仲原遺跡は伊計島の知る人ぞ知る観光名所。縄文時代の人々の暮らしを感じる遺跡を360度写真付きで紹介

仲原遺跡の概要

仲原遺跡(なかばるいせき)は沖縄県うるま市の離島「伊計島」にある、縄文時代晩期~弥生時代前期(沖縄貝塚時代中期)の集落跡の遺跡です。

遺跡のある場所はもともとサトウキビ畑として利用されていた土地で、伊計島のほぼ中央付近に位置しています。

土地改良事業の事前調査によって1978年に23棟の竪穴住居跡や土器、石器などが発見され、沖縄だけでなく日本の歴史という観点からも学術的に価値が高いため国の史跡に指定されました。国の史跡として指定されたのは、発見から約8年後の1986年のことです。

その後10年をかけて仲原遺跡の竪穴式住居が復元され、現在では「イチの里 仲原遺跡」として伊計島の知る人ぞ知る観光名所となっています。

24時間無料で開放されていて、誰でも自由に歴史的に価値の高い遺跡を見学することができるスポットです。

仲原遺跡の竪穴式住居

仲原遺跡の竪穴式住居跡

仲原遺跡の竪穴式住居跡

竪穴式住居とは地面を少し掘って窪みを作り、その中に柱を建てて作られた半地下の住居です。日本では後期旧石器時代に作られ始め、縄文時代に最盛期を迎えた後少しずつ進化しながら弥生時代にも作られていたようです。

仲原遺跡の竪穴式住居は沖縄県外で発見されたものと少し異なり、建物の基礎でもある壁に琉球石灰岩が使われています。琉球石灰岩で作られた壁は風通しがよく夏でも涼しいという利点があります。

仲原遺跡で復元された竪穴式住居跡の中で一番大きいものは「第15号復元住居」と呼ばれる住居跡で、長軸と短軸ともに5メートルという広さで、穴(窪み)の深さは48センチとなっています。

また、第1号復元住居からは女性の人骨も発見されました。そのことから、使われなくなった住居に埋葬する風習があったと想定されています。

犬名河(インナガー)

仲原遺跡から北へ直線距離で500メートルほどの海岸近くに「犬名河(インナガー)」と呼ばれる自然の湧き水があります。

犬名河は近年でも地域住民の生活用水として利用される湧き水ですが、その歴史は古く、仲原遺跡が作られた縄文時代から利用されていたそうです。

伊計大橋と同時に伊計島の上下水道が整備された1982年以降は生活用水としての役目を終え、現在では農業用水として利用されていますが、記念碑も建てられていて誰でも自由に見学することができます、仲原遺跡とセットで訪れたい観光スポットにもなっています。

なお、犬名河によると

今から数百年も昔、農夫が畑仕事をしていると、犬がずぶぬれになって身震いしながら海岸から上がって来る。

不思議に思って從いて行くと犬が湧き出る泉で水浴びをしていたという。

爾来「犬名河」と呼ばれ伊計島唯一の水源地として人々の生活を変えて来た。

出典:犬名河の記念碑

という言い伝えがあり、そこから「犬名河(インナガー)」と呼ばれるようになったそうです。

仲原遺跡のある伊計島とは

伊計大橋から見た伊計島

仲原遺跡のある伊計島は、沖縄本島中部の東側、勝連半島(与勝半島)の北側に浮かぶ有人島です。平安座島や宮城島、浜比嘉島などで構成される与勝諸島の一つで、他の島と同じく海中道路や橋を経由して本島から車で行くことができる離島となっています。

周囲7.49キロメートル、人口は230名ほどの小さな島ですが、自然豊かで美しいビーチを抱えていることから、近年はレジャーや観光スポットとして注目を集めています。

海中道路を経由して車で渡れる島の中では一番北に位置し、勝連半島から一番離れた場所にある島であることから、「イチハナリ」と呼ばれています。(沖縄の方言で「一番離れている」という意味です)

仲原遺跡に「イチの里」という名前が付いているのは、このイチハナリからきています。

仲原遺跡へのアクセス

那覇空港から仲原遺跡までは、高速道路を利用して約1時間30分ほどの道のりです。アクセスしやすいとは言い難く、最寄りのインターチェンジ(沖縄北IC)からも40~50分かかってしまいます。

その分、伊計島自体が他の観光名所に比べて人が少なく、穴場な観光スポットというメリットもあります。

バス

那覇バスターミナルから「27番屋慶名線(屋慶名バスターミナル行)」に乗車し、「JAおきなわ与那城支店前」というバス停で下車。うるま市コミュニティバスに乗り換えて「伊計ビーチ前」というバス停で下車すると、そこから仲原遺跡までは徒歩15分ほどです。

仲原遺跡に関するみんなのツイート

仲原遺跡のまとめ

仲原遺跡の入口にある大きな石斧のモニュメント

仲原遺跡の入口にある大きな石斧のモニュメント

もともとサトウキビ畑として利用されていた場所のため、今でも仲原遺跡の周りは全て畑となっています。沖縄らしいサトウキビ畑が広がる風景の中に、防風林に囲まれた仲原遺跡があります。

仲原遺跡で遠い昔の人々の生活を感じると同時に、伊計島に今でも色濃く残る古き良き沖縄の風景に癒やされることができるスポットです。

那覇市街などからは少々離れていますが、仲原遺跡の周りには真っ白い砂浜のビーチや果報バンタなどの絶景スポット、海中道路などの人気ドライブコースなど、見どころが盛りだくさんとなっていますので沖縄旅行の際には足を運ぶことをお勧めします。

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