • ハクセキレイ
  • ハシブトガラス
  • ハシボソガラス
  • バン
  • ヒヨドリ
  • フクロウ
  • ホオジロ
  • ムクドリ
  • メジロ
  • モズ
  • ヤマガラ
  • リュウキュウサンショウクイ

エナガ

木の枝にとまるエナガ

エナガは柄杓の柄のような長い尾羽が特徴的な小さな鳥です。全長は尾羽を含めると13~14センチほどあり、また胴体の部分も羽が丸く膨らんでいるため実際より大きく見えますが、実際はとても小さい鳥で体重は8グラムほどしかありません。

スズメの体重が24グラムほどなので、スズメの半分以下の体重です。日本で一番小さい『キクイタダキ』の5グラムに次いで、日本で二番目に小さい鳥となっています。

ハクセキレイ

ハクセキレイ

ハクセキレイは体長約21センチほどの野鳥です。スマートな体型をしていて、尾羽根が少し長いのが特徴となっています。

頭部から背中にかけて黒色もしくは灰色で腹部は白色で、首元にも黒色が入っています。雄の夏羽は黒色となりコントラストがはっきりとします。

昔、関東では冬鳥として知られていましたが、繁殖地が南下し1970年代以降は東京での繁殖も確認され留鳥となっています。

漂鳥

漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。

漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。

  • アオジ
  • ウソ
  • オオバン
  • オシドリ
  • カイツブリ
  • クロジ
  • シメ
  • トラツグミ
  • ノスリ
  • ハイタカ
  • ビンズイ
  • マガモ
  • ルリビタキ
  • イカル
  • キクイタダキ

オシドリ

水面を進むオシドリ

オシドリはオスの体長45センチ前後、メスが40センチほどでオスのほうが若干体の大きな水鳥です。体の大きさだけでなく、オスは少し派手な色彩となっているのに対し、メスは地味な色合いの鳥となっています。

「オシドリ夫婦」という言葉の由来にもなっていて、ツガイで行動していることが多く、その仲睦まじい姿からバードウォッチングの対象としても人気の高い野鳥です。

暖かい季節に北海道などの北の地域で繁殖を行い、冬場は本州以南に移動して越冬する漂鳥ですが、海外から渡ってくる冬鳥のオシドリもいるようです。

トラツグミ

地面に降りているトラツグミの後ろ姿

トラツグミは体長約30センチほどのスズメ目ツグミ科に属する野鳥です。羽毛の色は黄褐色をベースに黒い鱗状の斑がまんべんなく入っていて、トラの模様を連想させる色味となっています。

山地で繁殖を行い、冬は積雪のない地域へと移動します。冬場は市街地の公園などでも見ることができます。

雑食性で、地面に降りて落ち葉をかき分けてミミズなどを捕食します。

夏鳥

夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。

  • アカハラ
  • イワツバメ
  • オオルリ
  • キビタキ
  • サシバ
  • チュウサギ
  • ヤブサメ

アカハラ

木の枝にとまるアカハラ

アカハラは成長だと全長24センチほどになる比較的大きな野鳥です。胸からお腹辺りまでオレンジ色の羽毛に覆われているのが名前の由来となっています。

明るく開けた場所で地上に降りてミミズや昆虫などを捕食します。

真夏の繁殖期には標高の高い場所で繁殖を行うため、武蔵丘陵森林公園でアカハラを探す場合は春がお勧めです。

オオルリ

枝にとまっているオオルリ

オオルリは体長約16センチほどの野鳥です。メスは背中側が茶褐色で腹が白と地味なのに対し、オスはその名の通り背中側が濃い青(瑠璃色)に腹が白ととても美しい色を持っています。

夏場に日本に訪れ繁殖活動を行い、冬になると東南アジアなどに移動して越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってくる夏鳥です。

とても目立つ色をしていますが、木の高い場所にとまっていることが多く見つけるのが難しいと言われています。ゆっくりと「ピリーリー、ポィヒーリー、ピールリ、ピールリ、ジィ、ジィ」と美しい特徴的なさえずりをしますので、声を頼りに探してみると良いでしょう。

冬鳥

冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。

  • アカハシハジロ
  • アトリ
  • オカヨシガモ
  • オナガガモ
  • カシラダカ
  • キンクロハジロ
  • コガモ
  • ジョウビタキ
  • シロハラ
  • タヒバリ
  • ツグミ
  • トモエガモ
  • ハシビロガモ
  • ヒドリガモ
  • ホシハジロ
  • ミコアイサ
  • ミヤマホオジロ

キンクロハジロ

水面に浮かぶキンクロハジロ

キンクロハジロは体長40~45センチほどの、カモ目カモ科に属する野鳥です。

カモの仲間ですが名前にカモは入っておらず、目の周りが黄色、頭部や背中、胸が黒、腹や翼の一部が白というオスの見た目が名前の由来となっています。なお、メスはオスに対して地味な色で体全体が茶褐色です。

夏場にシベリアやヨーロッパの北部など北の地域で繁殖活動を行い、冬に日本等に飛来して越冬します。水に潜って小魚を捕食したり、飛び立つ際に水面を除草するなど見るものを楽しませてくれる野鳥となっています。

ジョウビタキ

枝にとまっているジョウビタキ

ジョウビタキは全長約15センチほどの小さな野鳥です。

ベースの色は薄い茶色に、オスのみ頭が銀白色に顔部分が黒と比較的カラフルな羽毛を持っていますが、メスは翼の一部に白斑があるのみで地味な色味となっていてスズメに見間違えられることもあります。

夏にチベットやロシア極東などで繁殖を行い、冬になれると日本全国に渡り鳥としてやってきますが、近年は日本国内での繁殖も確認されています。

体の小さい鳥は群れることが多いのですが、こんおジョウビタキは群れを作らず単体で暮らしています。

武蔵丘陵森林公園へのアクセス

武蔵丘陵森林公園の場所(地図)

電車

東武東上線の『森林公園駅』が最寄り駅となっていますが、駅から一番近い公園の入口(南口)まで徒歩40~50分と距離があります。土日祝のみとなりますが、森林公園駅の北口ロータリーから公園南口への直通バスが出ていますので、利用すると良いでしょう、

車・駐車場

越自動車道の『東松山インターチェンジ』が最寄りのインターチェンジで、ICから公園までは車で10分ほどの道のりです。

なお、武蔵丘陵森林公園には『南口駐車場』『中央口駐車場』『西口駐車場』『北口駐車場』の4つの有料駐車場が備わっています。普通車の駐車料金はいずれも『1回650円』です。

武蔵丘陵森林公園の野鳥に関するみんなのツイート

埼玉県内のその他バードウォッチングスポット

武蔵丘陵森林公園のある埼玉県には、まだまだたくさんのバードウォッチングスポットがあります。

埼玉は海のない県として知られていますが、実は面積に占める河川の割合では日本一です。行政も『川の国埼玉』と銘打って、川の環境保護や再生事業に取り組んでいるため、野鳥が好む自然豊かな水辺が豊富で、野鳥観察に適したスポットが県内各所に存在しています。

都心からアクセスしやすく、気軽に野鳥観察が楽しめるスポットが多いのも埼玉の魅力のひとつと言えるでしょう。

以下の記事では、埼玉県の数あるバードウォッチングスポットの中から初心者でも楽しみやすい場所を厳選して紹介しています。

埼玉県内での探鳥の旅を楽しみたい方は、ぜひご参考ください。
埼玉県の野鳥観察スポット15選!初心者でもバードウォッチングが楽しめる公園などを中心に360度写真付きで紹介します

武蔵丘陵森林公園の基本情報

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