泉の森で野鳥観察のススメ。引地川の源流にあるバードウォッチングスポットを360度写真付きで紹介

泉の森の概要

泉の森は神奈川県大和市にある面積約42ヘクタールの大きな自然公園です。公園の中央付近を横断するように国道246号線が走っていて、北エリアと南エリアとに分かれています。

北エリアには

  • 大池
  • 野鳥観察デッキ
  • ウバユリ群生地
  • あじさいの道

など自然観察を楽しみやすい公園となっています。

南エリアも同様に自然溢れるエリアとなっていることに加え、

  • バーベキューができるキャンプ場
  • 湿生植物園
  • 郷土民家園
  • 自然観察センター
  • しらかしのいえ

などがあり、アウトドアを楽しんだり、自然や歴史について学んだりできる施設が整備されています。

園内には木製のアスレチック遊具やローラーすべり台など、子供が楽しめる施設も充実しています。夏場は園内の小川でザリガニ釣りも楽しむことが可能です。

また、園内にソフトクリームなどが売っている売店がある他、キャンプ場の駐車場近くにはコンビニもありますので、気軽に出かけてピクニックや自然観察、お散歩などを楽しめる公園となっています。

泉の森は野鳥観察にも最適!

泉の森はその名の通り緑豊かな森を活かした公園となっている他、園内には引地川の源流である『しらかしの池』を始めとした水辺も豊富で、野鳥が集まりやすい環境が揃っています。

広い園内には歩きやすい遊歩道が張り巡らされていて、バードウォッチング初心者や年配の方にとっても野鳥観察をするのに最適な公園です。

水辺ではバードウォッチャーに人気のカワセミや見ごたえのあるサギの仲間などが観察できる他、冬場は越冬のために訪れたカモ類などで賑わいをみせます。

また、水鳥の他にも森の中ではエナガやヤマガラなどの留鳥、アカハラやオオヨシキリなどの夏鳥、ジョウビタキやツグミなどの冬鳥と、季節ごとにとてもたくさんの種類の野鳥に出会うことができるスポットです。

園内全域がバードウォッチングスポットとなっていますが、北エリアにある大池付近には野鳥観察デッキも設置されていて、人気の野鳥観察スポットとなっています。

なお、泉の森はバードウォッチャー以外にもたくさんの方が利用する公園となっていますので、野鳥観察をする場合は人が少ない朝早い時間が狙いです。季節は越冬のために多くの鳥が集まることに加え、葉が落ちて木の枝に止まる野鳥を探しやすくなるので冬がおすすめとなっています。

園内に設置されていてる『大和市自然観察センター』や日本野鳥の会などが主催する野鳥観察会も定期的に開催されていますので、バードウォッチング初心者の方は参加してみるのも良いでしょう。興味がある方は公式サイトのイベント情報をチェックしてください。

泉の森で見られる野鳥

留鳥(一年を通して出会える鳥)

留鳥とは繁殖や子育て、越冬などを一定の場所で行う鳥です。渡り鳥のような季節に応じて生息する場所を変える鳥ではありませんので、季節にかかわらず出会える鳥です。ただし、小さい鳥は木の葉っぱが散って枝だけになっている方が見つけやすいなど探しやすさは季節ごとに違いがあります。

  • アオゲラ
  • アオサギ
  • ウグイス
  • エナガ
  • オオタカ
  • オナガ
  • カケス
  • ガビチョウ
  • カルガモ
  • カワウ
  • カワセミ
  • カワラバト
  • カワラヒワ
  • キジバト
  • キセキレイ
  • ゴイサギ
  • コゲラ
  • コサギ
  • シジュウカラ
  • スズメ
  • セグロセキレイ
  • ダイサギ
  • チョウゲンボウ
  • ハクセキレイ
  • ハシブトガラス
  • ハシボソガラス
  • バン
  • ヒヨドリ
  • ミソサザイ
  • ムクドリ
  • メジロ
  • モズ
  • ヤマガラ
  • エゾビタキ

オナガ

オナガは全長約36センチで、その名の通り尾羽根が長いのが特徴的な野鳥です。

首元から腹にかけては白色で、背中は灰色で翼の先の方に青みがかった羽毛を持っています。また、頭部のみ黒く帽子を被ったように見えるという特徴もあります。

昔は本州全域で見られる留鳥でしたが、近年は西日本での繁殖は観測されておらず、日本での分布を狭めている野鳥です。ただし、西日本では数が減る一方、東日本では個体数が増えているという調査結果もあります。

ゴイサギ

水辺に佇むゴイサギ

ゴイサギは体長60センチ前後のペリカン目サギ科に属する野鳥です。翼を広げると1メートル以上となり、バードウォッチングでは見ごたえのある野鳥として人気です。

夜行性の鳥で昼間は林の中や水辺近くの木の上でじっとしていることが多く、日が傾きかけた頃に池に訪れて小魚を捕食する姿が見られます。

日が落ちた夜には大きな声で「クワッ」っとカラスのように泣くことから、別名『ヨガラス(夜烏)』とも呼ばれています。

漂鳥

漂鳥とは日本国内で季節に応じて生息場所を変える鳥です。それに対し、移動する距離が長く日本と国外とを行き来する鳥は渡り鳥と呼ばれています。

漂鳥は暖かい季節には北の地域や標高の高い場所に生息し、寒い季節になると南の地域や低地に移動して越冬します。

泉の森では基本、晩秋から冬、春の初頭にかけて出会える可能性が高い鳥たちです。

  • アオジ
  • オオバン
  • カイツブリ
  • クイナ
  • シメ
  • トラツグミ
  • ノスリ
  • マガモ
  • ルリビタキ
  • イカル

カイツブリ

水面を泳ぐカイツブリ

カイツブリは体長25~30センチほどの水鳥です。カモに似ていますがカイツブリ目カイツブリ科の鳥で、カモではありません。北海道や本州の北エリア、または山地では夏場の暖かい季節のみ生息する漂鳥ですが、本州中部以南の低地では留鳥として一年を通して観察できる野鳥となっています。

ベースの色は茶色ですが、首元の羽毛が夏は赤っぽく、冬は黄色っぽく淡い色に変化します。

体の作りとして歩くのにはバランスが悪いのですが、泳ぐのには適した体となっていて、潜水もとても得意な鳥です。潜水して小魚やエビ、水中の昆虫などを捕食します。

トラツグミ

地面に降りているトラツグミの後ろ姿

トラツグミは体長約30センチほどのスズメ目ツグミ科に属する野鳥です。羽毛の色は黄褐色をベースに黒い鱗状の斑がまんべんなく入っていて、トラの模様を連想させる色味となっています。

山地で繁殖を行い、冬は積雪のない地域へと移動します。冬場は市街地の公園などでも見ることができます。

雑食性で、地面に降りて落ち葉をかき分けてミミズなどを捕食します。

夏鳥

夏鳥とは、暖かい春~夏の季節に日本国内に飛来し繁殖活動を行い、秋には日本を離れ国外で越冬する渡り鳥たちのことです。

  • アカハラ
  • オオヨシキリ
  • キビタキ
  • サシバ
  • ツバメ

アカハラ

木の枝にとまるアカハラ

アカハラは成長だと全長24センチほどになる比較的大きな野鳥です。胸からお腹辺りまでオレンジ色の羽毛に覆われているのが名前の由来となっています。

明るく開けた場所で地上に降りてミミズや昆虫などを捕食します。

真夏の繁殖期には標高の高い場所で繁殖を行うため、泉の森でアカハラを探す場合は春がお勧めです。

キビタキ

木の枝にとまるキビタキ

キビタキは体長13~14センチほどの小さな野鳥です。メスは地味な色合いですが、オスは黒をベースとした翼に旨や頭の一部に黄色い羽毛を持ち、カラフルな姿でバードウォッチャーを楽しませてくれます。

昆虫を捕食するため雑木林を好んで住処にしていますので、雑木林を中心に探してみると良いでしょう。また、明け方にオスは縄張りを誇示するために美しい声を発します。鳴き声を頼りに探すのもコツのひとつです。

夏場に日本で繁殖を行ったキビタキは、冬の訪れとともに東南アジアへ渡り越冬し、また暖かい季節に日本に戻ってきます。

冬鳥

冬鳥は秋から冬にかけて日本国内に訪れ越冬する渡り鳥です。春には日本を離れて北へ移動し、繁殖や子育てを行い、また寒い季節に日本に戻ってきます。

  • アメリカヒドリ
  • オナガガモ
  • カシラダカ
  • キンクロハジロ
  • コガモ
  • ジョウビタキ
  • シロハラ
  • タシギ
  • ツグミ
  • トモエガモ
  • ハシビロガモ
  • ヒドリガモ
  • ヒレンジャク
  • ホシハジロ
  • マヒワ
  • ヨシガモ

オナガガモ

水面を泳ぐオナガガモのオス

オナガガモはその名の通り尾羽根が長いのが特徴的なカモです。ただし、尾羽根が長いのはオスのみで、メスはオスに比べて尾は短めとなっています。また、体長もオスは75センチほどまで成長するのに対し、メスは55センチほどと体格差もあります。

また、柄もメスは地味な色合いなのに比べ、オスは顔(頭部)が茶褐色ですが首から胸にかけて白い羽毛を持ち、派手ではありませんがユニークな模様を持つ水鳥となっています。

なお、夏場は局地に近いツンドラ地帯で繁殖を行い、冬に日本の本州以南で越冬する冬鳥です。

ヒドリガモ

群れで水面を漂うヒドリガモ

ヒドリガモはオスの体長が約50センチ、メスが40センチほどのカモです。マガモやコガモと同様、日本ではよく目にするポピュラーなカモとなっています。

見た目はオスのほうが派手な色合いとなっていて、顔は茶色いがベースに額から頭頂部にかけてクリーム色のラインが入っています。背中側は灰色ですが尾羽根に近い先の方は美しい黒色となっています。

ユーラシア大陸の北部で繁殖を行い、越冬のために日本などに渡ります。日本では冬に全国で観察することができます。淡水の池だけでなく、海上や海岸でみかけることも多い野鳥です。

旅鳥

枝に止まるエゾビタキ

旅鳥とは夏に日本より北の地域で繁殖し、冬は日本より下の地域に渡り越冬する野鳥で、渡りの途中で日本に立ち寄る渡り鳥です。旅鳥は基本、春と秋に飛来してきますが、どちらか一方の季節だけに飛来してくるケースもあります。

泉の森では旅鳥の『エゾビタキ』が飛来してその姿を見せてくれることがあります。

泉の森へのアクセス

泉の森の場所(地図)

電車

最寄り駅は相模鉄道本線の『相模大塚駅』で、駅から公園までは徒歩15分ほどと電車でのアクセスも良好です。

また、小田急江ノ島線の『大和駅』や『鶴間駅』からも徒歩25分ほどで、複数の路線や駅の利用が可能な公園となっています。

車・駐車場

東名高速道路の『綾瀬スマートインターチェンジ』から公園まで車で15~20分ほどの距離となっています。

なお、泉の森には『泉の森第1駐車場』『泉の森第2駐車場』『泉の森ふれあいキャンプ場駐車場』『泉の森臨時駐車場(土日のみ)』の4つの駐車場が備わっていて、いずれも無料で利用可能です。

泉の森の野鳥に関するみんなのツイート

神奈川県内のその他バードウォッチングスポット

神奈川県内には東高根森林公園以外にもまだまだたくさんのバードウォッチングスポットがあります。横浜などの大都市を抱えているため都会のイメージが強い神奈川ですが、意外にも自然が残るスポットも多く、野鳥観察が楽しめる場所も豊富です。

海沿いの公園や都市公園、標高の高いエリアなど環境も様々で、見られる野鳥が豊富なところも魅力のひとつです。また、電車などで都心からのアクセスしやすいスポットも多く、初心者でも野鳥観察が楽しみやすい場所も多いのが特徴です。

以下の記事では神奈川県内の数あるバードウォッチングスポットのうち、初心者でも楽しみやすいスポットを中心に複数紹介しています。神奈川県内でバードウォッチングを楽しむ際の参考にしてください。
神奈川県の野鳥観察スポット11選!初心者でもバードウォッチングが楽しみやすい公園や池などを360写真付きで紹介

泉の森の基本情報

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