玉城城跡の概要
玉城(たまぐすく)城跡は沖縄県南城市にある高台に築かれたお城の跡です。本丸である一の曲輪の他、二の曲輪、三の曲輪の三区画で構成されていますが、残念ながら戦争等による被害でお城の原型はなく、現在は一の曲輪の城壁のみが残っています。
なお、二の曲輪、三の曲輪の城壁(石垣)は戦後のアメリカ統治下で、アメリカ軍の基地を作るため建築用石材として利用されてしまい、現在は根石が少し残っているだけです。
いつ誰が築城したかなど、玉城城の歴史は判明していないことも多く謎多き城ですが、石垣の積み方から約600年前に築城されたと推定されています。
アマミキヨが築城
玉城城跡は、地元沖縄では琉球開闢の神「アマミキヨ」が築城したという伝説もあり、神聖な場所として崇められています。(アマミキヨは沖縄を創ったとされる女神で、沖縄の各所に様々な伝説が残されています)
天然の要害に築かれていて軍事的に価値のあるお城であると同時に、築城前からこの場所には拝所があったと言われていて、宗教的にも意味を持つお城だと考えられています。
現在、城跡は誰でも自由に見学することができ、また1987年には国の史跡に指定され歴史的にも価値が高いことから、知る人ぞ知る観光名所にもなっています。
玉城城跡の魅力
一枚岩をくり抜いて作られた城門
駐車場から玉城城跡へと少し険しい道を登っていくと、まず目に飛び込んでくるのが唯一原型を留めいている城壁にある城門です。
城門は一枚岩(石灰岩)をくり抜いて作らた珍しい構造の城門となっていて、玉城城跡の見どころの一つとなっています。敵の侵入を防ぐためか門(穴)の直径はさほど大きくなく、人一人が通れる程度の大きさです。
なお、夏至の日にはこの城門から朝日がまっすぐ差し込み幻想的な光景を見ることができます。この神秘的な光景をひと目見ようと夏至の日には玉城城跡に多くの観光客が訪れる絶景スポットとなっています。
雨つづ天つぎ御嶽
本丸となる一の曲輪の門を抜けて進むと、正面にあるのが「雨つづ天つぎ御嶽」という拝所です。玉城城跡は「東御廻り(あがりうまーい)」の巡拝地の一つであり、この雨つづ天つぎ御嶽は琉球七御嶽の一つとなっています。
なお、東御廻りは琉球開闢の女神アマミキヨが住んでいたとされる聖地など、アマミキヨの伝説が残る琉球王国ゆかりの地を巡拝する行事のことです。玉城城跡の他、斎場御嶽やヤハラヅカサなど14箇所の聖地があり、玉城城跡は14番目の拝所となっていて、「アガル御イベ、ツレル御イベ」という神が祀られています。
そのため、玉城城跡は「アマツヅ城」という別名も持っています。
干ばつの際には国王が雨乞いの儀式を行っていた神聖な場所で、現在では沖縄通の観光客からパワースポットとしても知られています。
絶景
玉城城跡は標高約180メートルの高台に築かれたお城で、天空の城とも言われています。そこからの眺めは格別で、沖縄の南部地区が一望できる他、真っ青な海や神の島と呼ばれる久高島などを望むことができます。
特に城門の出口付近からの景色は絶景で、写真の撮影スポットにもなっています。
穴場
玉城城跡は首里城などのメジャーな観光スポットに比べてまだまだ知名度は低く、訪れる観光客も少ない穴場なスポットです。
ほぼ誰もおらず独り占めできることも珍しくありませんので、ゆったりと歴史ある城跡を散策したり絶景を眺めたりすることができるのも魅力の一つです。
なお、穴場なだけにお土産物屋さんや売店、食事処、トイレなどの設備はありませんのでご注意ください。
玉城城跡へのアクセス
車
那覇空港から玉城城跡までは車で約30~40分です。
カーナビに玉城城跡が登録されていない場合は、城跡の隣ある「沖縄県立玉城青少年の家」を目指すと良いでしょう。沖縄県立玉城青少年の家の住所は「沖縄県南城市玉城玉城420」です。
なお、沖縄県立玉城青少年の家の駐車場の西隣が、玉城城跡の駐車場となっています。
バス
那覇バスターミナルから「沖縄バス 41 つきしろの街線下り南城市役所向け」に乗車し、「仲村渠」というバス停で下車。バス停から玉城城跡までは徒歩15分ほどです。
玉城城跡の口コミ
玉城城跡
絶景でしたねー pic.twitter.com/MwoMuze8Hp
— ガナチ (@GanatiDrum) October 31, 2021
続いては玉城城跡。
こちらは結構調査が進められており、かつては三郭まであった巨大城跡だったそう。
が、運悪く米軍用地に隣接してたが故にここの用地や石材を利用され現存してるのは主郭の城跡部分だけ。
城門は自然の一枚岩を刳り貫かれて作られてます。内部から海が見れるのが少し粋ですね。 pic.twitter.com/WNMXD96e6L
— 青福@携帯故障につき低浮上中 (@YoneFuku20) June 6, 2021
早朝にアマミキヨ(沖縄を作った神様)が作った城。玉城城跡(タマグスク)別名アマツヅ城に行きました。中には御嶽があってお酒が合ったから何方かいらっしゃったんですね。会わなくてよかった。邪魔したら悪いから。不思議と蝶々が沢山飛んでて深い黒と青の綺麗な蝶々沢山飛んでいた☺️ pic.twitter.com/PxEY3f0xBV
— なっちゃん@カロリー (@natsu79690270) October 19, 2020
玉城城跡のまとめ
玉城城跡は先にも書いた通り標高約180メートルの高台にあるお城で、少し険しい道を徒歩で登る必要があります。お城近くは木組みの階段が設置されているとは言え、ビーチサンダルなどではなくスニーカーなど歩きやすい靴で行くようにしてください。
なお、玉城城跡の観光にかかる所要時間は30分ほどなので、玉城城跡に行く際は近隣の観光スポットと合わせて楽しむのがお勧めです。
南城市には玉城城跡の他にも大小複数の城跡があり、これら城跡や文化遺産を効率よく周る「グスクロード(城の道)」というコースを南城市が定めていますので、それに沿って観光するのも良いでしょう。
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