雨の石畳道
沖縄旅行の初日、あいにくの曇り時々雨という空模様の中、首里城からほど近いもう一つの観光スポット「首里金城町の石畳道」に足を運んでみました。
金城町石畳の歴史
金城町石畳道は、沖縄がまだ琉球王国として独立を保っていた時代の1522年に建造が始まった「真珠道(マダマミチ)」の一部です。琉球王朝時代、真珠道は首里と島尻地区(沖縄本島の南部)を結ぶ幹線として重要な道で、首里城前の石門を起点に、
- 金城坂(今回紹介している金城町石畳道)
- 識名坂
- 真玉橋
- 石火矢橋
- 豊見城城下
- 小禄
を経由して那覇港まで続く長さ4km総延長10kmの道です。
当時、倭寇(わこう)という海賊から、琉球王国の重要拠点である那覇港を守るため、有事の際はこの真珠道を使って首里城から軍隊が那覇港に向けて出陣。島尻地区からやってくる軍勢と合流して倭寇の侵入に備えるなど、軍用道路して機能していました。
そこから時は流れ、第二次世界大戦で地上戦を経験した沖縄。その戦争以前はこのような石畳でできた道がいくつもありましたが、その多くを戦争で失ってしまいました。今回紹介する金城町の石畳道は海抜の高い首里城の陰になっていたため、奇跡的に石畳が残ったと言われています。
金城町石畳道の360度写真
無料休憩所「金城村屋」
金城町石畳道の途中には、誰でも気軽に立ち寄ることができる無料休憩所が設置されています。この無料休憩所「金城村屋」は、赤瓦屋根に縁側部分が開放的に開いている伝統的な建築様式で建てられており、沖縄らしさを感じながら小休憩をとることができます。
この日は地元の方達が集まり、流しそうめん祭りを開催していました。観光客だけでなく、地元の人たちの憩いの場としても活用されているようです。
休憩所の前には、大きなカジュマルの気が立っています。
カジュマルは沖縄のいたるところに生えており、沖縄を象徴する木の一つとして地元の人達にも親しまれています。ちなみに、沖縄では昔から、このカジュマルにはキジムナーという精霊がいると言われており、幸せを呼ぶ木としても有名です。枝から長いヒゲを生やすその出で立ちはいかにも南国の木。見かけたらぜひキジムナーを探してみてはいかがでしょうか。
下から見た石畳道
下側から見上げた石畳道です。
反対側には金城橋、そして識名坂(しちなんだびら)が続いています。識名坂は、「識名坂の遺念火」という怪談話があり、心霊スポットとしても有名な坂ですが、現在では舗装された道路となっており、特に不気味な雰囲気もなく普通の坂のように見えます。(ただし、結構急勾配な坂が続くので、歩いて登るのはかなり疲れます…)
日本道百選に選ばれた石畳道
金城町石畳道の幅は約4メートルで、全長は238メートル。その名の通り石を敷いて造られた道で日本の道百選にも選ばれています。
乱れ敷き(みだれじき)
石畳に使われている石は「琉球石灰岩」という石で、正方形などでは無く一つ一つ違う形をしています。その為、並べ方も不規則となっており、その手法は「乱れ敷き」と呼ばれ、その石の表面を「小叩き上げ」という方法で加工して形を整えています。
両側の石垣も同様に大小様々な石でできており、規則正しく作られた道とは一味違う雰囲気を作り出しています。
滑りやすい石は、滑り止めのために切り込みを入れるなど加工が施されているようですが、それでも雨の日は滑りやすく、十分注意が必要です。また、雨が降っていない日でも、凸凹した歩きづらい道ではありますので、歩きやすい靴で行くことをオススメします。
音楽喫茶
無料休憩所よりも少し登ったところに、何故か音楽喫茶があります。
この日は時間の都合上寄ることができませんでしたが、気になりますね。次回はぜひ立ち寄りたいと思います。
首里の石畳道は車も通る?
石畳道の沿道に立つ建物は古民家だけでなく、コンクリート造の比較的新しい家も建っています。
当たり前の話ですが、ここにも住んでいる人がいて、その人達にとっては普通の生活の場であり、日常があります。首里城のように観光地化された場所も良いですが、この石畳道のように現代の生活と古きものが交じり合った場所も一見の価値があるかと思います。
沿道の家には車が停まっていて、観光地というだけでなく、一般の生活の道でもあることが伺えます。ちなみに、一般車両も通行可の道ではありますが、道幅も狭い上、地面は凸凹の石畳なので、よほどのことがない限り進入するのは控えたほうが良いかと思います。レンタカーでお越しの際はご注意を。
金城町石畳道への行き方
モノレールで行く場合
ガイドブックやインターネット上には、「モノレールの首里駅から徒歩15分」とありますが、もっと遠い気がします。沖縄の炎天下だと自然と歩みもゆっくりとなりますので、30分くらいはみていたほうが良いかと思います。
ただ、首里駅と金城町石畳道の間には、
- 首里城
- 玉陵(たまうどぅん)
- 一中健児の塔
などの観光スポットや、
などの食事処もありますので、のんびり観光や腹ごしらえをしながら向かうことができます。
レンタカーで行く場合(駐車場について)
石畳道の近くには、無料で停められる場所(交通広場)があります。ただし、無料なので混んでいて停められないことが多々あるようです。もし停められない場合は、赤マルソウ通りにある有料駐車場(城南パーキング)を利用しましょう。この城南パーキングであれば、駐車場の目の前が、石畳道の入り口の目の前となっており、とても便利です。
上の360度写真は、赤マルソウ通りから見た石畳道の入口です。入口の反対側に水色?のコンクリート造の家がありますが、それが城南パーキングです。一見ただの民家の広めの駐車場、という感じですが、れっきとした有料駐車場で、料金は1時間300円です。
首里城周辺の観光スポットをレンタサイクルで!
時間もたっぷりあって歩くのも苦じゃなければ、首里城の駐車場に止め、石畳道を含めた首里城周辺の観光スポットを巡るのが理想的かと思います。首里城はもちろん、別の記事で紹介している「守礼門」「玉陵(たまうどぅん)」なども、この石畳道から歩いていける範囲の観光スポットとなっていますので、セットで楽しむことをお勧めします。それぞれ詳細は下記の記事をチェックしてください。
守礼門を360度写真でバーチャル体験!もうがっかりなんて言わせない
玉陵(たまうどぅん)を360度写真レポート。世界遺産をバーチャル観光!
また、モノレールの首里駅から徒歩1分の場所に「ポタリング首里」というレンタサイクル店もあります。電動機付き自転車をレンタルすることができますので、坂道の多い首里の城下町でも楽に散策することが可能です。
※金城町石畳道は自転車で走ることは出来ませんので、近くに自転車を停めて観光することになります
最後に
今回はあいにくの天気で沖縄らしさが伝わりづらい360度写真になってしまいましたが、古都首里の情緒と現代の生活が混じり合う貴重な場所です。
沿道や周辺には
- 金城町の大アカギの木
- 金城大樋川
- 新垣ヌカー
- HKドラマ「ちゅらさん」の撮影地となった民家
などの見所がたくさんあり、1時間程度で見て回ることができますので、ぜひ首里城だけでなく、金城町石畳道まで足を運んでみることをオススメいたします。
金城町石畳道の基本情報
- 住所:沖縄県那覇市首里金城町2丁目7
- 料金:無料
- 時間:無制限(ただし地元の方たちの生活の場なので、節度のある時間に楽しみましょう)
- アクセス:ゆいレール「首里駅」から徒歩15分~
石畳道のクチコミ・評価
2時間散歩。石畳歩くの30年ぶりくらい。膝に尋常じゃないくらい負担くる。散歩中に首里城が見えないのがただ寂しい pic.twitter.com/xUORsCgYMw
— ふるおりさん (@XaEu2Zp4nyJlOZJ) May 9, 2020
来る迄は怖くて怖くて仕方なかった沖縄県那覇市金城町の石畳道。首里城炎上の報に触れた時、この風情ある道にも影響があったのでは?と心配しましたが、こちらも大丈夫、のようでした。 pic.twitter.com/M62xX6DatF
— 絶望くん (@zetsu_bou_kun) April 21, 2020
石畳道の入口、真夏日にはかなり辛い上り坂なので首里城から下ってここを出口にしましょう〜 pic.twitter.com/763Re2NwsS
— 是政 / KOREMASA (@koimei2) 2017年9月3日
で、首里城の裏手にある
金城町の石畳道琉球時代の名残が
ほんのちょっとだけ残る
いいところなのですけども、
場所が悪いのか
まったく観光客がいない
( ´△`)道の途中に喫茶店が
あったので、
喫茶店好きの僕としては
行かないわけにはいかない pic.twitter.com/oM58v0U9g3— 月島もんじゃ@女装男子 (@inmylife0918) 2017年9月9日
石畳通り。めっちゃ勾配キツイ。綺麗だけど歩き回る根性はなかった……。首里城まで昇るだけでヘロヘロ。 pic.twitter.com/GEMVlrbatZ
— 大江戸 (@Oedo_nekosukiy) 2017年9月29日
首里城近くの石畳は500年ほど前に敷かれ、往時は真珠道と呼ばれた。しかし、先の戦争で破壊され尽くし、ほんの200メートルほどしか残っていない。
本当に何もかもが損なわれていった。 pic.twitter.com/I9LxVeK3LU— 尹雄大 (@nonsavoir) 2017年6月29日
首里城のうらてにある金城町石畳道をてくてく歩いているうちに雨があがったのでホテルのある牧志駅まで歩いて戻ってきました。石畳道は風情があっていいですね~ pic.twitter.com/HViiHB7vH2
— さえぴ~ (@saepi26) 2017年6月17日
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