和田堀公園の概要
和田堀公園は東京都杉並区にある都立公園です。善福寺川沿いに作られた公園で細長い形をしていて、その全長は約2キロメートル、上流に隣接する都立善福寺川緑地と合わせると約4.2キロメートルもあります。
もともと和田堀公園付近は地盤が低く、善福寺川の氾濫で水に浸かってしまう地形でした。そこで河川を改修して人工池を作り、池の周辺に防災公園を整備して作れたのが和田堀公園となっています。
園内はたくさんの木々が立ち並ぶ自然豊かな雑木林となっている他、
- 野球場
- 陸上競技場
- テニスコート
などのスポーツ施設や
- サイクリング広場
- バーベキュー広場
- 遊具広場
など地域住民がレジャーを楽しめる施設も揃っていて、老若男女幅広い層から親しまれる公園です。
和田堀公園は野鳥観察にも最適!
和田堀公園にはサクラやイチョウ、クヌギ、コナラなどたくさんの木々が善福寺川沿いに林を形成していて、緑溢れる公園となっています。また、善福寺川や和田堀池など水辺も豊富で、池や川にはタナゴやクチボソといった野鳥の餌となる小魚も豊富です。
野鳥が生息しやすい環境が揃っていて、一年を通していろんな種類の野鳥が訪れれる、都内有数のバードウォッチングスポットとなっています。
バードウォッチャーに人気のカワセミも頻繁に飛来する他、極稀にカラフトムシクイなどの珍しい野鳥に出会うこともできます。また、和田堀公園ではオオタカが営巣することでも知られています。
なお、和田堀公園には野鳥の生息環境を保護を目的に人の立ち入りを制限したバードサンクチュアリも設けられています。バードサンクチュアリは和田堀公園の東端、第2競技場の北側にあります。
バードサンクチュアリが設けられているおかげもあって、和田堀公園は非常に多くの種類の野鳥を観察することができるバードウォッチングスポットとなっています。
善福寺川沿いは両サイドに歩きやすい遊歩道が続き、お年寄りやバードウォッチング初心者でも野鳥観察が楽しみやすい環境となっているのが魅力のひとつです。
和田堀公園で見られる野鳥
留鳥(一年を通して出会える鳥)
留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。
- アオゲラ
- アオサギ
- エナガ
- オオタカ
- オナガ
- カルガモ
- カワウ
- カワセミ
- カワラバト
- カワラヒワ
- キジバト
- キセキレイ
- ゴイサギ
- コゲラ
- コサギ
- シジュウカラ
- スズメ
- ダイサギ
- ツミ
- ハクセキレイ
- ハシブトガラス
- ハシボソガラス
- ヒヨドリ
- ムクドリ
- メジロ
- モズ
エナガ
エナガは柄杓の柄のような長い尾羽が特徴的な小さな鳥です。全長は尾羽を含めると13~14センチほどあり、また胴体の部分も羽が丸く膨らんでいるため実際より大きく見えますが、実際はとても小さい鳥で体重は8グラムほどしかありません。
スズメの体重が24グラムほどなので、スズメの半分以下の体重です。日本で一番小さい『キクイタダキ』の5グラムに次いで、日本で二番目に小さい鳥となっています。
カワセミ
カワセミはバードウォッチングをする方にとって人気の高い鳥の一種です。カワセミを漢字で書くと『翡翠』と書くのですが、宝石のヒスイはカワセミからその名が付けられています。カワセミ自体も別名『飛ぶ宝石』とも言われるほど美しい色を持つ鳥です。
体調は約17センチほどで体の大きさの割にクチバシが長いのが特徴的です。背中側は美しいコバルトブルーで、お腹側は鮮やかなオレンジ色となっています。
池や川の水辺の枝などにとまって獲物を探し、獲物が見つかるとスーッと水中に飛び込み小魚を捕まえます。枝などがない場合はホバリングした状態で獲物を探すこともあります。
漂鳥
漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。
漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。
和田堀公園では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。
- カイツブリ
- シメ
- マガモ
- ルリビタキ
カイツブリ
カイツブリは体長25~30センチほどの水鳥です。カモに似ていますがカイツブリ目カイツブリ科の鳥で、カモではありません。北海道や本州の北エリア、または山地では夏場の暖かい季節のみ生息する漂鳥ですが、本州中部以南の低地では留鳥として一年を通して観察できる野鳥となっています。
ベースの色は茶色ですが、首元の羽毛が夏は赤っぽく、冬は黄色っぽく淡い色に変化します。
体の作りとして歩くのにはバランスが悪いのですが、泳ぐのには適した体となっていて、潜水もとても得意な鳥です。潜水して小魚やエビ、水中の昆虫などを捕食します。
シメ
シメは体長約18センチのスズメ目アトリ科の野鳥です。スズメよりも若干大きく、色は全身茶褐色がベースで翼の先が黒色となっています。
日本では夏場に北海道で繁殖を行い、寒い季節には本州に渡ってきて越冬します。カエデやムクノキなどの種子を主食としていますので、その付近を探すと良いでしょう。
鳴き声が「シー」と聞こえることから、鳥を意味する接尾語である「メ」からその名がついたと言われています。
夏鳥
夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。
- キビタキ
- コサメビタキ
キビタキ
キビタキは体長13~14センチほどの小さな野鳥です。メスは地味な色合いですが、オスは黒をベースとした翼に旨や頭の一部に黄色い羽毛を持ち、カラフルな姿でバードウォッチャーを楽しませてくれます。
昆虫を捕食するため雑木林を好んで住処にしていますので、雑木林を中心に探してみると良いでしょう。また、明け方にオスは縄張りを誇示するために美しい声を発します。鳴き声を頼りに探すのもコツのひとつです。
夏場に日本で繁殖を行ったキビタキは、冬の訪れとともに東南アジアへ渡り越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってきます。
冬鳥
冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。
- アトリ
- オナガガモ
- キンクロハジロ
- シロハラ
- ツグミ
- ヒドリガモ
- ホシハジロ
- ヨシガモ
オナガガモ
オナガガモはその名の通り尾羽根が長いのが特徴的なカモです。ただし、尾羽根が長いのはオスのみで、メスはオスに比べて尾は短めとなっています。また、体長もオスは75センチほどまで成長するのに対し、メスは55センチほどと体格差もあります。
また、柄もメスは地味な色合いなのに比べ、オスは顔(頭部)が茶褐色ですが首から胸にかけて白い羽毛を持ち、派手ではありませんがユニークな模様を持つ水鳥となっています。
なお、夏場は局地に近いツンドラ地帯で繁殖を行い、冬に日本の本州以南で越冬する冬鳥です。
ツグミ
ツグミは全長約24センチの野鳥です。体調はムクドリと同じくらいですが、ムクドリに比べてスマートな体型となっています。
羽の部分は茶褐色で、お腹や胸側は白と黒のまだら模様が特徴。まだら模様が濃くはっきりとしている個体がオスで、逆に薄い個体がメスです。
地面に降りて餌となる昆虫を探す際に、両足でピョンピョン跳ねるように移動する姿から古くは跳馬とも呼ばれていました。
旅鳥
和田堀公園には旅鳥または迷い鳥として『エゾビタキ』『カラフトムシクイ』などが飛来することもあります。
和田堀公園へのアクセス
和田堀公園の場所(地図)
電車
最寄り駅は京王井の頭線の『西永福』で、駅から公園までは徒歩15分ほどです。
駐車場
和田堀公園には第1~第2と2つの駐車場が備わっています。いずれも24時間営業で料金は
- 最初の1時間:300円
- その後20分ごと:100円
- 入庫後12時間最大料金:1,200円(最大料金は繰り返し適用)
となっています。
和田堀公園の野鳥に関するみんなのツイート
今日は、近所の和田堀公園に行って、野鳥撮影散歩してきました。
そしたら、運良くカワセミが撮れました😆♪
初めて撮れた!思ったより小さくて可愛かった!
運が良かったなぁ💕この感動をとにかく伝えたい☺️#写真好きな人と繋がりたい #photography #photo #kiss部 #カワセミ pic.twitter.com/VPIcin7X0D
— よしと (@yoshito_photo1) October 27, 2019
杉並区の和田堀公園で野鳥観察。都内の市街地でもこんなに観察できるんですね。ヒヨドリ・ツグミ・ムクドリ・カルガモ。#和田堀公園 #野鳥 #写真好きな人と繫がりたい #カメラ好きな人と繋がりたい #旅行好きな人と繋がりたい #ファインダー越しの私の世界 #Z7 #Nikon pic.twitter.com/Lyj3iXa3JM
— 大佐@たびフォト (@taisa_photo) February 19, 2020
朝日が水面に反射して
キラキラ光のお化粧✨
ちょっとかっこいい🎀#野鳥初心者 #野鳥 #ゴイサギ#和田堀公園 #杉並区#写真好きな人と繋がりたい
2020/8/29 朝6:20頃撮影 pic.twitter.com/DEaJHFmfZX— お散歩パンダ (@bluerabbit4007) August 29, 2020
え?ミゾゴイ?
…うーん、ゴイサギじゃないし…?コンデジズーム手ブレぎりぎり、眼を閉じた寝ている写真しか撮れなかったけど、家に帰って調べたら、どうやらゴイサギの幼鳥“ホシゴイ”のよう?
初めまして。#野鳥 #和田堀公園 #杉並区 pic.twitter.com/vmFgNWPhEB
— ささみ (@55_sasami) September 12, 2022
東京都内のその他バードウォッチングスポット
和田堀公園のある東京には、まだまだたくさんのバードウォッチングスポットがあります。大都会であるにも関わらず、野鳥が生息できる自然が残された場所も点在していて、観察できる野鳥も意外に豊富です。
以下の記事では、東京都内にあるバードウォッチングスポットを厳選して紹介しています。
▶東京都内の野鳥観察スポット21選!バードウォッチングに最適な公園などを360度写真付きで紹介します
都内なのでアクセスの便は良く、また基本は公園など遊歩道が整備された歩きやすい場所となっていますので、バードウォッチング初心者でも気軽に野鳥観察を楽しめる環境ばかりです。
東京都内で野鳥観察をする場合は、ぜひご参考ください。
和田堀公園の基本情報
- 住所:東京都杉並区成田西1-30-27
- 電話番号:03-3313-4247(善福寺川緑地サービスセンター)
- 料金:無料
- トイレ:あり
- 駐車場:あり
- 公式サイト
- 園内マップ(公式/PDF)
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