相模原公園で野鳥観察のススメ。多様な環境を兼ね揃えたバードウォッチングスポットを360度写真付きで紹介

相模原公園の概要

相模原公園は神奈川県相模原市南区にある敷地面積が約26ヘクタールの県立公園です。公園の南側には同規模の相模原麻溝公園(約21.3ヘクタール)が隣接していて、2つを合わせると約47.3ヘクタールととても大きな公園となっています。

1979年に開園し、1992年には『第9回全国都市緑化かながわフェア』として整備が進みました。現在園内には

  • フランス式庭園や壮大なメタセコイア並木が魅力の『噴水広場』
  • 100種類以上の花菖蒲が植樹されている『水無月園』
  • 県内最大規模を誇る大温室『トロピカルガーデン』
  • 約27,000平方メートルと広大な『芝生広場』
  • 緑溢れる武蔵野の雑木林に遊歩道が整備された『こもれびの径』
  • 専門のスタッフが植物に関する相談に乗ってくれる『緑の相談コーナー』

などが設けられていて、花と緑の情報発信拠点として人気を集めています。

また、植物関連の他にも

  • メルヘンチックな展望台『森の木展望台』
  • 子どもたちが水遊びを楽しめる『じゃぶじゃぶ池』
  • 足場が草地となっている『ドッグラン』
  • 小さなお子さんも楽しめる『遊具広場』

など様々な施設が揃っていて、週末にはたくさんの方が利用するレジャースポットです。

相模原公園は野鳥観察にも最適!

相模原公園の噴水広場付近

相模原公園はとても緑が豊かな公園であることに加え、園内には池など複数の水場もあり野鳥が集まりやすい環境が揃っています。また、公園の北側には『かながわの探鳥地50選』にも選ばれている相模原沈殿池があり、冬場には越冬のために飛来してきた水鳥で賑わいをみせます。

相模原公園の全域がバードウォッチングスポットとなっていますが、水辺や雑木林、背の高いメタセコイア並木やだだっ広い芝生広場など、環境の異なるエリアがあるため、見られる野鳥の種類が豊富なところも魅力のひとつです。

広い公園なので全てを廻るのは一苦労ですが、その分一日中いても飽きないバードウォッチングスポットとなっています。

水無月園

小さな池と菖蒲田のある水無月園は、水辺の周りに木々が植樹されていて野鳥観察に最適なスポットです。ジョウビタキやルリビタキなどの他、アオジやシメなどたくさんの野鳥を観察することができます。

せせらぎの園

公園の西端、県道52号相模原町田線を超えてその先にあるエリアです。元々はフィッシングパークという釣り堀があった場所で、今でも水辺が豊富に残るエリアです。

池や夏はじゃぶじゃぶ池にもなる小川の他、芝生広場などで構成されています。桜や梅が100本以上も植樹されていて、お花見のスポットとしても人気があります。

せせらぎの園には『上の池』『中の池』『下の池』と3つの池があり、カルガモが生息している他、コサギなども飛来してきます。

また、桜の開花時期は花の蜜を吸いにメジロなども集まってきますので、花見と野鳥観察とを同時に楽しむことも可能です。

メタセコイア並木

公園の東側、フランス式庭園にあるメタセコイア並木です。背の高いメタセコイアの頂上には獲物を探すチョウゲンボウなどの猛禽類が止まっていることがありますので、頭上も注意深く観察しましょう。

相模原沈殿池

相模原公園の北側にある、横浜市水道局の沈殿処理に使われているダムですが、冒頭でも書いた通り『かながわの探鳥地50選』にも選ばれている人気のバードウォッチングスポットとなっています。

特に冬場は越冬のために訪れたカモの仲間やカイツブリなどで賑わいをみせます。沈殿池の周辺は遊歩道が整備されていて、年配の方でも歩きやすい環境が整っています。ただし、柵越しの観察となるため相模原沈殿池で野鳥観察を楽しむ際は倍率の高い双眼鏡やカメラを持参することをおすすめします。

なお、相模原沈殿池には運が良ければオシドリも観察することができる貴重なスポットです。

相模原公園で見られる野鳥

留鳥(一年を通して出会える鳥)

留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。

  • アオゲラ
  • エナガ
  • カルガモ
  • カワウ
  • カワセミ
  • カワラヒワ
  • キジバト
  • キセキレイ
  • コゲラ
  • コサギ
  • コジュケイ
  • シジュウカラ
  • スズメ
  • セグロセキレイ
  • ダイサギ
  • チョウゲンボウ
  • ハクセキレイ
  • ヒヨドリ
  • ムクドリ
  • メジロ
  • モズ
  • ヤマガラ
  • リュウキュウサンショウクイ

エナガ

木の枝にとまるエナガ

エナガは柄杓の柄のような長い尾羽が特徴的な小さな鳥です。全長は尾羽を含めると13~14センチほどあり、また胴体の部分も羽が丸く膨らんでいるため実際より大きく見えますが、実際はとても小さい鳥で体重は8グラムほどしかありません。

スズメの体重が24グラムほどなので、スズメの半分以下の体重です。日本で一番小さい『キクイタダキ』の5グラムに次いで、日本で二番目に小さい鳥となっています。

キセキレイ

枝にとまっているキセキレイ

キセキレイは体長約20センチほどの野鳥で、スズメ目セキレイ科に属します。尾羽が長く体長の半分ほどを占め、いつもこの尾羽をフリフリと上下に動かす姿から、「石たたき」や「庭たたき」とも呼ばれます。

胸から腹部、お尻のほうにかけて黄色い羽毛で覆わているのが特徴で、特に夏場は黄色が鮮やかになり、見るものを魅了します。

群れは作らず単独かツガイで行動しています。渓流沿いで生活していることが多いので、水辺付近を探すと良いでしょう。

漂鳥

漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。

漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。

相模原公園では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。

  • アオジ
  • オオバン
  • オシドリ
  • カイツブリ
  • コガラ
  • シメ
  • トラツグミ
  • ハイタカ
  • ビンズイ
  • マガモ
  • ルリビタキ
  • イカル

オオバン

水面を泳ぐオオバン

オオバンはツル目クイナ科の水鳥です。体長は40センチ弱あり、クイナの仲間では最大となっています。真っ黒い体に真っ白いクチバシとおでこというシンプルな配色が特徴的です。

足には水かきがあり水面を泳ぐのが得意です。水面近くにある水草の葉や種子を食べたり、潜水して水生植物の茎を食べたりします。また、雑食性で時には魚や昆虫を捕食することもあります。

トラツグミ

地面に降りているトラツグミの後ろ姿

トラツグミは体長約30センチほどのスズメ目ツグミ科に属する野鳥です。羽毛の色は黄褐色をベースに黒い鱗状の斑がまんべんなく入っていて、トラの模様を連想させる色味となっています。

山地で繁殖を行い、冬は積雪のない地域へと移動します。冬場は市街地の公園などでも見ることができます。

雑食性で、地面に降りて落ち葉をかき分けてミミズなどを捕食します。

夏鳥

夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。

木の枝にとまるキビタキ

相模原公園には『キビタキ』などの夏鳥を観察することができます。

冬鳥

冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。

  • アトリ
  • オカヨシガモ
  • オナガガモ
  • カシラダカ
  • カンムリカイツブリ
  • キンクロハジロ
  • コガモ
  • ジョウビタキ
  • シロハラ
  • スズガモ
  • ツグミ
  • ハジロカイツブリ
  • ヒドリガモ
  • ヒレンジャク
  • ヨシガモ

カンムリカイツブリ

求愛中のカンムリカイツブリ

カンムリカイツブリは全長約56センチほどのカイツブリ目カイツブリ科に属する野鳥です。カイツブリ目の中ではクビナガカイツブリ類の次に大きな種類で、日本で見られるカイツブリの仲間では最大となっています。

その名の通り頭頂部に冠のような冠羽を持っているのが特徴です。また首周りにも飾り羽を持っていて、求愛時に冠羽と飾り羽を立ててダンスします。

日本では冬鳥に分類されますが、本州や北海道で繁殖する個体も増えてきています。大きな群れを作ることで知られていて、時には千羽を超える群れが見られることもあります。

ジョウビタキ

枝にとまっているジョウビタキ

ジョウビタキは全長約15センチほどの小さな野鳥です。

ベースの色は薄い茶色に、オスのみ頭が銀白色に顔部分が黒と比較的カラフルな羽毛を持っていますが、メスは翼の一部に白斑があるのみで地味な色味となっていてスズメに見間違えられることもあります。

夏にチベットやロシア極東などで繁殖を行い、冬になれると日本全国に渡り鳥としてやってきますが、近年は日本国内での繁殖も確認されています。

体の小さい鳥は群れることが多いのですが、こんおジョウビタキは群れを作らず単体で暮らしています。

相模原公園へのアクセス

相模原公園の場所(地図)

電車

最寄り駅はJR相模線の『原当麻駅』で、駅から公園までは徒歩15分ほどの距離です。

車・駐車場

圏央道の『相模原愛川インターチェンジ』から車で10分ほどの道のりです。

相模原公園には収容台数282台と規模の大きな有料駐車場(中央駐車場)が備わっています。普通車の駐車料金は

  • 平日
    ~2時間以内:100円
    2~3時間:150円
    3時間以上~:200円
  • 土日祝
    ~2時間以内:310円
    2~3時間:460円
    3時間以上~:610円

となっています。なお、駐車場の利用可能時間は『6時~20時』です。

また、相模原公園には『せせらぎの園』に併設された『公園西駐車場』もあり、規模は比較的小さいですが無料の駐車場となっています。公園西駐車場の利用可能時間は「7時~19時』と短くなっていますのでご注意ください。

相模原公園の野鳥に関するみんなのツイート

神奈川県内のその他バードウォッチングスポット

神奈川県内には東高根森林公園以外にもまだまだたくさんのバードウォッチングスポットがあります。横浜などの大都市を抱えているため都会のイメージが強い神奈川ですが、意外にも自然が残るスポットも多く、野鳥観察が楽しめる場所も豊富です。

海沿いの公園や都市公園、標高の高いエリアなど環境も様々で、見られる野鳥が豊富なところも魅力のひとつです。また、電車などで都心からのアクセスしやすいスポットも多く、初心者でも野鳥観察が楽しみやすい場所も多いのが特徴です。

以下の記事では神奈川県内の数あるバードウォッチングスポットのうち、初心者でも楽しみやすいスポットを中心に複数紹介しています。神奈川県内でバードウォッチングを楽しむ際の参考にしてください。
神奈川県の野鳥観察スポット11選!初心者でもバードウォッチングが楽しみやすい公園や池などを360写真付きで紹介

相模原公園の基本情報

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