屋慶名展望台の概要
屋慶名(やけな)展望台は、沖縄県うるま市与那城にある知る人ぞ知る絶景スポットです。沖縄本島中部の東側にある勝連半島(与勝半島)に位置し、付近には観光スポットとして有名な海中道路や勝連城跡などがあります。
展望台の目の前には藪地島という小さな離島があり、その藪地島と勝連半島との間を流れる「屋慶名海峡」を一望することができます。
陸地に挟まれた屋慶名海峡は、天然の良港として琉球王朝時代よりも前から重要な港として活躍していた歴史的にも価値の高いエリアです。
展望台にはベンチやあずま屋も備わっていて、絶景を眺めながらのんびりとお弁当を食べたり休憩したりすることができる他、公衆トイレも備わっています。
海中道路などの有名な観光スポットの影に隠れているためか屋慶名展望台まで足を運ぶ観光客は少なく、ハイシーズン中でも絶景を独り占めできるほど穴場な観光スポットです。
屋慶名展望台の見どころ
絶景の屋慶名海峡
屋慶名展望台の見どころはなんと言っても眼下に広がる屋慶名海峡の絶景。屋慶名海峡は「新沖縄県観光名所35景」にも選ばれた場所で、数ある沖縄の絶景スポットの中でも上位に入るお勧めな絶景スポットとなっています。
沖縄の海といえばコバルトブルーが広がる海や透明度が抜群の海を連想する方も多いかと思いますが、この屋慶名海峡は海は乳白色が混ざったエメラルドグリーンとなっているのが特徴で、ビーチから眺める真っ青な海とは一風変わった海の姿を見ることができます。
海峡は狭いところで40数メートルほどしかなく、両サイドを森林に囲まれている姿はまるでエメラルドグリーン色の川が流れているように見えます。海が見える絶景ポイントがたくさんある沖縄ですが、他ではなかなか見られない屋慶名展望台ならではの絶景となっています。
また、展望台からは屋慶名海峡だけでなく薮地大橋で繋がる薮地島や、海中道路で繋がる平安座島などを一望することができ、「沖縄の瀬戸内海」と呼ばれることもあります。
屋慶名海峡の岸辺に降りることもできます
屋慶名展望台は屋慶名海峡沿いの小高い丘に作られていて、入口から約100段ほどの階段を登ると展望所に着くのですが、逆に屋慶名海峡の海岸まで下りていくことも可能です。
屋慶名海峡を高台から見下ろせるだけでなく、同じ絶景を全く別の角度からも楽しめるのも屋慶名展望台の嬉しいポイントの一つとなっています。
屋慶名海峡に残る伝説
屋慶名海峡には「東洋のローレライ伝説」とも呼べる言い伝えが残っています。
なお、ローレライ伝説とはドイツのライン川を舞台にした伝説で、水の精の美しい歌声が船乗りを魅惑し、流れの早い川の波間に引き込まれてしまうというものです。
一方、屋慶名海峡に残る伝説は、海賊が屋慶名に上陸して村を襲おうとした際に、海峡に設けられた拝所(潮御願)の石香炉で刀を研いだところ、そこに祀られていた神様が怒って海賊船を転覆させたという言い伝えです。
またそれとは別に、大和(沖縄県外)の船が嵐の日に屋慶名海峡で転覆してしまい、船員たちが海の底に沈み亡くなってしまった。それ以来、海の底から船員たちの悲しい歌声が聞こえるようになったという伝説もあります。
藪地島(ジャネー洞)
屋慶名展望台の目の前にあるのが「藪地島」という小さな離島です。現在は無人島となっていますが、藪地大橋で繋がっていて本島の人が農業(畑)を営んでいます。
島には広いビーチがある他、6500年前の縄文時代に作られた土器のかけらが見つかったジャネー洞(藪地洞窟遺跡)という洞窟があり、こちらも知る人ぞ知る観光名所となっています。
農地以外は手つかずの自然が残る島ですが、橋で気軽に渡ることができますのでぜひ足を運んでみてちょっとした冒険を楽しんでみてはいかがでしょうか。
なお、ハブが多い島としても知られていますので、ハブにはくれぐれも注意してくだし。
屋慶名展望台へのアクセス
車
那覇空港からは高速道路を利用して約1時間ほどの道のりです。なお、専用の駐車場はありませんので、注意が必要です。近くの港などの駐車場を利用している方が多いようです。
バス
那覇からバスで行くには、「沖縄バス 27 屋慶名線下り久茂地経由屋慶名向け」に乗り「東屋慶名」というバス停で下車。バス停(東屋慶名)から屋慶名展望台までは徒歩10~15分ほどです。
屋慶名展望台近くの穴場な観光スポット
アマミチューの墓
アマミチューの墓は屋慶名展望台から車で10~15分ほどの場所にある穴場な観光名所です。琉球を創った女神「アマミチュー(アマミキヨ)」のお墓と言われていて、地元の方にとっては聖地となっています。
アマミチューの墓については、以下の記事で詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。
▶アマミチューの墓は琉球開闢の神が眠る聖地!浜比嘉島のパワースポットを360度写真付きで紹介
シルミチュー霊場
シルミチュー霊場は屋慶名展望台から車で15~20分ほどの場所にある穴場な観光スポットです。こちらも琉球を創った女神にまつわる聖地で、アマミチューとその夫であるシルミチューが暮らしていたとされる洞窟があります。
シルミチュー霊場の詳細については、以下の記事でご確認ください。
▶シルミチュー霊場は沖縄の聖地!琉球を創った神が住んでいたと伝えられるパワースポットを360度写真付きで紹介
果報バンタ
果報(かふう)バンタは屋慶名展望台から車で20分ほどの場所、宮城島にある絶景スポットです。別名「幸せ岬」と呼ばれる場所で、高さ約70メートルの断崖絶壁から真っ青な太平洋を一望することができます。
サンゴ礁が作り出すエメラルドグリーンからコバルトブルーへと変化するグラデーションの海は、屋慶名展望台から見る海とは異なる顔を持っていますので、ぜひセットで見ておきたい絶景スポットとなっています。
果報バンタの詳細については、ぜひ以下の記事でご確認ください。
▶果報バンタ(かふうばんた)-沖縄の絶景スポットを360度写真付きで紹介
屋慶名展望台のまとめ
ミルキーエメラルドグリーンの海峡を一望できるのが屋慶名展望台の特徴ですが、実は夜も絶景が見られるスポットとしても知られています。
もちろん、夜の海峡は真っ暗でエメラルドグリーンを見ることはできませんが、真っ黒な海峡の向こうにはライトアップされた海中道路を眺めることができます。(実際にライトアップされているのは海中道路と繋がる平安座大橋です)
また、屋慶名展望台の周辺には光害が少なく、晴れていれば都会では見ることのできない満点の星空が頭上に広がります。
海中道路やその先の与勝諸島などで観光を楽しむ際は、昼も絶景、夜も絶景の屋慶名展望台もプランに入れることをお勧めします。
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