常滑港の概要
常滑港は愛知県常滑市にある港です。江戸時代、港周辺は陶業が盛んで製造された陶の積出港として、陶業とともに発展してきたという歴史を持っています。
現在では知多半島西海岸側の中央付近および、中部国際空港(通称セントレア)の人工島東海岸側の一帯に広がる規模の大きな港へと成長していて、中部国際空港島が開港した2005年から2年間は伊勢湾フェリーの発着場としても活躍していました。
愛知県では常滑港空港地区へクルーズ船を誘致することで中部国際空港島をより活性化し、「MICEを核とした国際観光都市」の実現を目指していることから、今後ますます重要な港となっていくことが予想されます。(詳しくは愛知県のHPをご確認ください)
常滑港の釣り場
常滑港は中部国際空港のある人工島まで広がる規模の大きな港ですが、釣りができるのは古くからある知多半島側の港護岸および防波堤などです。
知多半島側だけでも釣り場としての規模は大きく、環境の異なるポイントが複数あります。足場が広く、車を横付けして釣りができるポイントもあり、ファミリーフィッシングにも向いている釣りスポットとなっています。
常滑港の釣り場は大きく分けて
- 常滑港の港内護岸
- ハナヤ釣具店近くの小波止
- 前島港へと続く護岸
- 前島港の赤灯波止
の4つに分けられます。
①常滑港の港内護岸
外海から少々奥まった場所に位置する、港内の護岸ポイントです。足場はかなり広く、車を横付けして釣りが可能なポイントで、ファミリーフィッシングに最適なポイントとなっています。
外海から離れていますが、夏から秋にかけてはアジやイワシ、サバなどの回遊魚が回ってきます。大物狙いは難しいですが、アジやイワシ、サバの回遊のタイミングに合えば、小さなお子さんでもサビキ釣りなどで数釣りが楽しめるでしょう。
また、ちょい投げのぶっこみ釣りで手軽に狙えるハゼも人気のターゲットです。夏場の暑い時期には遠くに投げずとも手前側で比較的簡単に釣ることができます。秋には深場に移動している良型の落ちハゼを狙うのもお勧めです。
②ハナヤ釣具店近くの小波止
ハナヤ釣具店という釣具屋さんのすぐ近くから伸びる、全長180メートルほどの細長い波止です。
足場の幅が狭いため小さなお子さん連れには少々不向きですが、先端付近ではクロダイが釣れることで知られています。
また、波止は両サイドともに敷石が沈められていて、カサゴやメバルなどの根魚の好ポイントにもなっています。夜のメバリングも有効なポイントです。ただし、常夜灯は設置されていませんので、夜釣りの際は十分気をつけましょう。
波止の付け根付近ではタコやアナゴなど変わり種の釣果実績もあります。
③前島港へと続く護岸
②の小波止の対岸にあたるポイントです。護岸には高さ1メートルほどのコンクリの壁が設置されていて、基本は壁に登っての釣りとなりますので、小さなお子さんが一緒のファミリーフィッシングには少々不向きです。
狙える魚種は豊富で、浮きサビキでアジや小サバはもちろん、ぶっこみ釣りではシロギスやカレイなどの底物も狙えます。またクロダイを狙ってフカセ釣りをしている方も多く見かけます。
一部足元にテトラが入っているポイントもあり、テトラ周りではメバルやカサゴなどの根魚を比較的簡単に釣ることができます。釣り物の少なくなった冬場であれば、置き竿でカレイのアタリを待ちつつ、テトラ周辺で根魚を釣るのがお勧めです。
なお、釣り場は東向きとなっていて西風に強い釣り場となっています。常滑港の釣り場は陸に囲まれた湾となっていますので、外海側では風が強い日でも比較的このポイントは穏やかなことが多く、釣りがしやすいでしょう。
④前島港の赤灯波止
常滑港の釣り場から少し南へ進んだ外海側にある、前島港という港の防波堤です。全長360メートルほどある防波堤で、先端には赤灯台が建っています。
駐車場が近くになく常滑港の駐車スペースから少し歩くことになりますが、防波堤の足場はよくファミリーフィッシングにも向いているポイントです。ただし、柵などはありませんのでライフジャケットを着用のうえ釣りを楽しみましょう。
外海に近いポイントで狙える魚種も豊富です。初心者にお勧めのサビキ釣りではアジやイワシ、サバが狙え、朝マヅメや夕マヅメの時合のタイミングでは数釣りが楽しめます。また、涼しい季節にはサヨリの釣果も見込めます。少し遠投する必要がありますが、群れが回ってきているタイミングでは数釣りが楽しめるでしょう。
ルアーでシーバスやマゴチも狙えます。またシーバスやマゴチであれば、サビキ釣りで釣ったアジなどを生き餌に泳がせ釣りもお勧めです。釣り初心者でも思いがけない大物がヒットする可能性がありますので、ぜひ挑戦してみてください。
トイレ
残念ながら常滑港の釣り場にトイレはありません。近くのコンビニやイオンモール常滑のトイレを利用しましょう。なお、ファミリーに一番お勧めの「①常滑港の港内護岸」からイオンモールまでは徒歩10~15分ほどで、往復30分くらいはかかりますのでトイレはできるだけ事前に済ませておきましょう。
常滑港で釣れる魚
春
- メバル
- カサゴ
- クロダイ
- シーバス
- サヨリ
- アオリイカ
夏
- アジ
- イワシ
- サバ
- ハゼ
- シロギス
- ギマ
- アナゴ
- マゴチ
- クロダイ
- シーバス
秋
- アジ
- イワシ
- サバ
- ハゼ
- シロギス
- サヨリ
- ギマ
- アナゴ
- マゴチ
- クロダイ
- シーバス
- アオリイカ
冬
- カレイ
- メバル
- カサゴ
- ヒイカ
- アイナメ
- クロダイ
- シーバス
常滑港でお勧めの釣法と仕掛け
ファミリーにはサビキ釣りがお勧め
子連れファミリーや釣り初心者さんの場合は「①常滑港の港内護岸」や「④前島港の赤灯波止」などの足場の良いポイントでサビキ釣りからスタートするのがお勧めです。サビキ釣りはアミコマセという撒き餌をカゴに入れて魚を集め、サビキ針という疑似餌でアジやイワシ、サバなどを狙う釣法です。
比較的釣果が上げやすく、朝マヅメや夕マヅメなどの回遊のタイミングに合えば小さなお子さんでも数釣りが楽しめるでしょう。
その時に回遊してくる魚のサイズに対応できるよう、サビキ仕掛けの号数は複数用意しておくのが理想です。特に子連れファミリーの場合は、小さな魚でも釣れることが大事だと思いますので、必ず針が小さい1号針のサビキ仕掛けも持参することをお勧めします。
釣具屋さんでは1号針のサビキ仕掛けを置いていないことも多いので、事前にネットで買っておきましょう。
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▶楽天でサビキ仕掛け1号を検索
▶yahooショッピングで検索
なお、回遊魚狙いの場合は釣れた魚が暴れて、仕掛けがぐちゃぐちゃに絡まってしまうことも多いので、仕掛けは余分に持って行くようにしましょう。
アミコマセ
サビキ釣りで使う撒き餌(アミコマセ)は、釣具屋さんで販売している冷凍のブロックになったアミコマセが一番集魚効果が高く、釣果も出しやすいです。ただし、冷凍ブロックのアミコマセは買い置きが難しかったり、解凍する手間があったりと不便な面もあります。
釣行の際に釣具屋さんに寄らずに直接釣り場に行くなど手間を省きたい場合は、パックのアミコマセを事前に買っておくと良いでしょう。ただし、パックのアミコマセを購入する際は「アミ姫」にすることを強くお勧めします。パックのアミコマセにはタイプや種類が豊富ですが、筆者の経験上ではアミ姫が集魚力や使い勝手がダントツに良いです。
泳がせ釣り
サビキ釣りでアジなどの小物が釣れたら、それを生き餌に泳がせ釣りもお勧めです。ルアーなどに比べてゲーム性は落ちますが、釣り初心者でも大物が狙いやすい釣法となっています。
最近ではエレベーター仕掛けでの泳がせ釣りが人気となっていますので、ぜひ用意しておきましょう。
常滑港へのアクセス
常滑港の場所(地図)
電車
最寄り駅は中部国際空港連絡鉄道の「常滑駅」もしくは「りんくう常滑駅」です。どのポイントに釣り座を構えるかに寄って異なりますが、概ね徒歩20分ほどの距離で電車釣行も可能な釣りスポットです。
車・駐車場
最寄りのインターチェンジは知多横断道路および中部国際空港連絡道路の「りんくうインターチェンジ」です。ICから釣り場までは車で10分弱とアクセスしやすい場所にあります。
駐車場は常滑市民文化会館やイオンモールの駐車場が利用できる他、港内の護岸には車を横付けして釣りができるポイントもあります。
常滑港近くの釣具屋
ハナヤ釣具店
②の防波堤の付け根付近にある釣具屋さんです。徒歩圏内に釣具屋さんがあると餌の買い足しなどがしやすく安心です。
- 住所:愛知県常滑市保示町5-1
- 電話番号:0569-35-4677
- 営業時間
平日・祝日:6時~19時
土日:5時~19時 - 定休日:火曜日
沢田釣具店
常滑港から車で5分ほどの場所にある釣具屋さんです。
- 住所:愛知県常滑市塩田町5丁目5-183
- 電話番号:0569-35-3253
タックルベリー 愛知半田店
常滑港から車で20分ほどの場所にある釣具屋さんです。全国にチェーン展開する大型の釣具屋さんで、中古釣具の販売、買取も行っています。
- 住所:愛知県半田市有楽町6-52-1
- 電話番号:0569-25-1230
- 営業時間:11時~21時
- 定休日:年中無休
- 公式サイト
常滑港近くのその他釣りスポット
りんくう釣り護岸
りんくう釣り護岸は常滑港から西に車で5分ほどの場所にある釣りスポットです。対岸に中部国際空港(セントレア)が見える全長約1kmの護岸で釣りが楽しめます。
セントレア大橋付近を堺に、足元が敷石となっているポイントとそうでないポイントに分かれていますので、サビキ釣りをしたいファミリー層の場合は、セントレア大橋より北側に釣座を構えると良いでしょう。
サビキ釣りでアジやイワシ、サバなどの定番魚から、ルアーや泳がせ釣りでシーバスなども狙えます。また、サヨリの回遊もありますので、釣果情報が出ている場合は表層を狙う専用の仕掛けで積極的に狙ってみると良いでしょう。
りんくう釣り護岸については、以下の記事でも詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。
▶りんくう釣り護岸はファミリーフィッシングに最適!狙える魚種や各ポイントを360度写真付きで紹介
大野漁港
大野漁港は常滑港から北へ車で15分ほどの場所にある釣りスポットです。矢田川河口の河口に作られた漁港で、魚影は濃く、汽水域を好むシーバスの好ポイントとして知られています。
釣りポイントも豊富で、港内の防波堤の他、河口の水門付近や港から北側に続く護岸などで釣りが楽しめます。
足元でのサビキ釣りには不向きな釣り場となっていますが、ある程度投げることができれば夏場はシロギス、冬はカレイなども狙うことが可能です。
大野漁港の詳細については、以下の記事でご確認ください。
▶大野漁港の釣り場は初心者からベテランまで楽しめる!異なる環境の各ポイントを360度写真付きで紹介
新舞子マリンパーク
新舞子マリンパークは常滑港から北へ車で25分ほどの場所にある釣りスポットです。人工島に作られた大きな公園で、人工島の南側にる全長740メートルほどの釣りができる護岸を有しています。
護岸は足場も良く、また全面に転落防止の柵が設置されていますので、ファミリーフィッシングにも最適です。
足元の水深も3~4メートルあり、初心者にお勧めの足元でのサビキ釣りも可能となっていて、夏から秋にかけてはアジやサバ、イワシなどの数釣りが楽しめます。お子さんでも比較的釣果を出しやすい釣りスポットとなっています。
新舞子マリンパークについては、以下の記事で詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。
▶新舞子マリンパークの釣り場は子連れ家族にも最適!狙える魚種やポイントを360度写真付きで紹介
愛知県内のその他釣りスポット
愛知県内には常滑港以外にもたくさんの釣りスポットがあります。知多半島や渥美半島はもちろん、三河湾に浮かぶ離島も高速船の定期便が就航していて、気軽に行ける離島の釣りスポットとして人気を博しています。
以下の記事では愛知県の数ある釣りスポットの中から、ファミリーフィッシングにも向いている釣り場を厳選して紹介しています。愛知県内での釣行の際にはぜひチェックしてみてください。
▶愛知県の釣りスポット22選!ファミリーや初心者にもオススメなポイントを360度写真付きで紹介します
常滑港のまとめ
常滑港は近くに人気の釣り場「りんくう釣り護岸」等があるため、比較的釣り人は少なく穴場な釣りスポットです。ポイントにこだわらなければ釣り場としてのキャパも大きいので釣座の確保もしやすいでしょう。
ただし、立入禁止の場所や釣り禁止となっている場所もありますので、現地の看板や港関係者の指示に従って釣りを楽しみましょう。常滑港の独自のルールとして「ヒッカケ釣りは禁止」という制限もありますのでご注意ください。
近年、釣り人のマナーの悪さから釣り禁止となってしまう港が増えています。この常滑港も釣り禁止となってしまわないよう、
- ゴミは持ち帰る
- 餌で汚したら掃除をする
- キャストする際は周りに十分注意する
- 迷惑駐車は行わない
など、釣り人としてのルールやマナーを徹底して守ることが大切です。
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