渋谷センター街の概要
渋谷センター街は、JR渋谷駅のハチ公前広場からスクランブル交差点を斜向いに渡った先にある商店街です。TUTAYAと大盛堂書店との間から伸びる通りだけがセンター街だと思っている人も多いですが、両サイドの「文化村通り」「井の頭通り」や、それらを繋ぐ小道やスペイン坂など一帯が渋谷センター街という商店街となっています。
通り沿いにはアパレルショップをはじめ、ラーメン店や居酒屋、カフェなどの飲食店やカラオケ、ゲームセンターなどの娯楽施設など、若者向けの店舗が軒を連ねています。
渋谷センター街の歴史
センター街の下には川が流れている
渋谷センター街は住所的に「渋谷区宇田川町」となっています。その「宇田川町」という地名の通り、以前は渋谷川の支流である宇田川が流れてしました。
この宇田川は、豪雨の度に反乱し水害をもたらしていたため、昭和4年から進められた渋谷川下流の沿岸工事によって暗渠(地下に設けた水路)へと姿を変えます。
今でも渋谷センター街の地下には暗渠化された宇田川が流れていて、どこの地下を流れているかを「googleMap 河川&暗渠ルートマップ」にて確認することができます。
ちなみに、西武百貨店のA館とB館を繋ぐ地下通路がないのは、A館とB館との間を暗渠化された宇田川が流れているためです。
流行の発信地と治安の悪化
この暗渠となった宇田川の上には飲食店が建ち並び、昭和30年頃に駅前一帯で始まった区画整理事業にて「宇田川有楽街」と名付けらました。
区画整理当初はまだ住宅なども残っていて、今とはだいぶ違う風景だったようですが、時代が流れるとともに繁華街としての色が濃くなり、次第に若者が集う街となっていきます。
1980年代後半の「チーマー」を皮切りに、
- ヤマンバ
- ガングロ
- ルーズソックス
- コギャル
- ギャル男
など、たくさんの若者文化がこの地で生まれては全国の地方都市に拡がっていく。という流れが続き、日本でトップクラスの流行の発信地として有名な商店街となりました。
ただ、この若者文化は健全さを欠いていたため、若者たちが集うのと同時に治安は悪化。いつしか「不良の街」「危険な街」としての認識が定着してしまいます。
Shibuya Center-Gai Patrol(SCGP)によるパトロール
いつしか不良の溜まり場と化してしまった渋谷センター街ですが、渋谷センター商店街振興組合の活動により、2000年代に入って徐々に治安が回復してきています。
2003年に渋谷センター商店街振興組合による「渋谷センター街パトロール隊(SCGP)」が結成され、キャッチセールスやビラ配りの取り締まりや、たむろする若者の補導を行いました。(SCGPの活動は今でも続けられています。詳しくはコチラ)
このSCGPの地道な活動も功を奏したのか、現在の渋谷センター街の治安は、以前に比べるとだいぶマシな状況となっています。
バスケットボールストリートに改名
また、危険な街としてのイメージを払拭するために、2011年9月26日にメインストリートの通り名を「バスケットボールストリート(通称バスケ通り)」に改名しました。
勘違いしている人も多いようですが、渋谷センター街という商店街の名前が改名されたわけではなく、センター街の「メインストリート」が「バスケットボールストリート」に改名されただけです。商店街の名前は引き続き「渋谷センター街」のままとなっています。
バスケットボールが持つクリーンで健全なイメージを定着させるのが狙いのようですが、改名の発表後少し話題にはなったものの全くと言って良いほど浸透していないのが実情です。渋谷センター街という商店街の名前自体が既に全国区の認知度となっているので、両立させるのはハードルが高いようです。渋谷センター街という商店街名自体を改名するくらい大胆なことをやらないと、なかなか認知されないのかもしれませんね。
渋谷センター街の今後
時代とともに変化し続ける渋谷センター街ですが、今後も変わり続けていくことでしょう。
東京オリンピックに向けて、渋谷駅周辺では大規模な再開発が進められていて、さらに渋谷には様々な人種が集まってくることが予想されます。そんな中、流行の発信地として渋谷の中心であり続けるのか?または他の場所に客足を奪われてしまうのでしょうか。
若者を惹きつけるエネルギーを持つ場所としては日本一のスポットと言っても過言ではない渋谷センター街。日本の若者の今後を占うという意味でも、渋谷センター街の今後が気になるところですね。
渋谷センター街の360度写真
今回は、昼と夜両方の360度写真を撮影してきました。
昼間のセンター街
スクランブル交差点を渡ると、ツタヤと大盛堂書店との間に、センター街のメインストリート「バスケ通り」の入口があります。
ツタヤのビルにはスタバが入居しているのですが、このスタバは世界のスタバの中でも売上ナンバーワンを誇るそうです。
バスケ通り(メインストリート)です。この360度写真を撮影したのはお正月で、閉まっている店も多く、人もまばらでした。
渋谷センター街にはラーメン店も多く、360度写真に写っている「野郎ラーメン」の他にも、「熊本桂花ラーメン」「鬼そば藤谷」「北海道ラーメン 味源熊祭 おくむら」など、人気店がひしめいています。
マクドナルドよりも奥に進むと、なんとなく裏通り感が出て治安が悪そうなイメージです。
宇田川町の交番前の360度写真です。
井の頭通りの360度写真です。バスケ通り(メインストリート)に比べると落ち着いた雰囲気があります。
こちらも井の頭通りの360度写真。バスケ通りと雰囲気が異なりますが、こちらもれっきとしたセンター街です。
西武百貨店の裏側。
夜の渋谷センター街
夜の渋谷センター街の360度写真です。バスケ通り(メインストリート)の入口には、「バスケットボールストリート」という横断幕が掲げられていました。
夜もネオンで明るく、眠らない街といった感じです。
宇田川町の交番前です。ちょっとした事件は日常茶飯事で、きっと他の交番に比べると忙しいんでしょうね。
宇田川町の交番近くには、アドアーズ(ゲームセンター)があります。2013年に「渋谷会館」という老舗のゲームセンターが閉店したことが時代の流れを象徴することとして話題になりました。
センター街周辺の見どころ
渋谷にはセンター街以外にも観光やショッピングを楽しむスポットが沢山あります。
渋谷のハチ公像
待ち合わせの定番スポット「渋谷ハチ公像」です。亡き主人の帰りを待ち続けた忠犬ハチ公の話は、映画にもなったことから海外でも有名で、この銅像前は外国人観光客の観光スポットになっています。
渋谷イチの待ち合わせスポット「ハチ公前」を360度写真レポート&バーチャル体験
渋谷スクランブル交差点
渋谷駅からセンター街へと渡るスクランブル交差点です。一回の青信号の横断で3,000人もの人が渡るとも言われていて、とにかく通行量が多い交差点です。
一度にこれだけ沢山の人が行き交う様子は、海外の旅行客にとって異様な光景に映るようで、人気の高い観光スポットとなっています。
明日の神話
渋谷センター街からもほど近い場所に、岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」が飾られています。場所はJR渋谷駅と京王井の頭線の渋谷駅とを繋ぐ連絡通路にあります。
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